入浴剤つき文庫本。 ほっと文庫 「ゆず、香る」 有川 浩

2012.02.23 Thursday

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    いい企画ですね。「入浴剤つき文庫本 ほっと文庫」。
    各作家が入浴剤のイメージにあわせて書いた小説は、ちょうどお風呂で読める程度の短編になっています。
    読書好きの方にも、お風呂好きの方にもお勧めです。

    有川浩さんの 「ほっと文庫 ゆず、香る」は、ずっと友人同士だった男女の微妙な恋愛感情を、ゆずの産地・高知県馬路村をからませて描いた恋愛小説。さすがは有川さん。入浴剤についての描写も褒めすぎず、商品の特徴をうまく小説の中に盛り込んでました。ゆずの描写もみずみずしく、入浴剤の香りにつつまれながら、物語の中にするっと入っていけました。

    「ほっと文庫 ゆず、香る」パッケージも香りに合わせて可愛らしいデザイン。
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    「ほっと文庫」中身。小説にはカバーなしなので、お風呂で読むときは注意が必要。
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    実際に「お風呂で読む本」というのもありますが、怪談とかミステリーとか、あまりお風呂向きじゃない→

    有川作品感想


    空飛ぶ広報室
    明日の子供たち
    旅猫リポート

    クジラの彼
    ラブコメ今昔
    阪急電車
    海の底
    空の中
    レインツリーの国
    三匹のおっさんふたたび
    三匹のおっさん

    キケン
    ヒア・カムズ・ザ・サン
    シアター!
    シアター2!

    フリーター、家を買う。
    植物図鑑
    県庁おもてなし課

    JUGEMテーマ:お風呂グッズ

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    「おしまいのデート」 瀬尾 まいこ

    2012.01.04 Wednesday

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      なんてことない人々の、よくある話。けれど、瀬尾まいこさんが描くと、どれも愛しく、切ない物語になる「おしまいのデート」。

      ・別々に住んでいるおじいちゃんと孫の「おしまいのデート
      ・卒業した教え子と教師が、月に一度定食屋で玉子丼をたべる「ランクアップ丼
      ・今まで全く話したことのないクラスメイト(男子)に誘われ、「デート」をすることになってしまった「ファーストラブ
      ・公園に捨てられた犬をめぐる男女の不思議な交流「ドッグシェア
      ・シングルファザーの父兄と恋仲になってしまった幼稚園の先生と、園児のかんちゃんのお話。「デートまでの道のり

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      ランクアップ丼


      私が好きなのは不良の男子学生が飄々とした雰囲気の先生と一緒に玉子丼を食べる「ランクアップ丼」。不良を更生させる、といった大仰な話ではなく、玉子丼を食べながら話すうちに、すこしずつ絆ができていく感じがユーモラスでちょっと切なくて。ラストの展開には不覚にもちょっと泣けてしまった。


      どの話も「よくある話」と片付けてしまえそうな話です。でも、関わる人が違えば、物語もすこしずつちがうし、本当は「よくある話」なんてないのです。いったい、いつから私たちは愛おしい日常を「よくある話」として括って大切にしなくなったのでしょう。

      瀬尾まいこさんの物語は、私たちが邪険に扱いがちな、人々のなんてことない日常を、丹念に拾い集めては磨き上げ、私たちの前に見せてくれます。瀬尾さんの話を読むたびに、大事なモノは日常にこそ潜んでいるのだと気づかされます。

      「ありがとう、さようなら」
      「見えない誰かと」
      「天国はまだ遠く」
      「優しい音楽」
      「強運の持ち主」
      「図書館の神様」
      「幸福な食卓」

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      JUGEMテーマ:オススメの本



      「ありがとう、さようなら」 瀬尾 まいこ

      2011.12.28 Wednesday

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        瀬尾まいこさんのエッセイ「ありがとう、さようなら」は、勤務している中学校での出来事や、日常の様子がおもしろく、そして温かく書かれたエッセイです。瀬尾さんのエッセイを読むと、中学校が本当に楽しい場所に思えてくる。

        中学校の先生って、私生活でもしっかりしてるかと思いきや、瀬尾さんは家の鍵を無くしたり、あまりしっかりされているとは言えない。(足の壊れた机をだましだまし使ってみたりもしている)

