「病床六尺 (まんがで読破)」 正岡 子規

2010.12.21 Tuesday

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    NHKドラマ「坂の上の雲」で正岡子規の壮絶な闘病生活を観てから、子規の書いたものをよみたくなりましたが。しかし、昔の文学にはまだ少々抵抗もあるので、まずは漫画から入ろうと思います。

    病床六尺 (まんがで読破)」 は「病牀六尺」を元にした漫画です。
    子規が病床で俳句を詠み後進の指導を続け、絵を描き、痛みにのたうちまわる様子が描かれていますが、悲惨なだけではなく、どこかユーモアにあふれた描写もあります。

    お金が無いので専門の看病人を雇えない。母と妹の看護はなっとらん。
    掃除より看護を優先させるべきだろう。などなど、文句が多い(^^;)
    坂の上の雲」でも触れられていた子規の女子教育論についても書かれていました。
    こんな理由だったんですね。
    高浜虚子や碧梧桐も毎日来れるわけではないでしょうから、当然話相手は母や妹しかいない。
    しかし、彼女たちはひらがなしか読めない。男子と対等な話し相手となるためにも、女子の教育は必要だ、と。子規の死後、その意志を受け継ぐように妹律さんは女学校に入ります。

    今から考えれば男尊女卑ですが、それでもこの時代に女子教育を訴えていたのですね。

    それにしても、病床で苦しんでいる子規が「手紙がほしい」といっているのに、外国でのストレスとプレッシャーに悪戦苦闘していた友人・夏目漱石はそれどこじゃないと返事を書けなかったんですねぇ。かわいそうに…。・゚・(*ノД`*)・゚・。手紙くらい書いてやれよ、漱石!と札にもなった文学者にツッコミをいれたくなりました。



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    「よつばと!10」 あずま きよひこ

    2010.12.02 Thursday

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      よつばは毎日、元気いっぱい。「よつばと! 10
      いろんな出来事に遭遇したり、ちいさな冒険をしたり、毎日が新しい体験に満ちている。
      今日という宝物を、毎日あける」っていうコピーもいいなあ。

      今回、とーちゃんがめちゃくちゃかっこいい。普段は家の中でパンツいっちょだし、ジャンボややんだなどの悪友たちといると、こどもレベルの言動が目立つとーちゃんですが、よつばの成長に欠かせないことには、かなり本気をだしてきます。

      ホットケーキ


      よつばがホットケーキづくりに挑戦。
      やんだにからかわれてすねてしまったり、とーちゃんにやつあたりしちゃったり。
      それでもとーちゃんは、ホットケーキ作りを最後までやらせるために「とーちゃん本当はホットケーキ大好きマンだ!」とはげまします。とーちゃんのかっこよさが光る回でした。

      うそ


      お茶わんやコップを割ってしまったことを「うそつき虫」のせいにするよつば。そんなよつばにとーちゃんは「うそつき虫を退治してもらおう。」と、お寺の仁王さまの元へ。

      仁王さまの怖さにビビってあやまるよつばに、「失敗するのはよつばの仕事だ。でもうそはつくな。」と言う。かっこいいな。( ̄▽ ̄)

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      「よつばと!1」→
      「よつばと!2」→
      「よつばと!3」→
      「よつばと!4」→
      「よつばと!9」→
      「よつばと!11」→
      「よつばと!12」→
      「よつばと!13」→

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      13歳の少女メイドと、天然女主人との英国生活。 「シャーリー」 森薫

      2010.11.07 Sunday

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        エマ」を読むようになってから気になっていた、森薫さんのデビュー作「シャーリー」。

        13歳のメイド・シャーリーは、カフェの女主人・ベネットさんの住み込みメイドとして働くことになります。(理由はベネットが年齢制限を書き忘れたため)しかし、シャーリーは若干13歳とはいえ、ほぼ完璧に家事をこなしていくため、忙しい働くベネットさんは大助かり。

        そしてまた、シャーリーがすっごくかわいいんです(*´ω`*)
        メイドの衣装でスカートがふわっとなるのをうれしがったり、ベネットさんが買ってくれた人形を喜んでお洋服をつくってあげたりとそんな風に喜んでくれたらベネットさんなんでも買ってあげたくなっちゃいますね(//▽//)

        その他「エマ」の原型のようなメガネのメイドさんや、いたずら好きな主人に呆れながらも仕える、気の強いメイドさんが登場するお話も。初期作品なので森薫さんの特色であるこれでもかっ!っていう緻密な描き込みは正直弱いのですが、どれもみな心温まるお話でした。

