2012.09.04 Tuesday

僕僕先生シリーズ「鋼の魂」 仁木 英之

僕僕先生シリーズも6作め。「鋼の魂 僕僕先生」では雲南地方を旅する僕僕一行。前回の旅で道連れとなった苗族の娘・蒼芽香も加わり、ますます賑やかになってきました。

雲南には6つの国(詔)があるが、南詔が他国を制圧しつつあり、吐蕃と唐、2つの大国も虎視眈々と雲南をねらっている状態。そんな中、皇帝の暗殺部隊・胡蝶の捜宝人・宋格之は皇帝から雲南に伝わる「鋼の神」を探しだすよう命じられる。
その渦中に僕僕先生一行も雲南の湖・程海を訪れると、案の定、各国の争いに巻き込まれることに。そこで前回旧知を得た吐蕃の医師ドルマと再会する。実はドルマは吐蕃の王族らしいのだが、事情があって国を離れているらしい。一方で唐の皇帝と胡蝶の首領は雲南制圧と「鋼の神」を手に入れるため、情報撹乱や大軍を派遣して雲南に迫る。

程海の人々を救うため、湖の底に眠る「鋼の神」を見つけるべく湖底を進む僕僕一行。「鋼の神」は仙人など特殊な人間でないと目覚めさせることができないらしい。
地上では南詔の軍隊が程海へ侵攻を始め…。

今回は月の女神・嫦娥や鋼の神など、神仙が多く登場します。けれど、程海の長、馬銀槍はこういいます。
神頼みに慣れたものは、また神に頼ってしまう」と。鋼の神の存在は人心をまとめるには都合がいいけれど、すべてを神に委ねることなく、人間たちで何とかしようとする。また、そういう人間の前にしか神は現れないのでしょう。

以前から僕僕先生たちを陥れてきた「覆面の道士」が、実は皇帝の手のものだということが判明しました。
今まで皇帝の野望のために動いていたのね。でも引き際があっさりしすぎだし、正体(顔)も明らかになっていないので、これからまたからんできそうですね。

流れからすると次回の舞台はきっと吐蕃でしょう。ドルマの出奔の理由や唐と吐蕃の陰謀についても書かれそうです。楽しみ(^^)

鋼の魂 僕僕先生
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「僕僕先生」→
「薄妃の恋」→
「胡蝶の失くし物」→
「さびしい女神」→
「先生の隠し事」→
僕僕先生シリーズ外伝 「童子の輪舞曲」→

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2012.02.02 Thursday

精霊の守り人シリーズ外伝 『炎路を行く者 ―守り人作品集―』 上橋菜穂子

精霊の守り人シリーズ外伝「炎路を行く者 ―守り人作品集―」を読みました。
」は、「蒼路の旅人」「天と地の守り人」の登場人物アユラタン・ヒュウゴが主人公。ヒュウゴは、主人公チャグムやバルサの住む新ヨゴ皇国を攻めるタルシュ帝国側の密偵。
しかし、もともと彼は新ヨゴ皇国と縁の深いヨゴ皇国の武人階級出身でした。

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『炎路を行く者』あらすじ


大国タルシュがヨゴ皇国を占領、その侵攻でヒュウゴはの母と妹をタルシュ兵に殺されてしまう。ヒュウゴ自身は間一髪で逃げ出し、怪我をしたところを不思議な少女・リュアンに助けられます。リュアンは、現実世界と対をなす異世界ナユグを見ることのできる少女で、口が聞けないためナユグの生物・タラムーを通じてヒュウゴと心を通じ合わせます。

今まで信じていた未来や希望、友人、家族…。それらすべてを失わなければならなかったヒュウゴは、まったく環境の違う下町で生きねばならなくなります。下町での暮らしに満足できればよかったのでしょうが、ヒュウゴの心の中には絶えず炎がくすぶっていて、心から満足することができません。