        また、瀬尾さんの担当する中学生も世間のイメージとは違って、クラス一丸となって行事に全力を尽くしたりする。

        そんな彼らのパワーを目の当たりにすると、瀬尾さんはどんなにつらくて辞めたいと思っても、また教師を続けられるのだそうです。瀬尾さんのエッセイを読んでいると、中学校が場所に思えてくるから不思議です。

        私の中学生活は軽いイジメでさんざんな目にあったのだけれど、瀬尾さんが担任で、エッセイに書かれたクラスなら、もう一度中学生をやり直してみたいって思います。

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        「優しい音楽」
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        「図書館の神様」
        「幸福な食卓」

        JUGEMテーマ:エッセイ

        「花桃実桃」 中島 京子

        2011.08.27 Saturday

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          会社をリストラされたアラフフォー独身女の茜は、父親から相続したアパート「花桃館」に移り住み、管理人としての生活をスタートさせた。しかし、そこには父の元カノの老婦人、家賃滞納のウクレレ弾き、生活能力の乏しいヘタレ親父、整形マニアの女性など、一癖も二癖もある連中ばかり。

          おまけに時々、死んだはずの住人も現れるようで…。父の元カノ・李華さんによると、茜の父親もそういったものが見えていたらしく、その奇妙な人物たちとも自然に接していたらしい。
          個性的な住人たちに振り回されたり、住人の中学生からのプロポーズ(?)にあたふたしたり、ストレスで脱毛症になって悩んだり。そんな慌ただしい生活に慣れた頃、突然同級生の尾木くんから交際を申し込まれ…。

          茜は父親の影響からか、幽霊らしい住人の老夫婦とソレとは知らず自然に接したり、不思議な出来事に巻き込まれるのですが、生身の住人たちの方が変わっていて、めんどくさい人たちなので、返って幽霊たちとの付き合いの方が自然な感じです。

          現実の話なのに不思議な匂いのする「エルニーニョ」とは反対で、「花桃実桃」は不思議な話なのに、とても現実的なお話でした。
          それはひとえに主人公の茜が40代の女性らしい悩みや問題にぶちあたったり、その中から自分なりの答えらしきものを探しだしていくところがリアルなんですね。

          それにしても中島作品にでてくる男性はヘタレが多い!
          生活能力ゼロで、女房に逃げられて長男におんぶにだっこな父親や、家賃を払わないウクレレ弾きの若者とか。
          同級生の尾木くんも、どっちつかずな感じだしなあ。(^^;)

          やはり魅力的だったのは、茜の父親の元カノ・李華さんですね。
          強気なのに人見知りで、父親のことを一途に思っていて。お盆にはきっと「花桃館」に戻ってくると信じていたり、父親を見かけたとおもって走っちゃったり、一途に思っている姿がかわいらしい。こんな風に年をとれたらいいなあ。

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          「小さいおうち」→
          「女中譚」→
          「エルニーニョ」→
          「冠・婚・葬・祭」→
          「FUTON」→

          JUGEMテーマ:本の紹介

          「冠・婚・葬・祭」 中島 京子

          2011.07.30 Saturday

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            冠婚葬祭をテーマにした4つのオムニバス小説「冠・婚・葬・祭
            小さいおうち」や「エルニーニョ」に比べて不思議な世界観は控えめだけれど、冠婚葬祭という形式ばったテーマから垣間見れる人生のワンシーンを独特の視点で描いています。

            空に、ディアボロを高く


            地方記者だった裕也は、成人式の記事に誤報を載せてしまい、それがもとで新聞社を退職することになった。もともと職場がある町に未練はなかったが、最後に、誤報のきっかけとなった大道芸人をさがすことにする。
            大道芸人の若い女の子は、足をけがして入院していた。彼女は自分のことが載った裕也の新聞記事を大事に切りぬいて持っていた…。

            「冠」てなにがあるんだろう?と思ったら成人式なんですね。成人式は直接描かれず、主人公と大道芸人の女の子の新しい出発の物語です。

            この方と、この方


            菊池マサ枝は昔、お見合いおばさんとして何組ものカップルを結婚させてきたが、世の中が見合いを必要としなくなった今、引退して(もっとも職業ではないが)余生を送っている。

