2014.06.16 Monday

[舞台感想] 演劇集団キャラメルボックス 『鍵泥棒のメソッド』(ブラックバージョン)

演劇集団キャラメルボックスが、内田けんじ監督の映画を舞台化した『鍵泥棒のメソッド』(ブラックバージョン)を観てきました。今回の公演はメインの3人はダブルキャストとなっていて、本当はホワイトも見たかったのだけど、諸般の事情で断念…(´・ω・`)

『鍵泥棒のメソッド』(ブラック)感想


観終わった率直な感想はこれです!「阿部丈二と畑中智行、そして渡邊安理は、大切なものを盗んでいきました。観客の心です!」そんなカリオストロな感想が口に出るくらい、楽しくて素晴らしかった!

キャラメルボックスらしい『鍵泥棒のメソッド』


でも実は、見るまではちょっと不安だったのです。内田けんじ監督の映画、鍵泥棒のメソッドは『視覚』がなにより重要で、何気ないシーンが実は重要なメタファーだっりするのですが、そうした映像トリックがうまいこと舞台で置きかえられていて、すっと、物語に入っていけました。

やっぱりすごいよ、キャラメルボックス!(*´∀`)ノ

原作者の内田けんじ監督も納得の出来だったらしく、ホワイトとブラック両方鑑賞したそうです。稀代の名監督と、唯一無二の演劇集団、彼らが出会ったことで、また新しいアイデアが生まれてくればうれしいな。

役者さんたちの演技、素晴らしかったです


それには、やはり、役者さんたちの演技がすばらしかったからだと。私がみたブラックバージョンでは、桜井役の畑中さんは、これでもかっていうくらいダメな感じだし(あの、すてきなトリツカレ男のジュゼッペはどこに…)(;´Д`)、好青年役の多い阿部さんは、クールな便利屋と、記憶喪失後の生真面目なとコンドウのギャップが見事。

安理ちゃんもまた、今までみたことのない、真面目で融通のきかないキャリアウーマンの役が、素晴らしかったです。

正直、映画よりもこっちのほうがベストキャストだと思います。

ネタバレ眼福シーンwww


銭湯で便利屋コンドウと、売れない役者桜井が入れ替わる大事な場面。果たしてそこを舞台でどう表現するのか、もしくはシーンごと差し替えかな…?と、思っていたら、銭湯シーン、完璧に再現するどころか、舞台らしい面白みが加わってました。おまけに、俳優さんたちの上半身がああ!Σ(゚∀゚;)
いやはや、いいものを拝ませていただきました…(〃ω〃)

このあと、早着替えからのダンスシーンが、ほんともうかっこよくて。
この導入部分のおかげで、これからの展開に期待が高まったのですよ。

小ネタチェック


後日、ホワイトバージョンをみた友人と、小ネタの違いを確認したところ、桜井のいた劇団名や、ドラマのタイトルなど結構いろいろかわってました。

劇中、コンドウがオーディションを受けたドラマは、三匹のおっさんと、相棒パロディでした。



原作映画と見比べてみても、また面白いです。

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演劇集団キャラメルボックス舞台感想


『TRUTH』2014年版
涙を数える
ジャングル・ジャンクション男組
ナミヤ雑貨店の奇蹟
多田直人案「ごー+」
『隠し剣鬼ノ爪』、『盲目剣谺(こだま)返し』
キャロリング
トリツカレ男
クロノス・ジョウンターの伝説/南十字星駅で


JUGEMテーマ:演劇・舞台


2014.02.05 Wednesday

[舞台感想] えげつなくて、美しくて、切ないおとぎ話。  柿喰う客公演 『世迷言』

柿喰う客『世迷言』東京公演(本多劇場)を観てきました。柿喰う客メンバーの他、名優・篠井英介さん他、若き実力派俳優さんをゲストに招きえげつなくて、美しくて、切ないおとぎ話が紡ぎださせていきました。

まず、冒頭から度肝を抜かれました。奇っ怪なメイク、奇抜なスーツに身をつつんだ登場人物たちが、お伽話を演じていく。その異様さに目を背けたいのに、いつの間にか惹きつけられ、惹きこまれてしまいました。