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        言わずと知れた英国メイド物語『エマ』


        「エマ(外伝)」感想→
        「エマ ヴィクトリアンガイド」→

        ユーラシアの人々の暮らしと花嫁の活躍を描く「乙嫁語り」

        「乙嫁語り1」→
        「乙嫁語り2」→
        「乙嫁語り3」→
        「乙嫁語り4」→
        森薫さんがつくる「乙嫁語り」レシピ→
        「森薫拾遺集」→

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        実は外伝の方が好きなんです。 「エマ」 森 薫

        2010.11.06 Saturday

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          19世紀のイギリスを舞台にメイドと紳士階級の身分を超えた恋を描いた「エマ」。作者森薫さんの細部までこだわった時代考証と、美しく細密なタッチで描かれた古き良き世界。

          ウィリアムは引退した家庭教師ケリーを訪ねた際にケリーのメイド、エマに恋をし、二人は心を通わせるが、ウィリアムは貴族ではないものの上流階級の出身のため、二人の恋には障害がつきまとう…

          本編の方は「これでもか!」というくらい二人に困難が襲いかかります。エマたちの理解者だったケリーは死んでしまうし、ウィリアムは仲を反対された勢いで別の女性と婚約しちまうし、挙句の果てにエマはウィリアムの婚約者の家から疎まれて、人さらい(!)にあってしまうなど、もう大変(;´д`)ノ 読んでいてもハラハラしっぱなしです。


          一方、外伝の方は「エマ」の登場人物たちが主人公となった短編・中編を集めたもので、こちらはほのぼの系のお話が中心です。
          以下、各巻でお気に入りのお話の感想など。

          ・8巻
          エマの主人だったケリーの新婚時代のお話「夢のクリスタル・パレス」は当時開催されていた万博の水晶宮(クリスタル・パレス)に行くために、お互いに内緒でお金を貯め合うお話です。なんだか「賢者のおくりもの」のようで微笑ましい(^^)。

          エマと同室だったドジっ娘メイド・ターシャが里帰りをする「家族と」は、イギリスの庶民の暮らしぶりや大家族の仲の良い様子が伝わってきます。読んでいて「秘密の花園」のディコン一家を思い出しました。


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          9巻
          エマの第2の勤め先だったメルダーズ家のメイドたちがお休みを利用して買い物にいく「ふたりでお買い物」。ウィンドウショッピングが始まった頃、いろいろな店にいって買い物する姿は現代の女性とおんなじですね。この頃のお店で買い物してみたくなります。

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          ・10巻
          いよいよ大団円。エマとウィリアムの結婚式が執り行なわれる「新しい時代」。本編のラストから数年経っているようで、登場人物たちが少し成長しています。(4〜5年くらい?)森さんの描写力がすばらしいです。人物たちの数年後の描きわけがちゃんと表現されていて、実際に年を重ねた感じがします。


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          森 薫 エンターブレイン


          エマ以前のメイド物語 「シャーリー」→
          「エマ ヴィクトリアンガイド」→

          ユーラシアの人々の暮らしと花嫁の活躍を描く「乙嫁語り」
          「乙嫁語り1」→
          「乙嫁語り2」→
          「乙嫁語り3」→
          「乙嫁語り4」→
          森薫さんがつくる「乙嫁語り」レシピ→
          「森薫拾遺集」→

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          少女漫画の王道 「君に届け」

          2010.11.02 Tuesday

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            最近、「君に届け」にはまっています。
            マンガはもちろんですが、テレビアニメもすばらしくて、
            再放送中のものを見ながら「さわこ、なんていい子なんだ。・゚・(*ノД`*)・゚・。」「風早、くるみは結構腹黒なんだぞ!気付けよ!(;´д`)ノ」とか、つっこみをいれながら見ています。

            「君に届け」を読んでいて思ったのですが、
            設定自体はものすごい「王道」なんですね。

            ・主人公が恋に落ちる(片思い)
            ・かわいい(ここ大事!)女子のライバル登場。
            ・主人公側にも恋する男子が。
            ・ライバルの策にはまり、主人公、窮地に立たされる。
            ・このあたりで女子の親友できる、もしくは親友たちのおかげで窮地から脱する。(このあたりからキャラが増えてゆく)
            ・告白成功、カップル成立、ライバル和解。
            ・このあともいろいろありながら卒業まで続く。