            ある日、偶然にも結婚を希望する男(の妹)と女が別々に現れる。同時期に持ち込まれた男女の相性を「よし」とみたマサ枝は、2人のお見合いを設定する。これを最後の仕事とし、はりきるマサ枝だったが、次から次へとトラブルが押し寄せてきて…

            お見合いというシステムは「結婚」を「短期決戦」で决めなくてはならず、そこにはあまり当人の意志が必要ないものなのですねぇ。けれど、確実に結婚につながるので、以前は便利なシステムだったのでしょう。でも私は、短期決戦で結婚相手を選ぶのはちょっと怖い気がしますが…。

            葬式ドライブ


            建築会社の新入社員の直之は、上司から「横浜の施設にいる老婦人を車にのせて、取引先の会長の葬式につれていく」という奇妙な命令を受ける。どうやら老婦人・宇都宮ゆかりは亡くなった会長とただならぬ縁があるらしい。。ゆかりさんとの風変わりなドライブのあと、ゆかりさんは亡くなり、葬式に呼ばれた直之は、ゆかりさんのことを思い出す。

            彼女の生きた時間は消え、記憶は消え、あとには何も残らないのだ」というセリフが印象的でした。人の死は切ないものですが、そんな人生もまた、いさぎよくていいかもしれません。

            最後のお盆


            これだけちょっと不思議な感じのおはなしです。
            母や叔母が亡くなったため、住む人のいない故郷の家を処分することになり、最後のお盆を過ごすことにした姉妹とその家族。近所に住んでいたという男や、叔父の元婚約者と名乗る女性が次々に現れるが、話を検証すると、どうも彼らこの世の人ではないような…。

            この物語の舞台となった田舎は、私の実家のある地方なので、うどんを打って食べたり、川遊びをしたり、近所の人達がお線香をあげにきたりなど、なつかしいお盆の風景が蘇ってきます。

            もっとも、親族があつまるとめんどくさいことも多いので、お盆自体はいまでも苦手な行事ですが…
            それでも死んだ人を偲んで供養するのは、これからもう少し心をこめてやっていきたいな、と思いました。

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            「のろのろ歩け」→
            「小さいおうち」→
            「女中譚」→
            「エルニーニョ」→
            「花桃実桃」→
            「FUTON」→
            JUGEMテーマ:小説全般


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            「スープ・オペラ」 阿川 佐和子

            2011.05.19 Thursday

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              雑誌で読んだ阿川佐和子さんのスープのエッセイがあんまり美味しそうだったんで、小説「スープ・オペラ」を読んでみました。

              「スープ・オペラ」あらすじ


              ルイは小さいころ母親に死に別れ、母の妹・トバちゃん(とうこおばちゃん)に育てられる。
              あるときトバちゃんが年下の医者と恋に落ち、家をでてしまい、古い家でひとり残されることになったルイ。
              そんなルイのもとに、ある日絵かきのトニーさん(60代)と、年下の気弱な青年・康介が現れる。
              ひょんなことからルイの家に同居することになった3人。

              この奇妙な同居生活は快適で居心地が良い。しかし、ある日トニーさんが家から離れ、康介と男女の関係になってしまうルイだったが、恋人となった康介とは何故かぎくしゃくしはじめてしまう。
              そのうち、トニーさんが幼い頃生き別れた父親ではないかという疑惑が浮上し始めて…

              スープ・オペラ (新潮文庫)
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              ルイとトニーさんと康介。3人でいるときは快適で楽しかったのに、ひとりでもかけるとなんだかうまくいかない。

              恋人でも親子でもないけれど、一緒にいると心地良い関係。
              人はなんでも関係に名前をつけて分類したがるけれど、本当はそんなものは必要ないのかもしれない。
              そばにいて心地良く、楽しく食卓を囲むことができれば。

              トバちゃんをはじめルイのつとめる大学の教授でオネエ言葉の石橋先生や、居丈高な小説家など、個性的な面々がたくさんいて面白い。

              それと、出てくる料理がおいしそう。
              特にトバちゃんの得意料理だった、鶏ガラスープとスープごはん。これがもう、美味しそうで!
              思わず読み終わったあと、鶏ガラを買ってきてしまいました。
              これでスープをつくってみようと思います。→鶏ガラスープごはんを作ってみました。