 柿喰う客公演 『世迷言』

・『世迷言』あらすじ


竹から生まれ、美しく成長したかぐや姫。彼女のもとには数多の求婚者が訪れ、時の帝も姫に結婚を迫る。
しかし、姫は「夢の中に現れる鬼を、退治してくれた方と結婚する」と条件を出す。
帝は軍師に知恵を借り、森に住む大猿の一族に助太刀を頼む。しかし、猿の皇子は「助太刀の代償として、帝の妹を我が嫁に。」と望み、帝は非情にも妹君を猿に渡して、鬼退治へと向かう。やがて鬼の口からは、姫の出自の慮外な話が語られる…。


ぐいぐいと惹き込まれる、異端のおとぎ話



・異説・かぐや姫


本当に、かぐや姫は竹から生まれたのか。
自分は何者なのか、そんな疑問を姫が抱いたがために、やがておのれの悲しい出自を知ることになります。
かなり大胆な異説ですが、確かにこれなら竹から生まれた不思議な出自に納得がいくのです。果たして姫は人なのか、それとも…。かぐや姫の故郷とされる「月」と、女の証である「月」が見事に物語と合致しています。


・異種婚姻譚


『世迷言』では、人外のモノと、人との交わりが描かれます。それは時に絆を育み、時に悲劇を産んでいく。
昔話に様々な形で登場するこれらの婚姻は『異種婚姻譚』といわれ、たいていは悲劇に終わります。人と人外が心を通わせられるのは稀なことだから。

けれど、猿の皇子と、帝の妹君は「命の理を乗り越え、魂の絆によって」結ばれ、絆を育み、子をなすことになります。まあ、最初は妹君のやけっぱちからでしたが(;´・ω・)。
やがて死を覚悟して鬼退治にいく猿皇子に、妻は「だれがこの子に、男の生き様を教えるのですか。」と、無事に帰ってほしいと願います。

他の登場人物たちが、己の欲望ために交わろうとするのに対し、このカップルだけ純粋で美しく、見ていてとても、幸せな気持ちになれました。

古典と現代劇の絶妙な混合



・独特の世界観


『世迷言』の劇中、能や狂言のような台詞回しが出てきます。難しいかと思いきや、案外するすると言葉が脳に響いてきます。中屋敷さんの言葉選びがすばらしいのと、古典芸能のもつ独特のリズムは、日本人に受け取りやすくなっているのかもしれません。

舞台美術やダンス、台詞回しなど、新しいものと古いもの、古典と現代劇が交わって不思議な世界観がつくられていました。もしかして、古典芸能の名人たちが今の世を生きていたら、こんな表現をするかもしれない。


JUGEMテーマ:舞台鑑賞



2014.01.04 Saturday

最低で最高の授業[舞台感想]SEMINAR(セミナー)

2013年12月、北村有起哉、相葉裕樹、黒木華、玉置玲央という実力俳優が挑む、舞台 SEMINAR(セミナー)を観てきました。俳優さんたちの個性と、演技のぶつかり合いが刺激的で心地よく、決してわかりやすい話はないけれど、世界に引き込まれていく舞台でした。

物語はニューヨーク、作家志望の4人の男女が有名作家レナードのセミナーを受講することになる。叔父が有名作家のダグラス、富豪令嬢のケイト、ケイトの知り合いで気弱なマーチン、性的魅力で男たちを翻弄するイジーが参加するが、講師のレナードは自堕落で皮肉家。

ケイトの6年がかりの短編を酷評し、セクシャルなイジーの作品は絶賛、ダグラスには(頭が悪くても)人気があれば成功するハリウッド行きを進めるなど、早くもセミナーは大荒れ。

ただひとり、気弱でレナードに懐疑的なマーチンだけは、かたくなに作品を見せようとしないのだが…。

俳優たちの、個性あふれる演技の妙



・レナード(北村有起哉)さん


大河ドラマ『八重の桜』では実直な会津の官僚を演じた北村有起哉さんですが、今回の作家・レナードは全く違って、破壊的で魅力的。大人のずるさやしたたかさ、セクシーさに圧倒されました。だらしない中にも作家の悲哀や絶望感もあり、すてきでした。あのレナードになら、そりゃ作家の卵たちでなくても、いろいろと『お願い』したくなるわ。

