2014.11.12 Wednesday

「超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2」 杉田 圭

百人一首にまつわる歌人の恋愛エピソードを現代風にアレンジした「うた恋い。」そのスピンオフ「超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2」ではこれまで「うた恋い。」に登場した歌人たちの日常を史実を少しと、フィクションを多め、ギャグをたっぷり加えた、ドタバタ漫画になっています。

紫式部、乙女の野望


やたらと紫式部にちょっかいを出してくる藤原公任と、式部とのバトル。公任さんて文武両道の超エリートなんですが、中身は貴公子とは呼べないやんちゃ坊主。式部へのアプローチも、なんつーか、小学生男子並なんですわwww
そんな式部も、昔は貴公子・公任の噂に憧れ、恋物語(妄想)を書いてみたりしていたのですが…。

藤原定家と式子のシーソーゲーム


うた恋いのメインキャスト、藤原定家と式子内親王の恋。道ならぬ恋の悲劇…のはずなのですが、もうバカップルです、この二人。一応時代は平安末期、政情不安なこの時期ですが、式子さまが住まいを移られたのをいいことに定家が夜中に忍んできちゃったり、シーソーゲームが続きます。

失恋が原因でぐれてしまった、清少納言のヤンキー兄貴VS藤原行成のバトル、小野篁と義理の妹、比右子との結婚のドタバタ(当時は異母兄弟の結婚はアリ)など、本編で描かれなかったエピソード満彩です。


超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2
杉田圭 KADOKAWA/メディアファクトリー 売り上げランキング: 1,156


限定版には2015年オリジナルカレンダーつき。こちらの表紙は現代のオフィス風イラストになってます。

超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2 限定版
杉田圭 KADOKAWA/メディアファクトリー 売り上げランキング: 1,162


「うた恋い。和歌撰 恋いのうた。 」
「うた恋い。異聞 うた変。」
超訳百人一首 うた恋い。3
超訳百人一首 うた恋い。2
超訳百人一首 うた恋い。
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2014.09.18 Thursday

小さなメイドと女主人の日常「シャーリー2」 森 薫

森薫さんのメイド漫画の原点「シャーリー」は、13歳のメイド、シャーリーと、女主人のベネットさんの日常を描いた漫画です。

シャーリーは若いけれど優秀なメイドで、家事全般をひとりでこなし、カフェ店主として忙しいベネットさんのいい片腕となっています。

そして、今回もシャーリーが可愛らしい。時々失敗して泣きべそをかいたり、ベネットさんのハイヒールをこっそり履いてねんざをしたりと、少女らしい一面もみせてくれます。

雇い主のベネットさんは、家では天然でシャーリーのお給料を払うの忘れちゃったりするのですが、カフェでの働きぶりはなかなかのもので、財布を届けにきたシャーリーも驚くほどです。今回はそんなベネットさんの意外な面が垣間見れました。

「シャーリー」の舞台は森薫さんのメイド漫画「エマ」よりもやや時代が下がったエドワード朝で、此の頃はちょうど機械産業が発達してきた時期。また、この頃にはメイド以外の職業もいろいろあったようで、シャーリーのような小さなメイドは珍しかったそう。

長編連載の合間に短編として描かれているので、なかなか単行本化しないのが残念ですが、定期的に森薫さんのメイド漫画が読めるなはうれしいです。


シャーリー 2巻 (ビームコミックス)
森薫 KADOKAWA/エンターブレイン



「シャーリー」→
シャーリーの他にも様々なタイプのメイド漫画が収められた短編集。
シャーリー (Beam comix)
シャーリー (Beam comix)
posted with amazlet at 14.09.13
森 薫 エンターブレイン



森薫作品感想


森薫さんがつくる「乙嫁語り」レシピ→
「乙嫁語り5」→
「乙嫁語り4」→
「乙嫁語り3」→
「乙嫁語り2」→
「乙嫁語り1」→

言わずと知れた英国メイド物語
「エマ(外伝)」→
エマ以前のメイド物語「シャーリー」→
「森薫拾遺集」→

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2014.09.13 Saturday

宝石たちの冬 『宝石の国3』 市川 春子

遠い未来。何度も天変地異を繰り返した星には、宝石の性質をもつ「いきもの」がうまれました。

何度砕かれても死ぬことのない彼らと、彼らを狙う月人との長い戦いの物語「宝石の国」は、不器用で硬度が低い(すなわち割れやすい)主人公・フォスフォフィライトの成長と、宝石たちが暮らす不思議な世界が描かれます。