              スープ・オペラは映画化もされてるんですね。トニーさん役に藤竜也さん。ぴったりだ。(^^)

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              「スープ・オペラ」の鶏ガラスープご飯→
              「残るは食欲」→
              「魔女のスープ 残るは食欲2」→

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              「メロディ・フェア」 宮下 奈都

              2011.05.08 Sunday

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                宮下奈都さんの描く、普通の人たちのなにげない日常「メロディ・フェア (ポプラ文庫 日本文学)」。

                「メロディ・フェア」あらすじ


                ふるさと福井に戻り、ビューティーアドバイザーとしてショッピングモールに配属された結乃は、化粧品、特に口紅が好きで、人をキレイにするこの仕事が好きなのだが、なかなか売上を伸ばせない。

                また、家族の中でひとりだけ化粧が好きというのも、父親が化粧がハデな女性と出て行ったという過去があるせいか、妹・珠美ともちょっとうまくいっていない。

                そんなとき、毎日店内に「メロディ・フェア」が流れる時間に通り過ぎる厚化粧の女性が幼なじみのミズキだと知る。久しぶりに会ったミサキから、「世界征服を手伝ってくれないか」と、よくわからない提案を持ちかけられる…

                ([み]3-1)メロディ・フェア (ポプラ文庫 日本文学)

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                普通の人々の、まいにち


                毎日を一生懸命生きながらも、コンプレックスや人間関係に悩んだりする日々を送る結乃は、読者である私たちと等身大な感じがして好感がもてます。

                美容カウンターに嫁のグチをこぼし来るだけのおばさんとか、ほんとにいそうですね。(^^)

                でもそんなおばさんの話を聞いてあげて、少しでもきれいにしてあげたいと思う結乃の努力が身を結んで、おばさんは忌の際の亭主を送るために口紅を買いに来るんです。このエピソード、好きです。

                メイクが得意ではない私からみるとビューティーアドバイザーの人って怖い印象があります。
                昔、強引なセールスで売りつけられた印象があるせいか、カウンターに座っただけで高い化粧品を売りつけたり、ひょっとしてメイクが下手な自分を笑われているんじゃないかというコンプレックスがアタマをもたげたり、とにかくあまりいい印象はありませんでした。

                でも「メロディ・フェア」の結乃は、その人にあったメイクで人をキレイに幸せにすることを目標にしているんですね。そうか、こういう職業の人はそんな思いで仕事をしているのかと思うと、今まで怖かった美容部員さんたちも親しみやすく感じられそうです。

                ただ、ちょっと登場人物たちの性格が分かりづらかったというか。先輩の馬場さんも意地悪なんだか、親切なんだか最後までわからなかったし。他の人達の性格も今イチつかみにくい。
                確かに、普通にいきている人たちは、いろんないい面も悪い面も、両方持ちあわせているのだけど。

                メロディ・フェア
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                宮下奈都 作品感想


                太陽のパスタ、豆のスープ→
                「誰かが足りない」→

                JUGEMテーマ:オススメの本

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                大人の夏休み「風待ちのひと」 伊吹 有喜

                2011.01.24 Monday

                0
                  「四十九日のレシピ」の伊吹有喜さんのデビュー作「風待ちのひと」読了。読み終わると疲れた心がちょっと癒やされます。

                  「風待ちのひと」あらすじ


                  妻の不倫や母の死で精神的にダメージを受けた須賀は、海沿いの町・美鷲に母親の遺した家の整理をかねて、夏の間だけ滞在することになった。生きる気力を失いかけた須賀の前に現れたのは、トラック運転手たちから「福の神のペコちゃん」と呼ばれる喜美子。

                  須賀は喜美子にの母親の家の整理を手伝うかわりに、クラッシクのコレクションを聞かせて欲しいと頼まれます。初めは喜美子を、ずうずうしいおせっかいなオバチャンだと思っていた須賀でしたが、彼女の献身的な世話で須賀は徐々に生きる力を取り戻していきます。