リュアンやその父親ヨアル、料理人のシガン、ヒュウゴを慕う少年たち。大事に思ってくれる人もいるけれど、ヒュウゴは自分の生き方に悩み、ケンカに明け暮れる無頼の日々を送ります。
どうやって生きたらいいかわからなくて、もがき続ける日々が何年も続く。そんな時、偶然出会った不思議な男オウル。タルシュの密偵だと名乗る彼は、ヨゴ皇国がなぜ滅びたのかを伝え、ヒュウゴを仲間に誘うのですが…


少年ヒュウゴの迷い、どうにもできない憤りが時に暴力となって現れる痛々しさと、たすけてくれたリュアンとヨアルとともに食卓を囲んでいる時の楽しそうな様子。ふたつの相反する感情がヒュウゴの中に混在しているのが、思春期の少年らしかった。けれど、まだ夢多き少年だった頃に、何もかも奪われたヒュウゴは、ひとりで道を切り開いていかなければならなかった。切ないですね。せめて、いつか、リュアンと再会することができたらいいのだけれど…。

15の我には


もう一つの物語「15の我には」、こちらはバルサの思春期。
養父ジグロと用心棒をしながら旅を続けているバルサですが、まだ若く、血気盛んなため、判断ミスから怪我をしてしまいます。怪我の治療のため、街の酒場にとどまることになるのですが…。

同世代の女の子たちが、恋の話題に夢中のとき、ひとりでいるバルサ。
親友の子である自分を連れて逃げたため、国での地位を追われたジグロに申し訳なくて、独り立ちしたくて焦るバルサ…。そんなバルサの感情を、ジグロはやさしく受け止めてくれます。守り人シリーズの「闇の守り人」を読むと、ジグロのバルサへの感情は、決して愛情だけではなく、憎悪もあったようなのですが、ここで書かれたジグロは若く迷うバルサに対し、大きな愛で包み込んでくれています。

ヒュウゴもバルサも、思春期に大変な困難に巻き込まれ、悩み、憤り、道を模索しています。
バルサにはジグロがいて、無鉄砲なバルサ愛し、道を示してくれました。
けれど、ヒュウゴは、愛してくれる人はいても、道を切り開くのは自分だけでした。
対照的な二人の若き日の体験が、やがて交錯してゆくと思うと感慨深いですね。

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上橋作品感想


「物語ること、生きること」→
「精霊の守り人」→
「闇の守り人」→
「夢の守り人」→
「天と地の守り人」→
精霊の守り人シリーズ外伝「流れ行く者」→
精霊の守り人レシピ集「バルサの食卓」→
「獣の奏者 闘蛇編・王獣編」→
「獣の奏者掘|亀翳圈廣
「獣の奏者検ヾ扱詈圈廣
「獣の奏者 外伝 刹那」→
「<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド」→
守り人レシピ「バルサの食卓」→

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レビューポータル「MONO-PORTAL」

2011.12.10 Saturday

精霊の守り人 最新作 『炎路を行く者 -守り人作品集- 』 2012年1月発売。

精霊の守り人シリーズ 最新作『炎路を行く者 -守り人作品集- 』 がいよいよ2012年1月発売になるそうです。「炎路を行く者」は、「蒼路の旅人」「ヨゴ皇国」の登場人物・ヒュウゴを主人公にした物語で、上橋菜穂子先生がずいぶん前から構想を発表されていたけれど、なかなか執筆されずに、ファンの間では「幻の外伝」になっていました。それが今回ようやく発刊となりました。

今回の主人公、アラユタン・ヒュウゴは、女用心棒バルサや新ヨゴ皇国・チャグム皇子と敵対するタルシュ国の密偵ですが、もともとはチャグムの国・新ヨゴと縁の深いヨゴ皇国の出身で、タルシュに攻められ、敵国に仕えるしか生きるすべがなかったという生い立ちを背負っています。
敵側ながら、時にバルサと協力してチャグムを助けたりとどこか憎めない雰囲気を持つ人物。
そんな彼の少年時代がいよいよ明らかになると思うと、楽しみです。


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「精霊の守り人」→
「闇の守り人」→
「夢の守り人」→
「天と地の守り人」→
精霊の守り人シリーズ外伝 「流れ行く者」→
「バルサの食卓」→