・ダグラス(相葉裕樹さん)


4人の中では一番楽観的で明るい青年役。多少空気を読まないところも…(;´・ω・)
相葉裕樹さんの(*ノω・*)テヘって笑顔が可愛かったです。背の高い人がしょぼーんとするだけで可愛らしく、また面白いですね。

・マーチン(玉置玲央さん)


飛龍伝以来、はじめてみる玉置玲央さん。飛龍伝の役とは真逆の、気弱な文学青年役。どれくらい違うかといえば最初舞台に出ていた時、玲央さんとは気が付かなかったくらい。飛龍伝で魅せた美しい肉体美も、マーチンとしてみているので、なんだか弱々しく感じました。

・ケイト(黒木華さん)


前半の頑なで、喜怒哀楽が激しい感じと、ラストの変貌がすばらしい。やっぱりすてきで、目を離せない女優さんです。玲央さんと華さんの共演は、抜群の安定感。飛竜伝とは、全く別のカップリングだけども。
華さんは最近映像のお仕事が多いので、これを逃したら、当分ないだろうから、観ておいて良かった。

・イジー(黒川智花さん)


喜怒哀楽やアクションの激しい黒木華さん演じるケイトとは対照的に、黒川智花さんのイジーは、セクシャルでクール。表情も妖艶な笑顔と、クールな表情。自分のアピールポイントをわかった上で、男たちを翻弄していく姿はいっそすがすがしいほどでした。

SEMINAR(セミナー)ポスター
JUGEMテーマ:舞台鑑賞


2013.12.25 Wednesday

[舞台感想] 歳末明治座 る・フェア 年末だよ! みんな集合!

総勢31名の俳優たちが集まる、年末恒例の舞台『歳末明治座 る・フェア』、初めて観に行ってきました。『歳末明治座 る・フェア』をざっくり説明すると、戦国鍋TV出演の俳優さんを中心に、イケメン俳優さんたちが、歴史をモチーフにしたお芝居と、オリジナルユニットによる歌謡ショーの舞台です。

これがもう、面白いんです。笑いたっぷり、涙もあり、とにかく楽しいことをギュッとつめこんだお祭りといった感じの舞台でした。


第一部 年末ワイド時代劇 いい国つくろう鎌倉幕府 源氏の御曹司



天下を治めた徳川家康とその孫家光の元へ御伽衆が変わった男・常陸坊海尊を連れてくる。海尊は人魚の肉を喰らって不老不死となり、主君であった源義経のことを語っていく。海尊の語る義経とは、どんな人物だったのか…

・意外と歴史に忠実


今回のお芝居は源義経とその周り人々を描いた歴史絵巻で、現代風なアレンジやコメディタッチではあるものの、歴史考証にや歌舞伎などの筋立てに非常に忠実で、見ているだけでも鎌倉の歴史を知ることができる本格時代劇なのです。

・役者さんたち、みんな素晴らしかった


全員が全員、素晴らしかったのですが、とても書ききれないので、メインの方々の感想のみ。

源義経(矢崎広)…誰にでもタメ口やんちゃだけれど、天真爛漫で人を疑うことを知らず、仲間を大事に、人を大事にする義経くん。たとえ裏切られても兄ちゃんの頼朝のために一生懸命つくす、その姿が健気で、哀れで、みていてたまりませんでした。矢崎広さんの舞台はお初だったのですが、本当に華のある役者さんでした。

常陸坊海尊役(三上真史)…命を助けられた義経に男惚れし、一緒に行動をするものの、生来の不器用さ、ひたむきさゆえに、義経一行を窮地に追いやってしまい、語り部として生きながらえることを選んだ男。三上さんの海尊にも、ずいぶんと泣かされました。三上さんは役の他、座長にMC、歌までこなしてほぼ出ずっぱり状態だったのですが、笑顔を絶やさず、お客さんたちを笑顔にしてくれました。ありがとう座長…゜・(*ノД`*)・゜・