                  大人になった男女が同級生のように過ごす、ひと夏だけの夏休み


                  手づくりのポテトフライ、ラムネ、イカ焼き、ほろ甘い瓜など、出てくる食べ物も、夏休みを感じさせるおいしそうなものばかりでした。

                  最初は、人生を達観した「福の神のペコちゃん」である喜美子が、須賀を助けていく話なのかと思っていたのですが、話の途中から明るくて働き者の喜美子にも、夫と子どもを早くに亡くした悲しみや、エリートの須賀に対してのコンプレックスなどの弱い部分もみえてきます。

                  そんな弱い部分をもつ須賀と喜美子はいつのまにかお互いを支えあっていくようになっていきます。

                  喜美子が働くバー兼定食屋のマダム、マダムの孫の舜と舞も二人を見守っています。この周りの人々も温かくでやさしかった。

                  反対に須賀の奥さんはダメダメでしたねー(^^;)自分で不倫しといて弱った亭主をほっぽり出して子どもも他人任せのくせに、そういう人ほど自分の飽きた所有物を取られると怒り狂うのよね。

                  ([い]4-2)四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

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                  伊吹有喜作品 感想


                  『彼方の友へ』
                  『今はちょっと、ついてないだけ』
                  『BAR追分』
                  BAR追分シリーズ2『オムライス日和』
                  BAR追分シリーズ3『情熱のナポリタン』
                  『ミッドナイト・バス』
                  『なでし子物語』
                  『風待ちのひと』


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                  「木暮荘物語」 三浦 しをん

                  2011.01.20 Thursday

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                    木暮荘物語」は東京の住宅地にある古い木造アパート、木暮荘に住む人々の物語。と、こうやって書くと、ハートフルでほっこりとした人情物っぽく思われますが、中身はまったく違います。
                    三浦しをんさんの作品はタイトルのイメージと中身がまったく違っていてよく騙されます

                    でもそういった作品ほど面白いんです。「こうきたか!」って感じで。どこにでもいるフツーの人々の、誰にも言えないフツーじゃない「裏側」。一歩間違うとドロドロになりそうな題材を、さらりとした筆致で描いていて、傍から見るとしょーもない性の悩みを抱く人々が、なんだかあきれつつも愛おしく思えてしまいます。

                    シンプリーヘブン


                    花屋に勤める繭が恋人・晃生と過ごしているところへ、三年前にいなくなった元カレ、並木がやってきた。ずうずうしくも家に上がり込む並木と繭、そして晃生。3人の奇妙な共同生活がはじまった。

                    最初はずうずうしい並木に腹が立ちましたが、3人ともが微妙な関係ながら相手を思っている感じがいい。この話だけはちょっと純愛風です。

                    心身


                    木暮荘の大家、木暮は死期の迫った親友の一言に刺激され「人生の最期に○○○○(スパムコメントがくるので自主規制)がしたい」と切実な思いにかられ、出張マッサージのサービスを呼ぶものの、そこへ妻がやってきて…老いらくの恋ならぬ性愛。情け無いような、切ないような。

                    柱の実り


                    トリマーの美禰は、毎朝駅のホームの木の柱を触るのが日課だったが、ある日、柱に水色のきのこ状のモノが生えてきて○○(また自主規制…)のかたちになるのに驚くが、もうひとり、そのモノに気づいたヤクザ・前田と出会う。

                    飼い犬のトリミングを通じて仲良くなるふたりだったが、あのモノは本当は美禰と前田にしか見えないのではないか、と思い始める。美禰とヤクザの前田の共通点、それは…

                    黒い飲み物


                    不倫もの。「シンプリーへブン」にでてきた繭の雇い主のフラワーショップ店主の佐伯と、喫茶店を営む夫。子どもはいないが夫婦仲も店もそこそこ順調。しかしある日、夫が入れるコーヒーが泥の味に変わる。そして夫が夜中家を抜け出すのに気づいた佐伯は、繭に協力を仰ぎ、夫の尾行を開始する…

                    昔は燃えるような情熱を持ってお互いに接していたが、そんな嵐も過ぎ、ゆるやかに老いに向かう四十を半ばの女の嫉妬やあせり。

                    ちょっと内容はドロドロですが、文章がやわらかいので痛い感じではありません。むしろ残るのは悲哀と情け無さ。でもなんだか共感するところも。


                    乱歩の「屋根裏の散歩者」を彷彿とさせるような、でもこちらはおかしな話。
                    木暮荘に住む神崎は神経質で音に敏感。他の住人へのストレスから、空き室に忍びこみ、下の部屋の女子大生の生活をのぞくようになる。最初はストレス解消や性的な目的だったが、徐々に女子大生への親しみが湧いてくるように…