            ラブ・コン」も「彼氏彼女の事情」も30年前の少女漫画「ふたりの童話」ですらも、この項目の中の半分以上は当てはまります。
            だからと言って「君に届け」が面白くないなんてことは、もちろんありません。

            思いが相手に届くまでの切なさ、じれったさ、ドキドキ。
            やっと届いた時の、世界が明るくなったようなうれしさ!
            爽子と風早、ふたりが自分よりもまず相手のことを考えて思いやっている様子。ちずとあやねとの友情(ここめっちゃ好きだ!)
            途中で挟まれるギャグセンス(高橋さん好きだ!)
            どこをとってもすばらしい!

            少女漫画の王道を突き進みながらも、作者の表現力と描写力で新しい世界をつくりだしている「君に届け」。
            これからも爽子と風早の展開に目が離せません。
            映画「君に届け」→
            JUGEMテーマ:少女漫画全般

            「ウは宇宙船のウ」 萩尾 望都

            2010.09.21 Tuesday

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              レイ・ブラッドベリの名作SF「ウは宇宙船のウ」を萩尾望都が繊細なタッチでマンガ化した「ウは宇宙船のウ」。

              原題は「R is for Rocket」。これを「ウは宇宙船のウ」と最初に訳した方、天才だと思います。

              マンガ版が発表されてから30年以上たつのだけど、面白さはまったく色あせません。
              以下の短編のほか、SFだけでなくホラーやファンタジー作品など幅広いジャンルの作品があります。

              「ウは宇宙船のウ」


              ロケットや宇宙にあこがれる少年たち。彼らは毎年、宇宙局からパイロット候補生として彼らの家に迎えのヘリがやってくるのを待っている。友達とのフットボールや遊び、家族や友達が大好きな少年・クリスは純粋に宇宙船への憧れをいだいていた。そんな彼が突然、パイロット候補生に選ばれることになり…

              それは、パイロットになるということだけではなく、クリスの少年時代との決別を表しているのです。

              「びっくり箱」


              私の一番好きな作品です。SFというよりはファンタジックなホラー。大きなお屋敷に住むドーナは屋敷の中が世界のすべてだと母親から教えられて育てられた女の子。その世界には1階には食堂や居間、最上階は学校があり、そのほか鍵のかかった禁断の部屋部屋がある。誕生日になると、音楽室や娯楽室など楽しい部屋をあけてもらえ、二十歳になるとそれがすべて自分のものになるという。

              ある日、ドーナは学校へ向かう途中、失くしたとおもっていたびっくり箱を拾ったのがきっかけで「外の世界」への扉を開けてしまいます。

              世界が家の中だけ、外は死の世界という非日常感が好きです。しかし。2020年コロナウイルスによってはからずもSF世界が身近になってしまいましたが…。

              おうち時間に読みたい、閉鎖空間系小説・まんが

              「集会」


              万聖節(ハローウィーン)の夜、一族が集まる宴が始まる。家族が準備に追われている中、一族のできそこないのティモシーは肩身が狭い思いをしている。
              やがて、夜になると皆が集まり饗宴が始まった。ティモシーはみんなを驚かせたいと、寝たきりの妹、シシィのちからを借りるのだが…。

              ある一族の一晩の宴の様子が描かれます。ブラッドベリらしい不思議でファンタジックな物語の中に切なさがある作品。

              「宇宙船乗組員」


              宇宙船乗組員のダグの父は年に数回しか家に帰らない。
              母親は危険な宇宙船乗組員を辞めて地球にとどまって欲しいと考えているが、宇宙に魅せられている父親は、なかなか地球にもどることができない。けれど、次の航海が終わったら家にいると決意するが、父親の乗った宇宙船は太陽の中へ落ちてしまった。

              それ以来、ダグと母親は太陽を見ない。
              彼らが長い間外へ散歩にでかけるのは
              ただ雨降りの太陽のでていない日だけだった…。


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              レビューポータル「MONO-PORTAL」

              「鏡花夢幻―泉鏡花/原作より」 波津 彬子

              2010.09.17 Friday

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                泉鏡花の名作を「雨柳堂夢噺」の波津彬子さんが美しいタッチで描く「鏡花夢幻」泉鏡花の代表作の三作を、ほぼ原作に忠実に描いています。