宝石の国(3)
宝石の国(3)
posted with amazlet at 14.08.26
講談社 (2014-08-22)



冬の宝石、アンタークチサート


宝石たちの体内には、インクルージョンと呼ばれる微小生物がいて、太陽光をエネルギーとします。そのため、光の少ない冬は活動が鈍るため冬眠します。

冬の間、金剛先生とともに皆を守るのがアンタークチサート。気温が低くなると結晶化する特殊な宝石です。冬はいつも金剛先生とアンタークだけなのですが、そこへフォスが登場。前回体にいれたクオーツアゲートためか、眠くならないらしく、アンタークの冬の仕事を手伝うことになります。

アンタークチサートは、冬以外は液体化して眠っているので、他の宝石たちとあまり接点はないのですが、冬の間は金剛先生に甘え放題(^^)。今回は邪魔者(?)フォスがいましたが、手を焼きながらも面倒をみています。フォスのためっていうよりも、金剛先生のためですね。

宝石世界の謎


主人公フォスは、その好奇心と無鉄砲さで問題を起こし、前回は足を、今回は腕をなくして、新たな力を手に入れます。その代わり、今までの記憶を文字通り「削る」ことになるのですが。

今後は、なぜ、月人が宝石たちを襲うのか、宝石の世界はどうなっているかは、記憶をなくしたフォスが新たに見つけていくというかたちで説明されていきそうです。

宝石の国(2) (アフタヌーンKC)
市川 春子 講談社 (2014-01-23)


宝石の国(1) (アフタヌーンKC)
市川 春子 講談社 (2013-07-23)



宝石の国1
宝石の国2
宝石の国4
宝石の国5



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2014.07.31 Thursday

少女と戦争、甘いお菓子。「いちご戦争」 今日マチ子

思うに少女というものは、生と、性と、死に、いちばん近い存在なのではないだろうか。

少女たちは時に、「生」そのもののように美しく、子どもでもなく、大人でもないその体は、限りなくエロティックであり、ふとしたきっかけでも「死」を選びそうな危うさを合わせ持つ。

そんな少女の複雑な内面を、セリフのない絵のみで表現する漫画家・今日マチ子さんが描いた「いちご戦争」は、少女と戦争、全く異なるふたつが見事に融合し、美しく、エロティックで、グロテスクな世界が展開しています。

そこには生と性と死がつまっている。

制服を脱ぎ、カーキ色の軍服に身を包んだ少女たちの戦場には、甘いお菓子やフルーツ。

いちごは、彼女たちのはじけた血肉。
あのこのはらわたにはたくさんの赤いお菓子。
彼女たちを突き刺すのは、いちご味のポッキー。


「いちご戦争」は、今日マチ子さんの小さなスケッチブックに綴られた物語なので、単行本「いちご戦争」のサイズも、ちょうど新書くらいの大きさ。小さなメモに描かれた世界。観ていると惹きこまれて大きさを忘れます。

どうか、手にとって見て下さい。今まで観たことのないような美しく甘く、恐ろしい戦争を。

いちご戦争
いちご戦争
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今日 マチ子 河出書房新社 売り上げランキング: 2,579


「いちご戦争」の風景は、沖縄戦をモチーフにした「COCOON」に似た風景も。「COCOON」が現実と空想の物語なら、「いちご戦争」は、空想の中の現実。

COCOON
COCOON
posted with amazlet at 14.07.29
今日マチ子 秋田書店


今日マチ子作品感想


みかこさん
センネン画報
センネン画報 その2
七夕委員 星に願いを篇
COCOON
「COCOON」もうひとつの感想 サンとマユについて。

100番めの羊
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2014.07.23 Wednesday

「豆腐百珍 百番勝負」 花福こざる

お花屋さんの日常や仕事を綴ったコミックエッセイ「花福日記」。その作者、花福こざるさんが今度は料理に挑戦。江戸時代のベストセラー本「豆腐百珍」を、実際に作って食べてみるという企画マンガ「豆腐百珍 百番勝負 (コミックエッセイの森)

料理を作ってたべるだけの、なんて美味しい企画…、なんて思ったら大間違い!なんと、豆腐百珍のレシピには料理本では当たり前の正確な分量も、料理のコツも書いてない!