                    ピース


                    その「穴」から覗かれていた女子大生・光子の話。実は神崎ののぞきには気づいていたが刺激になると放っておいた。今は「時々は覗いていいよ。」と公認したため、屋根板の上と下で奇妙な日常会話がかわされている。そんなある日、光子は友人から生まれたばかりの赤ん坊を預かることになる。でも、光子にはあるヒミツがあって…。

                    覗きを続ける神崎と、なんだかんだで信頼関係を築いていて、悲しむ光子を神崎が屋根裏からなぐさめるのが、いい。でも、それなら部屋行けよ!と突っ込んでみたくもなるんですが…


                    嘘の味


                    繭の元カレ、並木は実は繭の元を去った後も繭の働く花屋の近くで彼女を見守って(ストーキング?)していた。そんな時、花屋の常連客であるニジコと出会い、奇妙な共同生活を送ることに。

                    ニジコには、嘘を付いた人、浮気をした人の料理を食べると、砂や泥の味を感じる特技があり、そのため、一切外食はしない。裕福だが修行僧のようなニジコさんとの生活で並木は少しずつ繭のことを吹っ切っていき、ニジコに思いを寄せ始めるけれど…。

                    ふたりが食事をする場面が好きです。いつか並木の思いがニジコさんに届いて、孤独で静かな生活に変化が起きればと、願ってしまいます。並木の方も少しは大人になったようですし。(^^)

                    木暮荘物語
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                    「太陽のパスタ、豆のスープ」 宮下 奈都

                    2010.12.23 Thursday

                    0

                      「太陽のパスタ、豆のスープ」あらすじ


                      結婚二ヶ月前で突然婚約破棄された「あすわ」。
                      人生のどん底を経験し、目の前が真っ暗になったあすわは、風変わりなおば・ロッカさんに、やりたいこと、楽しそうなこと、ほしい物を「ドリフターズ・リスト」として書きだすことを勧められます。

                      ドリフターズリスト


                      「ドリフターズ」って「漂流者」って意味なんですね。どうもカトちゃんケンちゃんのイメージが強いけれど。(^^;)
                      とにかくまあ、最初は嫌々リストを書き、リストの内容を実践していくうちに、今まで自分が見えなかったもの、見ようとしなかったものがなんなのか、そしてそれから自分は何をしたいのか、そんな風に考えるようになります。

                      そんな時、ロッカさんに紹介された青空マーケットで同僚の郁ちゃんのが豆のスープの店を出しているのに出会い、同僚の意外な顔に驚きつつ、郁ちゃんの豆料理に「なにか」のヒントを得たあすわは、自分にとっての大切な「豆」をさがそうとします。

                      リストにやりたいことを書く」っていうのは、頭の中にあったものをいっぺん出して整理できるので、仕事でも、プライベートでも使っています。あすわもリストを書いていくうちにだんだんと内容がより具体的になっていくことで、生活の様子が変わっていくんですね。

                      毎日を、ていねいに


                      「毎日鍋を使う」とリストに書き入れ、料理をつくることにしたあすわ。その料理には恋愛成就の奇跡なんかおこらないごく普通の料理だけれど、毎日食事をつくるのってすごく大変ですごく大事なことだと思う。で、たいていロッカさんがやってきてご相伴に預かるんだよな(^^)

                      あすわのお母さんの「毎日のごはんがあなたを助ける」って言葉が深い。

                      主人公あすわは、突然起こった不幸に対処できず、いろいろとあがきながら「自分にはなにも持っていなかったし、何もなかった」と気づきます。

                      でも、それに気づけるってすごいことなんじゃないかな。たいがいの場合、そんなことを考えずに流されていった方がラクなんですから。

                      風変わりでいつもひょうひょうとしているロッカさん。どこか「かもめ食堂」や「めがね」などの映画のもたいまさこさんのような雰囲気。こんな人になりたいなあ。

                      太陽のパスタ、豆のスープ
                      宮下 奈都
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                      宮下奈都 作品感想


                      「メロディ・フェア」→
                      「誰かが足りない」→

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