                天守物語


                姫路・白鷺城の天守閣。天守閣の主・富姫のもとへ妹分の会津の亀姫が遊びにくる。富姫は夜叉ヶ池の雪姫へ、雨を頼みに。城主たちの狩りが、亀姫の道中、迷惑になるからだ。

                亀姫は手土産に姫路城主によく似た弟の生首をもってくる。美しい女性たちが生首を「おいしそう…」ともらすのは、彼女たちが実は人間ではないから。

                亀姫へのお返しにと、城主の鷹を奪い取った富姫ですが、その夜、奪われた鷹を取り戻しに若侍・図書之助が天守にやってくる。やがて富姫と図書之助は恋に落ちるものの、横暴な城主は図書之助に言いがかりをつけ、図書之助を成敗しようと…。

                富姫の侍女たちが天守から露をたらして秋草を摘むところや、富姫が蓑を白鳥に見立てて飛ばし、城主の鷹を奪うシーンなど、美しくてため息がでるほどです。

                玉三郎さんも舞台や映画で何度も富姫を演じています。妖艶でお美しい…。

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                夜叉ヶ池


                夜叉ヶ池のほとりで、古くからの誓約を守り、鐘をつく夫婦がいた。もし誓約をたがえて鐘をつくのをやめれば、付近一帯が水没するといわれている。

                一方、夜叉ヶ池の主・雪姫は誓約のせいで遠く離れた恋人に会えずにいるため、鐘を壊そうとするが、夫の帰りをけなげに待つ妻・百合の心に共感し、鐘を壊すのを思いとどまる。しかし、続く日照りに付近の横暴な村人たちは、美しい百合を人身御供に雨乞いを行おうとして…。

                蟹や鯉、なまずなど、雪姫の眷属たちがユニークで愛らしいです。

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                海神別荘


                乙姫の弟で海神の公子(王子)は陸で美しい女を見染め、妻に迎える。彼女は父親が欲する財産のために人身御供にされ、海の御殿に迎え入れられた。御殿の財宝のすばらしさ、またその夫人となる栄華をこの姿を一目、故郷の人々に見せたいと懇願するが、公子は「すでに貴女は人間ではなくなった」と告げる…。

                珊瑚や真珠、数々の財宝をもらえて、多少強引でも男前な公子と結婚できるなら、そりゃ故郷に自慢したくなりますよね。

                作中では江戸時代、恋人のために火事を起こした八百屋お七についても語られています。お七の魂は乙姫に引き取られ、美しい珊瑚の華となったが、男の方は魂が醜く、クラゲに変えられてしまったとか。

                漫画で読むと、泉鏡花の幻想的で格調高い物語がさらに美しく、詳細に再現されています。波津彬子さんの描写力がすばらしくて、美しい絵に読みながら毎回ため息がでます。

                海神別荘




                波津彬子作品
                「異国の花守」→
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                「どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心」 益田 ミリ

                2010.09.12 Sunday

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                  30代半ばの女性のリアルな心情を描いたマンガ、「すーちゃん

                  主人公「すーちゃん」の、迷いながらも自分の行動に後悔しない生き方に毎回元気をもらっているのですが、今回の「どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心」では、すーちゃんの職場に「どうしても嫌いな人」がやってきます。その子は社長の親戚だとかで、わがまま邦題にふるまい、せっかくすーちゃんが築いてきた働きやすい空間を崩してゆきます。
                  職場のバイトたちも文句をいいながらも、長いものに巻かれるように彼女についっていってしまう。

                  今までどんな困難や不安があっても、自分の判断を信じてやってきたすーちゃんにも、どうにもならない「どうしても嫌いな人」との確執。「嫌な人のいいところを、無理やりみつけだしても好きになれない」っていうすーちゃんの気持ちは、まったく同感です。

                  この本を読んだとき、数年前の自分を思い出しました。
                  私にも同じことがあったのです。
                  前の職場で「どうしても嫌いな人」が自分の築き上げた仕事方法を否定したり、お客や先輩にも自分の意見をごり押ししたりしていました。そしてなぜか周りの人間に受け入れられていて、そんなところを観るのも嫌で、結局会社を辞めてしまいました。
                  しんどいことも多いけれど、でもやめてよかったと思ってます。

                  やがてすーちゃんもある決心をするのですが、「会社を休む言い訳にお母さんを何度も危篤にした」と話すすーちゃんに対して、おかあさんが言った言葉がすごくいいんです。

                  他の2作に比べてちょっとしんどい内容ですが、すーちゃんならば自分のカンを使ってどこへ行っても大丈夫な気がします。
                  また、そうあって欲しいと思うのです。