・江戸の芝居小屋のような、こだわりのエンターテイメント


歴史に忠実なお芝居と、盛り上がる歌謡ショーだけでなく、随所にお客を楽しませる「しかけ」があるのがるフェアという舞台。役者さんたちが考案した期間限定のお弁当や軽食、ガチャガチャなどのグッズなども売りだされ、明治座全体でるフェアという舞台を存分に楽しめるように工夫されていました。

お芝居を見て、お弁当を食べてグッズを買って、歌で一緒に騒いで。お芝居以外でも会場が一体になって楽しめる。
なんだかこういのって、江戸のお芝居見物みたいだな、と思ったり。
きっと江戸時代の娘さん(元・娘さん)も、こうしてキャッキャしながらお芝居見物を楽しんだんでしょうね。

三上真史さんプロデュース『すごいよ凄いよ義経くん弁当
すごいよ凄いよ義経くん弁当

すごいよ凄いよ義経くん弁当

常陸坊海尊の年越しそば。年越しそばの由来と海尊くんのコメント、三上真史さんによるそばの花のイラストがついています。
常陸坊海尊の年越しそば


第二部 SHOWでしょう!


こちらは歌謡ショー。鎌倉時代の歴史上の人物のオリジナルユニットが繰り広げる歌とパフォーマンス(ときどきコント)グッズ売り場では、各キャラクターのルミカライトも販売され、とにかく会場が一緒になって盛り上がります。

歴史上の人物によるオリジナルユニット(出演順)


御曹司 (オンゾウシ/通称オーフォー)
頼朝・義経・範頼・能成による仲が悪い兄弟ユニット。父違い、母違いもいるので、4人の中にはまったくの他人という兄弟も。エレガントでセレブリティな美しい楽曲とダンス。

かむろ・8 (カムロ・エイト)
かわいい禿の姿をしていても、平家の悪口を聞くと密告するスパイ集団という設定。音楽もダンスもかわいらしい。

しょきがかりTO(ト)諸行無常 (ショキガカリ ト ショギョウムジョウ)
信康と広元による文官ユニット。役とは打って変わった大人のセクスィーさを全面に出してます。バックバンドの諸行無常は平均年齢高めの俳優バンド。「いつかのメリークリスマス」を歌い上げていました。

御ピース(ゴ・ピース)
某海賊マンガのパロディ。常陸坊海尊を始めとした海賊仲間が、義経が渡ったと言われる大陸へ、日本海の荒波を超えて目指す歌。ロックテイストの楽曲がノリがよくてかっこいい。元気がでます。

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2013.12.05 Thursday

石原さとみさんが下品な言葉の下町娘を演じた[舞台感想]ピグマリオン

石原さとみさん主演の舞台『ピグマリオン』を観てきました。(結局3回観た)ピグマリオンは、貧しい花売りの娘が、言語学者によって一流のレディに仕立てあげられる物語であり、映画『マイ・フェア・レディ』のベースとなった物語です。

けれど、『ピグマリオン』は『マイ・フェア・レディ』とはひと味違い、身分制度への辛辣な皮肉が込められていて、有名なラストシーンも映画とは全く異なります。

私は以前『マイ・フェア・レディ』を観た時に、あんなおじさんのヒギンズ教授が、あんな美しいイライザ(オードリー・ヘップバーン)を射止めるなんてありえない!と思っていたので、今回のピグマリオンが違ったラストと聞いて楽しみにしていました。


石原さとみイライザと平岳大ヒギンズの攻防


ヒギンズ役の平岳大さんは男前なので、映画と同じ結末でもいいんじゃないかと思ったのですが、このヒギンズ、実はどうしょうもない男性なんです。例えるなら「中二病をこじらせた英国紳士」。

弁がたち、有能だけども、礼儀知らず。イライザのことも一人の人間ではなく、感情のない人間のように扱う男。本当に憎たらしいのだけど、でも、憎めないんです。奇妙な魅力があるんです。幼児性と尊大な学者としての顔を平さんが魅力的に、存在感たっぷりに演じていました。カッコ良かった。(*´∀`*)

