2008.10.01 Wednesday

「ぶらんこ乗り」 いしい しんじ

「ぶらんこ乗り」はいしいしんじさんの初の長編小説なんだだそうです。
麦ふみクーツェ」や「プラネタリウムのふたご」とはちがい、ものがたりの舞台はたぶん日本のどこか。

とってもあたまのいい少年とおねえちゃん。
やかましやのおばあちゃんと画家のおかあさん、額縁職人のおとうさん。それに、半分毛がぬけてしまった犬「指の音」。
ものがたりは少年が去ってしまってから見つかったノートを読みながらおねえちゃんが彼との思い出を回想していきます。

「あのこ」と呼ばれた少年はぶらんこ乗りとお話をつくるのがとてもじょうずだった。「たいふう」「くうちゅうぶらんこのげんり」
、それに「おばけのなみだ」。

「おばけのなみだ」はどぶ川にすんでいたおばけが故郷の汚い川に帰れないで流すなみだはどかんどかんと物を壊してしまう。
実際に町では物が壊れた後に水たまりができる事件がおきた。
正体は雹だって大人はいうけれど、わたしだって川のおばけの方がずっとおもしろいとおもう。

少年の作るお話は、まるでどれもみんな、いままで読んだことの無いようなお話で、解説の方も言っていたけれど胸がしんとなってどこかとおい、ふしぎな世界につれていってくれる。
読者のわたしも、少年のおねえちゃんとおんなじようにわくわくしながら文中にお話がでてくるのをいつのまにか待ちかねてしまいます。

とてもかなしい出来事のあと、おねえちゃんを立ち直らせるように少年がつくった最後のお話はとてもすばらしいウソでした。
そういえば「プラネタリウムのふたご」でも最後の手品はすばらしいウソで、このおかげで傷ついた魂が救われることになったんだっけ。

人の魂を救い、わくわくさせるものがたり。
こんなウソなら信じてみたい。

麦ふみクーツェ
プラネタリウムのふたご


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2008.09.03 Wednesday

「プラネタリウムのふたご」 いしいしんじ

星が見えない村のプラネタリウムに捨てられたふたごたち。
彗星のなまえをつけられたテンペルとタットル。
テンペルは、興行にきた一座について奇術師に。
タットルは、村にのこって星の語り部に。
離れ離れになってしまったけれど、
空の下・星座を見上げればにいればどこにいようと
自分の家を、故郷を感じることができる。

登場人物、みんながやさしいんです。
でも、そのやさしさが時に人を不幸にしてしまうことがある。
悲しいできごとを乗り越えて、すこしでも喜びを与えるために
彼らは精一杯、自分のできることをやり抜こうする。

私にとっていしいしんじさんのお話ほど、
感想を書くのが難しい作品はありません。
ものがたり自体が難しいのではなく、感想を書こうとすると、
私のつたない文章力では独特の世界の物語を伝える言葉が見つからないんです。
(ほかの感想がうまくかけているわけではないのですが)
書けば書くほど、ことばがすべり落ちてしまう。
これは実際にものがたりを「体感」していただくほかはないのです。

麦ふみクーツェ
ぶらんこ乗り

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2008.09.02 Tuesday

しゃばけシリーズ絵本 「みぃつけた」 畠中 恵

「しゃばけ」シリーズの番外編の絵本。「みぃつけた」は子どものころの若だんなと鳴家(やなり)のおはなしです。

読むと思わず、ほおがゆるんでしまいます。

小さい頃から病弱な一太郎は、今日もふとんに伏せっています。
ばあやも店のひとたちもいそがしく、あまり一太郎を
かまってはくれません。
ふとんの中でさびしい思いをしている一太郎のところに
ある日、小さな子鬼たちがやってきます。
人に見えない小さな鬼を、なぜか一太郎は見ることができ、
一緒にあそぼうと子鬼たちのあとを追いかけるのですが…

一太郎が寝込んだとき、心配そうに小さい手を一太郎のおでこにあてて、熱をはかろうとする鳴家がかわいい。
最後にお友達になった一太郎の布団に鳴家も入ってきて
うれしそうに笑う一太郎。それからずっと鳴家は一太郎の
布団で眠っているわけです。こんなにいたら、たしかに
さびしくはなさそうです。(^^)

絵本形式なのできゅわきゅわと鳴いて遊ぶ鳴家が
たっくさん描かれています。かわいいです。(//▽//)

みぃつけた
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2007しゃばけドラマ感想→
2008しゃばけドラマ感想→
「しゃばけ」感想→
「ぬしさまへ」感想→
「おまけのこ」感想→
「うそうそ」感想→
「いっちばん」感想→
「ころころろ」感想→
「ゆんでめて」感想→
「やなりいなり」感想→
「ひなこまち」感想→
「たぶんねこ」感想→
「すえずえ」感想→

JUGEMテーマ:読書感想文

2008.08.09 Saturday

「麦ふみクーツェ」 いしいしんじ

【ものがたり】
港町でそだった「僕」は、ねこそっくりな声を出すことができる。
おじいちゃんは町の吹奏楽のリーダーで音楽のこととなると
人が変わったように厳しくなる。父さんは数学の教師で素数の数式の証明にとりつかれている。
ある日「僕」は黄色い大地を「とん たたん とん」と独特のリズムで麦ふみをするクーツェに出会う。

わたしにとって、はじめてのいしいしんじ作品です。
童話のようで童話でない、
不思議でちょっと切ないお話でした。
いままで読んだことのないような、それでいてどこか懐かしいような舞台の世界と、主人公のまわりのユーモラスで優しい人々。