                  「すーちゃん」→


                  どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心
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                  「週末、森で」の登場人物たちがすーちゃんの働くカフェにやってくるというサプライズもありました。

                  週末、森で
                  週末、森で
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                  すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)
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                  益田ミリさんの漫画
                  「すーちゃん」→
                  「週末、森で」→

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                  「COCOON」もうひとつの感想 サンとマユについて。

                  2010.09.05 Sunday

                  0
                    悲惨な戦争の現実と、少女の空想が交錯する世界を描いた今日マチ子さんの「COCOON」。
                    読んだ当初は、悲惨でグロテスクな戦場と、そこに少女たちが関わることへの悲劇に目を奪われていたのですが、ちょっと落ち着いてくると、この物語にはいろいろな意味が隠れているのではないかと思うようになりました。

                    「COCOON」感想→

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                    ここでは主人公サンとその親友マユについて思ったことを書こうと思います。サンの名前の意味はおそらく「蚕=サン」マユは「繭」の意味なのでしょう。

                    うじむしと死体まみれの野戦病院。サンは空想という武器で現実からの逃避を図ります。死体や血や兵士を避けるため「おまじない」でそれらを見ないことにきめ、重症患者を殺すために配られたミルクの甘い香りに、みんなとのお茶会を必死で空想する。

                    そんなサンと彼女を守るのが「親友」のマユ。
                    マユはサンを悲惨な世界から守るため、彼女の空想の繭糸を何度も何度も補強してやり、彼女を汚し、傷つけようとする者には非常手段もいとわない。
                    けれど、やがて繭は壊され、蚕は外の世界へ出てゆくことになります。
                    今日マチ子先生はあとがきで「サンは少女らしい無自覚な自己中心さ発揮して」と書かれていましたが、読んだ当初は生き残ったサンに対してよかれと思うことはあっても「自己中心さ」を感じることはありませんでした。けれど読み返してみると、マユが死んだあとのサンの新しい世界への順応の早さには少し怖いものを感じました。

                    繭は蚕を守るためだけに存在し、
                    繭の思いは決して蚕には伝わらない。

                    マユの側からみると、羽化した蚕=サンは繭を振り返らないで生きてゆく。これもまた少女のもつ「無自覚な自己中心さ」の現れなのかもしれません。

                    今日マチ子さんが描くもうひとつの戦争物語。少女たちがお菓子や果物を武器に変えて戦う少女たちの絵は美しくて痛くて切ない。

                    いちご戦争

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                    今日マチ子作品感想


                    いちご戦争
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                    「なごみさん」 宮本 福助

                    2010.08.30 Monday

                    0
                      おもしろい、おもしろいよ「なごみさん」!(*゜▽゜ノノ゛

                      もんのすごく強面(こわもて)の顔面をもつ和(なごみ)さん。実はいかつい風貌とは裏腹に甘いものが大好きで猫好き。
                      還暦を機に「道を極めたくて」と、さびれた商店街に念願の喫茶店「極道珈琲店」を開きます。(もとは「カフェなごみ」だったが、和尚の発案で変更)
                      一人娘の凛子さんは、なごみさんの店の手伝いをしているのですが、父親の風貌とかけ離れた性格や行動を観察するのが面白くてしかたがないらしく、「趣味:なごみ」と公言しているほど。
                      そんななごみさんの店を偵察しに来た商店街の面々や、猫好きの和尚などにも、なごみさんの「ギャップ萌え」が伝わりはじめ、徐々に町の人々にも受け入れてもらえるようになります。
                      しかしある日、人相の悪い連中が「極道珈琲店」を訪れ、「昔の仕事に協力してほしい」と持ちかけられるのですが…
                      1巻ではなごみさんのかつての職業とどうして喫茶店を開くことになったかなどの経緯がかたられます。

                      作者の宮本福助さんは若山富三郎と勝新太郎兄弟をなごみさんのモデルにしたとインタビューで答えていましたが、実は若山富三郎さんも大の甘党で、お弁当には有名和菓子店の甘納豆がつまっていたのだとか。強面の人って甘いものがすきなんですかね。( ̄▽ ̄)

                      なごみさん(2)→


                      なごみさん(2) (モーニングKC)
                      宮本 福助
                      講談社 (2010-12-22)




                      なごみさん誕生秘話 コミックナタリー→
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