2011.12.10 Saturday

「偉大なる、しゅららぼん」 万城目 学

京都でホルモー奈良で鹿大阪ではトヨトミと、万城目文学の近畿シリーズ(と、勝手に呼んでいる)最新作の「偉大なる、しゅららぼん」の舞台は滋賀。琵琶湖から不思議な力を授かる日出涼介は、力の抑制を学ぶため、高校入学を期に湖西にある日出本家に居候することに。日出本家には、涼介と同じ年の総領息子・淡十郎がいるが、城に住むほどの資産家の長男だけにやることが殿様気質。
おまけに、日出家の積年の宿敵・棗家の息子・広海までも同じクラスで、入学早々、お互いの力をぶつけ合ってしまい、波乱含みの高校生活がはじまる。マイペースな淡十郎に振り回されながらも、徐々に湖西での生活に慣れていく涼介だったが、ある時、元領主の末裔である涼介の高校の校長から「琵琶湖周辺から一族全員、出ていくように」と勧告される。両家の力をあわせもつ校長は、淡十郎の父親と、棗の家族の時を止め、意識を奪う。

涼介、淡十郎、清子、そして仇敵である棗とも協力し、校長と戦う決意をする。
果たして校長の目的とは?しゅららぼんとはなんなのか?

登場人物の中では淡十郎と清子の姉弟コンビが好きです。特に清子。小説のキャラにありがちな際立った美しさが微塵もなく、ぽっちゃり体型、サンダル履き、ヘビースモーカー。とてつもなく傲慢で周囲(特に涼介)を振り回していくんだけれど、傲慢さだけじゃなくて、自分に課せられた責任を果たそうとする強い意志をもっていて、魅力的な人物です。実際にお近づきにはなりたくないけれど…。

万城目さんの作品は、現実と虚構のはざまがわかりにくくて、読んでいくうちに、いつの間にかそっち側に引きこまれていきます。しまいには、どこまでが現実で、どこまでが空想かわからなくなります。
たぶんそれは、現実や実際の歴史部分の描写がしっかりしているからこそ、成り立つんでしょうね。
それが万城目学作品の魅力なのだと思います。

物語の中で涼介たちがやっていたボードゲーム・カロムも、てっきり空想かとおもいきや、調べたら本当にあるゲームでした。


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「鴨川ホルモー」→
「鹿男あをによし」→
「プリンセス・トヨトミ」→
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」→
「ザ・万歩計」→
「ザ・万遊記」→
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2011.09.11 Sunday

僕僕先生シリーズ『先生の隠しごと』 仁木 英之

僕僕先生シリーズ「先生の隠し事
前回、苗族の旱魃騒動をなんとか収め、縁のあった王女の結婚を見届けると、僕僕一行はまた旅を再開します。

『先生の隠しごと』あらすじ


旅の途中、僕僕一行は賊に襲われた村でただ一人生き残った少女・蒼芽香(そうがこう)を助け、旅の道連れにする一方、「諸人の王」を名乗る王ラクスのいる国・ラクシアへ向かいます。そこには人々を縛る税も法も、搾取する官吏もいない。一見王道楽土に見えるこの国だけれど、王弁たちはどこか居心地の悪さを拭えない。

しかし、僕僕先生はラクスのことが何か気になる様子で、いきなりラクスと結婚をすると宣言!(((( ;゜Д゜)))
僕僕先生を慕う王弁はショックを隠し切れない。一方、ラクシア国の「居心地の悪さ」を調べはじめた劉欣から、ラクスの意図に沿わないものたちが無理やり銀山で働かされている事実を知らされる。
王弁は彼らを解放し、ラクスから先生を取り戻すことができるのか…。

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ラクスの言っている言葉は、確かに正論ではあるけれど、その裏には彼の意に反する者には容赦がない制裁を加え、結局は恐怖で人を縛っている。

みんなその違和感を感じているのに、僕僕先生だけはラクスにかつて同胞であった古(いにしえ)の神に似たものを感じ、ラクスの間違いをわかっているのだけれど、なかなか受け入れられないんです。