そしてイライザ役の石原さとみちゃんのイライザ、素晴らしかったです!前半はコックニーという下町なまりのきつい、粗野な下町娘でしたが、言葉と礼儀作法を身につけ、美しくエレガントな女性へと変貌する姿は、同一人物かと疑うほどでした。


もうひとつの主役である『言葉』


ヒギンズ教授はイライザの下町なまりを矯正し、美しい英語を喋れるように教育します。しかし、イライザとヒギンズはその共通の「言葉」を使っても、自分の気持ちを相手に伝えることができない。
後半ラスト近く、2人は壮絶な言葉のバトルを繰り広げていますが、そのラリー自体は面白いものの、お互いの気持は平行線のまま、イライザは去っていきます。

ヒギンズが己を反省してイライザを一人の自立した女性として認めさえすれば、2人はうまく言ったんじゃないかと思うのですが…。

19世紀英国の雰囲気を演出


『ピグマリオン』は、舞台演出や舞台美術も素晴らしかったです。ヒギンズの家や母親の住まい、イライザの部屋の丁度は、スケッチ風に室内が描かれています。白黒のスケッチの舞台に、色とりどり衣装が映えるし、『下町娘を侯爵夫人にする』という、まがい物をつくる行為とも関連しているのかも。
舞踏会のシーンでは実際にソシアルダンスが披露され、舞踏会の雰囲気をもりあげてくれました。

劇場の風景


劇場のロビーも『ピグマリオン』にちなんだ演出されています。花売りのイライザにちなんで花屋風パンフレット売り場
『ピグマリオン』パンフレット売り場

ピグマリオンポスター


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2013.12.03 Tuesday

[舞台] 銀河英雄伝説 第四章前編 激突前夜

舞台「銀河英雄伝説 第四章前編 激突前夜」を観てきました。映像と演劇が融合し、迫力ある宇宙戦争を描かれました。

銀河帝国のラインハルトと自由惑星同盟のヤン・ウェンリー。双方ともに用兵の天才と言われているが、未だ直接対決はなく、今回は来るべき決戦への序章として、ヤンが駐留するイゼルローン要塞へ、帝国の要塞ガイエスブルグをぶつけて戦わせる作戦が実行されることになる。

実はこの作戦の裏には第三勢力であるフェザーンが暗躍していて…。

・「初陣」との比較
いつも仲間と共にあるヤンと、親友を失い、孤独なラインハルト、ふたりの立ち位置が対照的な「激突前夜」でした。舞台上では、「初陣」で完璧に心通わせていたキルヒアイスが去ってしまったし、演技の上でも息がぴったりだったキルヒアイス役の橋本淳さんがいない舞台で、間宮ラインハルトがどんな演技をするのかが心配でもあり楽しみでもありました。

いざ舞台の幕があがると、間宮ラインハルトは、キルヒアイスを失った孤独を抱えながら、覇業を進めていく姿が雄々しくも痛々しく、切なささえ感じさせられました。

キルヒアイスを呼ぶ声ひとつをとっても、初陣の時とは違うんです。初陣では後ろを任せられる安心した力強い声、今回は死者に呼びかける少し低く、悲しい声。呼び方ひとつとっても、いろいろと考えられているのが伝わってきます。

間宮祥太朗くんのラインハルトは歌謡界、ミュージカル界の巨人・河村隆一を相手に、一歩も引かない存在感。なんて恐ろしい20歳…!(゚Д゚;≡;゚д゚)

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今回の銀英伝舞台、激突前夜では、河村隆一さんのファン、ひいては同盟ファンが多く、同盟軍のベレー帽をかぶった方もいらっしゃいました。帝国ファンの私としては「初陣」のベーネミュンデ侯爵夫人風に黒手袋で同盟に対抗。まあ、気品のなさは隠せませんがね…(^^;)

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舞台 銀河英雄伝説 「初陣 もうひとつの敵」感想→
今回の舞台のストーリー部分の原作「銀河英雄伝説 雌伏篇」→

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2013.11.17 Sunday

[舞台感想] ショーシャンクの空に 東京公演

サンシャイン劇場で上演された「ショーシャンクの空に」を観てきました。
名作映画として名高い、スティーブン・キング原作の「ショーシャンクの空に」は、今回が初の舞台化だそうです。