物語の前半部分は吹奏楽のコンクールで優勝するものの、
町に不思議なネズミの雨が降ったおかげで、町の様子がおかしくなったり、「ねこ」が進学した音楽学校になじめないでいたり、
故郷に現れたセールスマンが町の人々をだましてしまったり
辛いことも多く、読んでいて切なくなりました。

けれど、蝶の刺青をしている盲目の「ちょうちょおじさん」に出会い、おじさんの紹介で友達の名チェリストの「先生」や、先生の娘の「みどりいろ」、「先生」がチェロを弾きに行く娼館の女性たち。こころやさしい「へんてこ」な人々との出会いは「ねこ」のこころを癒し、読んでいるわたしまでうれしい気分になってゆきます。

やさしいリズムと音楽が本全体をやわらかく包んでいるような、
あたたかい気持ちになる物語でした。

プラネタリウムのふたご
ぶらんこ乗り
トリツカレ男

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レビューポータル「MONO-PORTAL」

2008.04.06 Sunday

ごんぎつねにまつわる悲しい思い出

尊敬するブロガー・あひるさんのごんぎつね記事を読んで思い出したこと。

ごんぎつねは、みなさんご存知のとおり
ごんというきつねが兵十が母親に食べさせるうなぎを逃してしまった贖罪からきのこや栗を兵十へとどけるのですが、誤解から兵十はごんを銃で撃ってしまいます。


小学校2年生のとき、学校でこの話を読んだときすごく悲しくて、
ごんに生きていてもらいたくて、先生に感想を聞かれたとき
「ごんはきっと生きていると思います。兵十が看病してよくなるとおもいます。」と答えました。

すると、クラスの親分(田舎では結構裕福な職業で割と金持ちの娘)が「(鉄砲で撃たれたんだから)そんなのありえないと思います。」
的は発言を。
すると、先生、親分に大賛成。
「はい、●●●さんが正しいです。」

ええ、だって先生w( ̄Д ̄;)感想っていったじゃん。!
書いてないけどごん、生きてるかもしれないじゃないかぁ。・゚・(*ノД`*)・゚・。

小2にして人生の厳しさを知った「ごんぎつね」でした。


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2007.06.17 Sunday

カレル・チャペックの絵本 「郵便屋さんのお話」

カレル・チャペックの童話が、かわいい絵本になりました。( ̄▽ ̄)カレル・チャペックの物語は、挿絵を兄のヨゼフ・チャペックが担当しています。

郵便局に住み着いている妖精たちは、
手紙をトランプ代わりに使います。
なかでも愛に満ちた手紙は、いちばんつよい札になるのです。
妖精たちから教えられ、住所の書かれていない
プロポーズの手紙を届けるために奔走するやさしい
郵便やさんのお話。

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2006.03.18 Saturday

カレル・チャペックの絵本 「長い長いお医者さんの話」

カレル・チャペック
・「ロボット」というコトバをはじめて用いた人。命名は彼の兄、ヨゼフ・チャペック。
彼の童話は現実世界と、幻想世界が同じ次元に存在します。だから、魔法使いもお医者にかかるし、警官がドラゴンを退治したりします。

・カッパが出てくる物語。チェコにもカッパがいるのかな?それともチェコの水の妖怪が「カッパ」と訳されたのかしら?
リューマチがつらいカッパさんは、温泉に住んでいるそうです。

・私が好きなのは警察官のお話。警官達がパトロール中に起こった出来事を休憩中にタバコを吸いながら話しています。

その中にはヒドラを育てた男の話や、ドラゴンにさらわれたお姫様を救出する話。王様から御礼に国の半分をやるといわれたが、パトロールが大変なのでと断ったり、まるで近所に小人や妖精が存在していて、人間世界と折り合いをつけながら住んでいるというところが好きです。

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かわいい子犬、ダーシェンカの絵本。

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2005.09.22 Thursday

アルプスの少女ハイジのトリビア

9/21のトリビアの泉で「アルプスの少女ハイジ」のおじいさんのトリビアが紹介されてましたが、この他にも私も知ってるハイジ関係のトリビアはこちら。
「アルプスの少女ハイジ」の続編は、原作者・ヨハンナ・シュピリとはまったく別の人が書いている

これは、原作者のヨハンナ・シュピリが続編を書く前に亡くなってしまったため、原作のフランス語訳を担当したシャルル・トリッテンという人が勝手に?想像を膨らませてその後のハイジの物語を書いたらしい。

うろ覚えだけど続編のストーリーはこんな感じ。

「それからのハイジ」ではクララが通っていた寄宿学校にハイジも入学し、おじいさんが送ってくれたヤギのチーズが級友たちに臭いを嫌がられる話など。



「ハイジのこどもたち」では、ハイジは村の学校の先生になりペーターと結婚というみんなの予想通りの人生を歩み、その後、何かの理由で(忘れた)ひきとった女の子と、おじいさんの交流を描く。
イチゴ摘みにいった女の子がよかれとおもってイチゴを売って金貨をおじいさんにわたしたら、おじいさんが怒ったエピソードが印象的。(お金じゃ買えないみたいなことを教えたかったらしい。)





2005.08.21 Sunday

「カピバラさん」

常々、動物の中で一番すきなのはカピバラと公言して憚らない私ですが、そんなカピ好きのココロをギュッとさせる1冊を発見。

ぬいぐるみのカピバラさんが本物のカピバラを写真に写っていたり、会社で仕事をしてみたり、カピバラさん満載の絵本。
中でもツボなのが、カピバラさん、ホワイトさん、カピバラ兄弟が積み重なってエレベーターのボタンを押そうとしているところの写真がかわいいのですよ。

おともだちのマイペース、リャマさんや白いカピバラ・ホワイトさんなど、かわいい仲間もたくさん。

カピバラ好きなら是非お試しあれ。
もっと癒されたい方はこちら↓
カピバラさんサイト
カピバラ友の会

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