そのあたりがもう焦れったいー!先生、早く気づいて!(ノ>д<)ノ゙

それにしても薄妃は女子力高いよなあ。抑圧されたラクシアの女性たちに綺麗な衣を織ってあげたり、王弁くんに恋のアドバイスをしたり、今回一番冷静だったのは薄妃かも。失恋の傷は結構癒えている様子。大人びたところのある蒼芽香とはいいコンビですね。( ̄▽ ̄)


「僕僕先生」→
「薄妃の恋」→
「胡蝶の失くし物」→
「さびしい女神」→
「鋼の魂」→

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2011.08.19 Friday

しゃばけシリーズ「やなりいなり」 畠中 恵

はやいもので「しゃばけシリーズ」も10周年。「やなりいなり」では、あいかわらず若だんなと妖怪たちの賑やかな日常が描かれています。今回は一話ごとに、お話に関連する料理やおかしのレシピが掲載されていて、実際につくることもできます。レシピの時間をはかるところで「鳴家(やなり)に60数えてもらう(1分)」と書いてあるのがかわいい。ほんとに鳴家が数えてくれたらかわいいだろうな( ̄▽ ̄)

お話自体も前回の「ゆんでめて」のような切なくて悲しい話は少なく、若だんなが幽霊や神々、魔物たちのやっかいごとに巻き込まれていき、それを解決してゆきます。

やなりいなり
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こいしくて


若だんな住む通町が騒がしい。恋の病が町を覆っているらしい。そのせいで、疫病神たちから相談を持ちかけられるハメになった若だんな。原因を探っていくうちに、結界の守り手である橋姫がいなくなったせいで、普段入れない神や妖怪が出入りしているせいだと気づく。どうやら橋姫の失踪には、自身の恋する相手を守るためらしい。その相手とは…。

ここでも若だんな、疫病とはいえ、神様たちの世話をやいてあげます。
こうして読んでいると日本の神様は人間ぽいところがあるよなあ。まあ、それがまた魅力なのですが。


やなりいなり


若だんなの母親・おたえの守狐たちがつくった「やなりいなり」が好評で、みんなで卓を囲んでいると、どこからともなく手が伸びてくる。話を聞くとどうやら迷い幽霊らしい。熊八と名付けられた陽気な幽霊(?)は、なぜか長崎屋から離れようとしない…。

やなりのお稲荷さんがかわいいです。(^^)つくってみたくなる。


からかみなり


若だんなの父・長崎屋藤兵衛が3日も店に戻らない。妖怪たちは勝手な推測を繰り広げるが、若だんなは心配でたまらない。兄やたちに外出をとめられているのでしかたなく、家で父親の行方を推理することに。妖怪たちのもたらす情報から、どうやら藤兵衛は人でないものと関わっているらしい…。

不思議な事にうとい藤兵衛旦那。ま、それだからこそ大妖の血を引く妻おたえや若だんなのそばにいても動じないのかもしれませんね。


長崎屋のたまご


若だんなが鳴家と空を眺めていると、突然空から青色の玉が落ちてきた。若だんなが目を話した隙に鳴家たちが玉を逃してしまい、追いかけてゆく。一方、その玉を追って空に住む魔たちが降りてくる…。

鳴家が物を追いかけるのは「おまけのこ」から定番ですね。小さい鳴家がきゅわきゅわと屋根を渡る姿を想像するだけで楽しくなります(^^)


あましょう


久しぶりに栄吉の奉公先へ菓子を買いに行く若だんな。栄吉とつもる話もしたかったのに、別のお客のケンカに巻き込まれてしまいます。お客の新八と五一は親友同士。けれど、五一が新八の妹との縁談を断ったため、新八は妹の婚礼のために、持参金付きのわけあり娘をもらうことになった。それが元でで2人はケンカを始めるのですが、実は五一の破断の理由は、新八たちを思いやるゆえのことだったのですが…

親友同士のすれ違いに自分と栄吉を重ねあわせて、若だんなはちょっと寂しくなってしまいます。
今回は比較的明るい話が多いのに、やっぱりしゃばけシリーズにはどこか「切なさ」が漂います。
命短い人間と妖怪たちや、人間同士でもいつか別れがやってくる。そんな寂しいような、切ない思いを含みながらも、若だんなは、今をせいいっぱい生きているんだろうな。