なまじっかな映像化だと、オリジナリティを求めすぎて、やらなくていい改変をして原作のよさがなくなってしまうものですが、舞台では、物語の重要な部分は残しつつ、舞台でしか見れない新しい解釈や演出が施されておりました。

物語をかいつまんで説明すると、無実の罪でショーシャンク刑務所に収監された元銀行員のアンディ・デュフレーンが、地獄のような環境でも希望を持ち続け、その希望はやがて刑務所の環境を変えていき、囚人たちの希望にもつながっていくといったストーリー。

舞台ではアンディとレッド、2人の人生にスポットが当てられ、2人の関係性やレッドの過去や苦悩などが丁寧に描かれていきました。そして、舞台を彩り、物語を導く女たち。刑務所が舞台の「ショーシャンクの空に」なぜ女がでてくるのか、それはぜひ、舞台をみて確かめて欲しいです。高橋由美子さんはじめ、女性たちが刑務所の生活に彩りを与えてくれました。


休憩をはさんだものの、あっという間の3時間でした。最後は号泣。゜・(*ノД`*)・゜・アンディのスンホさん、レッドの益岡さんをはじめ、キャストがみんな個性的ですばらしかったです。

我らが(?)キャラメルボックス俳優陣も、私が今までみたことのない役をやっていて、驚かされたり、ビビらされたり、泣かされたり、大笑いさせられたり。特に筒井さんは、深刻で悲しい物語に「笑っていいんだ」と思わせてくれるシーンが多く、辛い話の癒やしとなっていました。

畑中さんの存在感や、鈴木くんのキャラメルボックスで見れないような演技もよかったです。


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原作はスティーブン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」
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2013.10.23 Wednesday

[ニコ生配信] 舞台 ジャングル・ジャンクション 女組

10月19日金曜日のニコ生で、見逃してしまったキャラメルボックスの「ジャングル・ジャンクション 女組」の舞台配信を見ました。
動画配信で舞台を観るのは初めてだったのですが、なかなかおもしろい体験でした。

さて、この「ジャングル・ジャンクション女組」、夏に観た「ジャングル・ジャンクション男組」の、文字通り女バージョン。もともは女組の方がオリジナルなのだそうです。

物語は、改造人間VS悪の女王、刑事VS凶悪犯、OLとサラリーマンとのラブストーリー。3つの物語が偶然重なってしまい。それぞれの登場人物たちは協力して物語をむりやりまとめてエンディングに持って行こうとするが…。

もうもう、坂口理恵さんのブルーナイトが最高で! 坂口さんが出てきただけで拍手が起こったと聞いていましたが、観てみてわかった、あの存在感、振り切れたキャラクター!最高でした。登場で「ブルーナイト47歳!」って!会場はもとより、パソコンの前で見ている私も拍手&大笑い(*´∀`*)

安里ちゃんのおバカな凶悪犯キャラも可愛かったし、樹里ちゃんのアイアン・キョウコも振りきれてたし、劇団鹿殺しの菜月チョビさんはクールでワイルド。黒一点の畑中さんの笑顔にキュン(*´艸`*)
男組とはまた違った馬鹿馬鹿しさと面白さ、スピード感あふれる展開が最高でした。


ニコ生配信ならではの楽しみ



片桐はいりさんが著書「もぎりよ今夜も有難う 」の中で「舞台はディナー、DVDはレトルト」と書かれ、演出家の中屋敷さんはツイッターで「舞台配信はデリバリー」とおっしゃってました。観劇はどうしても時間と場所が限られ、映画などよりお金がかかるため、なかなか生の舞台をいくつも観るのは難しいんです。

でもこうして劇場以外で、気軽に演劇が楽しめる機会が増えるのはうれしいことです。

また、ニコ動名物、コメント弾幕が実際に使えるのも面白かったのですが、コメントのタイミングが悪いと、良いシーンにかぶってしまったりするので、それは今後の課題かな。


ジャングル・ジャンクション

演劇集団キャラメルボックス舞台感想


『TRUTH』2014年版
涙を数える
『鍵泥棒のメソッド』(ブラックバージョン)
ジャングル・ジャンクション男組
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多田直人案「ごー+」
『隠し剣鬼ノ爪』、『盲目剣谺(こだま)返し』
キャロリング
トリツカレ男
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2013.08.07 Wednesday