「ゆんでめて」で進むはずだったもう一つの未来(時の神様の手違いによる)のエピソードも少しでてきます。友人・七之助さんの嫁取りはどうなるんでしょうね。なくなってしまった若だんなの恋も復活するのでしょうか。



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2011.06.01 Wednesday

精霊の守り人ガイドブック「<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド」 上橋菜穂子 二木真希子 佐竹美保

精霊の守り人」シリーズのガイドブック「<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド」が発売!うわー!うれしい!
表紙はスタジオジブリの二木真希子さん。これは、ダ・ヴィンチの特集で描かれたイラストの一部だと思います。上橋菜穂子特集で、「精霊の守り人」や「獣の奏者」の登場人物が一同に介した豪華な見開きイラスト、圧巻でした。

偕成社から出版されているので、内容はやや児童向け(実際、本屋でも児童書の棚にありました)な内容ですが、おちろん、大人も十分楽しめます。物語に出てくる料理のレシピや、精霊の守り人に関わる人々のインタビュー、守り人シリーズ人物・用語辞典など盛りだくさんの内容です。

「守り人シリーズ」二木真希子さんの挿絵や、チャグムの冒険を描いた「旅人シリーズ」のイラスト(佐竹美保さんが担当)、新ヨゴ、カンバル、ロタなど、守り人シリーズにでてくる国々の詳細な地図もでてきます。

こちらは改訂版。新作外伝も。
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<守り人>のすべて 守り人シリーズ完全ガイド
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バルサとタンダのその後


また、書き下ろし短編「春の光」では、「天と地の守り人」の後日譚が描かれています。
これはうれしかったなあ(*´∀`*)。バルサが、ちゃんとタンダのところへ落ち着いて穏やかな生活を送っているのがわかった、なによりタンダのことを「夫」とか「つれあい」って呼んでいるんですよ!

タンダとバルサのことは、守り人シリーズファンはいつもやきもきさせられていたので、こういう形でふたりの仲が成就したのを見届けられてよかった。本当に。


「精霊の守り人」翻訳プロジェクト


「精霊の守り人」は現在、世界各国で翻訳されていて、アメリカでは優れた翻訳の児童書に与えられるバチェルダーー賞を受賞したのだそうです。すげえ!w( ̄Д ̄;)

これは、物語の力もありますが、翻訳者の力量に左右されるところでもあのだそうで、「守り人のすべて」では翻訳者・平野キャシーさんと上橋先生の対談も掲載されていますが、平野さんが本当に守り人シリーズを愛していて、海外の人に読んでもらいたいという気持ちが強かったそうです。

「ハリーポッター」日本語訳も、翻訳者の松岡佑子さんが本への情熱で翻訳を勝ちとった逸話は有名ですし、やはり仕事として以上に作品を愛する心が翻訳には必要なのかもしれません。

それにしても、英語版の「MORIBITO」の表紙…。ジャポニズムですねえ(^^;)これじゃ五条河原の義経だよ。でも、こういうジャポニズムをアメリカーンは求めているんだからしょうがないのかな。

「守り人のすべて」では、各国の翻訳本が紹介されていますが、やはり台湾は日本文化が浸透しているせいか、偕成社の装丁をつかっています。

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上橋作品感想


「物語ること、生きること」→
「精霊の守り人」→
「闇の守り人」→
「夢の守り人」→
「天と地の守り人」→
精霊の守り人シリーズ外伝「流れ行く者」→
精霊の守り人シリーズ外伝「炎路の旅人」→
精霊の守り人レシピ集「バルサの食卓」→
「獣の奏者 闘蛇編・王獣編」→
「獣の奏者掘|亀翳圈廣
「獣の奏者検ヾ扱詈圈廣
「獣の奏者 外伝 刹那」→