[舞台] 銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの敵

舞台「銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの敵」を観てきました。銀河帝国のラインハルトと、自由惑星同盟のヤン・ウェンリーが対決する、田中芳樹の壮大なスペース・オペラを原作とし、今回の「初陣」は戦場で二人が出会う前の事件を中心に描いていきます。

「初陣」はスペース・オペラとしての壮大な宇宙戦ももちろんですが、登場人物ひとりひとりの人間ドラマに重きがおかれたお芝居でした。

●3つの友情
主役のラインハルトとキルヒアイス。
今回の銀英伝・初陣での2人は本当に2人でひとつだった。呼吸や目線一つで相手のことが感じ取れるようだった。お互いの感情を、まるで自分のこと以上にわかっているふたり。

おそらくこの時、ひたすら前を目指していたこの「初陣」こそが、ふたりの気持ちが重なりあった最高の瞬間だったと思う。そしてそれは、ラインハルト役の間宮祥太朗くんとキルヒアイス役の橋本淳(あっちゃん)、どちらか一人がかけても、絶対にできなかったでしょうね。

「帝国軍の双璧」と呼ばれるミッターマイヤーとロイエンタール。彼らがふざけあっている時に、「堅物の平民」、「女たらしの下級貴族」と、それぞれ相手の立場をこき下ろすセリフがあるのですが、これは本当に信頼しあっていないといえないセリフだなと。またミッターマイヤー役の根本さん、ロイエンタール役の藤原さんのコンビの息がぴったり。

同盟側では、ヤン・ウェンリーとラップの友情もよかったです。どちらかというと、出来の悪い弟と、それを心配する兄と言った感じ。シーン自体は少ないけれど、二人の仲の良さが伝わって来ました。

けれども、原作でその後の悲劇も知っているだけに、この頃の3つの友情の純粋さが切なくもあり…゜・(*ノД`*)・゜・。


●役者さんたちのすばらしさ
「銀河英雄伝説」はキャラクターが特徴的なので、振り切った演技も必要だけれど、そこにリアルで血の通った人間がいなければ成立しない舞台だと思います。「初陣」の役者さんたちはみな、キャラクターを血の通った人間としてみせてくれました。いや、すばらしかったです。

ラインハルト役の間宮くんはもう、彼以外のラインハルトが考えられないくらい、ぴったりだし、キルヒアイス役の橋本淳さんも、小説の中から抜け出たよう。「優しさこそが強さ」という言葉がありますが、橋本さんの作り上げたキルヒアイス像はまさに、優しい中に強さを秘め、ラインハルトの背中を支えるのにぴったりの存在感でした。

アンネローゼ様との誓いのシーンは、想像してた以上のすばらしさでしたよ!(*´∀`)ノ

殺陣のシーンでも、キルヒアイスは誠実で美しいアクション、ラインハルトには原作の言葉通りの優美な動き、ミッターマイヤーは直情的で、ロイエンタールは優雅なでシャープ、それぞれの特徴がよくでているんです。

ヤン・ウェンリーを演じた田中圭さん。私は他の銀英伝舞台をみたことがないのですが、小説のイメージぴったり。ひょうひょうとして、やるときはやる。ベレーを脱ぐ動作ひとつとっても、ヤン・ウェンリーそのものでした。

●「悪役」のすばらしさ
光が輝くには、悪役たちが悪役らしくあらねばいかんのですが、初陣の悪役たちはクルムバッハの岸さんは、スネイプ教授のようないい声と存在感、ラインハルトの姉・アンネローゼを狙うベーネミュンデ侯爵夫人を演じた広田レオナさん、アンネローゼが白鳥なら、ベーネミュンデはまさに黒鳥。
素晴らしすぎて、カーテンコールでベーネミュンデ様に睨まれると、(なぜか)恋が実るなどという都市伝説も生まれてましたよ…。