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2010.10.31 Sunday

しゃばけシリーズ「ゆんでめて」 畠中 恵

しゃばけシリーズももう9弾目「ゆんでめて」は前作「ころころろ」のように短編が合わさって、最後ひとつの謎解きになる仕掛けになっています。

あの時、左の道(ゆんで)をいくはずだったのに、右の道(めて)を行ってしまった。それは例によって人ならぬものが関わっているのですが。

そうして間違った「めて」の道を進んだ若だんなは、屏風のぞきの死や新しい出会い、そして恋心を経験します。
「もし、あのとき別の道を行っていたら。」と誰しも思いますが、選んでしまった道にも、新たな出会いも別れもあるのです。若だんなは生目神の助力で選ぶはずだった道に戻れるのですが…

三浦しをんさんが著作「三四郎はそれから門を出た」で、しゃばけシリーズのもつ「切なさ」について語っていましたが、今回の「ゆんでめて」はかなり切ないです。忘れてしまっているのに、時折、誰かがいなくなってしまうんじゃないかと思う喪失感。

若だんなは結局たくさんのものを捨てざるを得なかったんでしょう。満開の桜が散るように、いつか仁吉や佐助、他の妖怪たちとの楽しい時間もなくなってしまいそうな、寂しいような気持ちが読んだあとも残ります。

ゆんでめて
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新潮社のページに上橋菜穂子さんとの対談が。「ゆんでめて」の制作秘話について語ってらっしゃいます→



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2010.08.14 Saturday

獣の奏者 外伝発売!

先日、ツイッターで情報知りました。
獣の奏者の外伝が発売される!オォォーーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!

エリンとイアルの新婚時代とジェシの出産、
エサル氏の若いころの恋物語。
ジェシの小さいころの話。

うわー!楽しみだよう!
「獣の奏者 闘蛇編・王獣編」ではエリンとイアルは意識はしているものの、恋愛模様が描かれなくて、「探究編」でいきなりこどもできてた!堯福姥 ̄)と驚いたものですが、その空白の11年間のことが描かれるようです。
こうして物語の糸がつながっていくのはほんとうにうれしい!
またひとつ楽しみが増えました!

そして読みました!→「獣の奏者 外伝 刹那」

表紙にはエリンとイアル、ジェシらしき3人が!
もう、この絵みただけですでに泣きそうなんですけど…!。・゚・(*ノД‘*)・゚・。

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「獣の奏者 闘蛇編・王獣編」→
「獣の奏者掘|亀翳圈廣
「獣の奏者検ヾ扱詈圈廣

2010.08.04 Wednesday

僕僕先生シリーズ 「さびしい女神」 仁木 英之

僕僕先生シリーズももう4作目。今回の「さびしい女神」では苗(ミャオ)族の住む六合峰を訪れる僕僕一行。

六合峰では神につかえていた巫女が禁忌を犯してしまったため、封じられた渇きの神・魃が解放され土地は渇きに襲われていた。前回の因縁で知り合った蚕娘は実は六合峰の巫女で峰西の王女・水晶でした。
六合峰の旱魃に心を痛めた王弁は僕僕先生の力でなんとかしてほしいと頼みますが、先生はなぜか気のりがしない様子で、どこかへ行ってしまいます。


しかたなく王弁は封じられた魃に会いに行き、彼女がほんとうは破壊を望んでいないのに天地から疎まれる日々に寂しい思いをしていることを知ります。王弁は魃のために、彼女が安心して暮らせる方法を探しに、はるか遠く、古代の神々のすむ世界まで旅をするのですが…


今回は切ないお話でした。だれも傷つけたくはないのに、強力な力のために、封じられる運命の魃。僕僕先生の言うように生半可な同情で手を出せる相手ではないのですが、王弁のように単純な気持ちで行動することで道を切り開けることもあるのかもしれません。


また、僕僕先生の過去もちょっとだけ出てきます。古代には魃と相対する力をもつ女神だったようですが、彼女にはまだまだ謎がありそうです。


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「僕僕先生」→
「薄妃の恋 僕僕先生」→
「胡蝶の失くし物―僕僕先生」→
「先生の隠し事」
「鋼の魂」→
「仙丹の契り」→

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