●アフタートーク(8/2)
田中圭さんと、間宮祥太朗さん、原作者の田中芳樹先生、MCの高山さん。
田中芳樹先生、初めてお目にかかりましたが、ひょうひょうとして、おちゃめな方でした(*´∀`*)
間宮くんが原作の話をすると「そうでしたっけねえ〜?」とひょうひょうとしたお答えがかわいらしかった。

田中圭さんと間宮くんは同じ事務所ですが、共演は初めて。「間宮くんのラインハルトがいう、ファイエル!がやりたくて仕方が無い。どこかでやるかもしれません」とwww。そうしたら、千秋楽のカーテンコールでとうとう「ファイエル!」のポーズを決めてました。

感想が収まりきらず、こちらにも初陣感想書きました。
銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの感想→

「銀河英雄伝説 第四章前編 激突前夜」感想→

舞台 銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの敵 [DVD]
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「銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの敵」は、原作の外伝と第一巻の黎明篇をアレンジしたストーリーで、原作ファンにも納得のいく仕上がりでした。

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2013.07.14 Sunday

絶妙な配役。[舞台] 土方は二度死ぬ

ラピュタ阿佐ヶ谷ビルにある小劇場「ザムザ阿佐ヶ谷」で舞台「土方は二度死ぬ」を観てきました。

物語は函館戦争直前、早乙女蓮次郎という一人芝居の役者が、新撰組隊士・島田魁に依頼され、土方の一代記を芝居にするため蝦夷にやってきた。そこには蓮次郎の世話をするお琴、五兵衛、剣の指南として派遣された新撰組隊士・酒井惣介、蓮次郎を函館まで連れてきた勝海舟の弟子・立花省吾などがおり、それぞれがそれぞれの立場で、この芝居に関わることになる。

●絶妙な配役
配役は6人のみですが、役のひとりひとりに、異なった思いがあり、それが絶妙な配役でした。
蝦夷の老人、五兵衛は、蝦夷そのものを表し(彼がいることで、架空の空間が蝦夷になる)、島田魁は芝居を使って土方を生かすため、立花省吾は蓮次郎を陰謀に利用するために。

一方、蓮次郎との出会いによって、変わっていくのが酒井惣介とお琴。

酒井惣介は土方を尊敬しているものの、蓮次郎の「土方化」により、徐々に別な感情を抱くようになり、お琴さんは、土方とわけありで、蓮次郎に接しているうちに徐々に思いが変化していきます。

主人公の役者・蓮次郎は、芝居で土方を演じるため、土方の気持ちを追求していくことで、いつの間にか本物の土方とシンクロしていき、周囲を驚かせます。また、いままでチャラく、いいかげんだった蓮次郎は、芝居にのめり込むうちに芝居への情熱を取り戻し、夢を持つようになります。

そんな夢を語る蓮次郎を眩しそうにみつめるお琴。

「土方は二度死ぬ」といっても、土方歳三自身はほとんど登場しません。お琴や島田魁たちの口から語られるだけ。
でもそこが面白かった。全員が土方に違った感情を描いているのが。

●印象的な登場人物
高杉瑞穂さん演じる早乙女蓮次郎は、最初は軽薄でチャラい感じなのですが、芝居を通じてどんどんかっこよくなっていき、最終的は土方以上に土方らしくなっていきます。その変化がよくってねえ…。そりゃ、お琴さんじゃなくても情にほだされちゃいますよ…。

内田讓さん演じる立花省吾、この人は最初のうちこそ紳士なのですが、物語が進むうちにどんどん歪んだ姿をみせていきます。大勢の命を護るためなら、手段を選ばないし、いろいろ暗躍しているし、おまけに再会した同門の後輩、惣介への恋慕の情を再熱させたり、その狂気的ともいえる姿がまた魅力的でした。

惣介役の水谷百輔さんとの殺陣のシーン、カッコ良かった〜!BGMや効果音を一切使わず、小さい劇場なので、二人の息遣いが聞こえてきて、迫力があり、瞬きもせず見ていたら、あとで目が乾くこと!それほどカッコいい殺陣でした。

JUGEMテーマ:舞台鑑賞



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