なかには作り方さえのっていない、料理名だけの豆腐料理ってものもあるんです。(通品)

そして、なかにはどうやっても再現不可能なもの(豆腐を細長く切って結ぶとか)、ものすごく手間をかけたのに、そんなに美味しくなかったりとか、そんな料理も多々あるのです。そんな豆腐百珍に悪戦苦闘しながらも、なんとか美味しくつくろうとするござるさんの根性に拍手を贈りたいです。

それにしても、豆腐百珍て、もっとちゃんとした料理本かと思っていたのですが、同じような調理法が載っていたり、作り方が適当だったり、作っても美味しくなかったりと、今のレシピ本だったら苦情がくるレベルです。

それがまかり通っていたのは編集の小林さんが「江戸時代の本には編集がいないからだ」と冷静に突っ込んでいたのが面白かった。(笑)

「豆腐百珍 百番勝負」の魅力は、ただ上手に作るだけじゃなくて、工夫をしながら豆腐料理に挑むところや、こざるさんの悪戦苦闘っぷりや、歴史小話なんかもはさまれていて、料理本としてだけじゃなく、エッセイマンガとしても楽しめるところですね。

こざるさんがいろいろ試してくれたおかげで、豆腐百珍の料理法がわかったので、私も今度、豆腐料理ににチャレンジしてみようかな。

豆腐百珍 百番勝負 (コミックエッセイの森)
花福こざる イースト・プレス



こざるさんの友人「くるねこ」の作者、くるねこ大和さんもゲスト出演。豆腐の味噌煮に挑戦しています。

【Amazon.co.jp限定】 くるねこ 13 イラストカード付
くるねこ大和 KADOKAWA/エンターブレイン 売り上げランキング: 9,299


豆腐百珍 (とんぼの本)
福田 浩 松藤 庄平 杉本 伸子 新潮社 売り上げランキング: 250,787



お花屋さんの仕事と草花のはなし。不思議なキャラクターたちも。
「花福日記―お花屋さんの春夏秋冬―」→
「続 花福日記 お花屋さんのあたふた毎日」→

花福夫妻の飼い猫、直角との日々を綴った猫マンガ
「花福ねこ日記」→

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2014.07.07 Monday

「宝の嫁」 近藤ようこ

思えば、私の中世の物語に関する知識は、主に漫画から得ていたように思います。
とくに、近藤ようこさんが描く中世の物語は、時に痛快で、時に悲しくて印象に残っていました。

そんな、近藤ようこさんの新たな説話集「宝の嫁」。民話や故事をベースにしながらオリジナルの展開をみせ、その時代を必死に生きる人々の様子が絵巻物のような美しいタッチで描かれています。

宝の嫁 (ビームコミックス)
近藤ようこ KADOKAWA/エンターブレイン



宝の嫁


表題の「宝の嫁」は、古事記のコノハナサクヤヒメとイワナガヒメの神話を元にしたお話です。
没落貴族の若者がある日、道に迷ってある館に招かれ、館の主から「娘を嫁にもらって欲しい」といわれます。
二つ返事で承諾したものの、やってきたのは醜い姉の方でした。

美しい妹を望んでいた若者は、姉を邪険に扱い、悲しんだ姉は、妹をよこすことに。けれど、本当に「宝」を与えてくれるのは姉の方だったのです。姉は同情した若者の従者と幸せに暮らし、若者は妹を手に入れるものの…

その他、異世界に迷い込み、そこの姫とねんごろになるお話や、けちな長者が僧に水を分けなかったせいでバツを受けるなど、因果応報な話や、南蛮の怪しげな術を使う娘の話など、中世の不思議がたくさんつまった本です。


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2014.07.02 Wednesday

魂と肉と骨 「宝石の国2」 市川 春子

遠い未来、人類が滅びた星で生き残ったのは、宝石たちだった。宝石の特徴を持つ不死のいきものと、彼らを襲う月人との戦いを描いた「宝石の国2」

新たな存在・アドミラビリス


これまで月人と宝石たちしかいなかった世界に、大きな殻をもつ軟体生物、アドミラビリスという第三の存在が現れます。アドミラビリスは、現在、月人に支配されており、フォスを溶かして取り込もうとします。一時はアドミラビリスの殻にされたものの、シンシャのアドバイスで無事もとの姿に戻れたフォス。

殻となって融合したせいか、ただ一人アドミラビリスの言葉がわかるようになったフォスは、自らをアドミラビリスの王と名乗るウェントリコススと行動を共にすることになり、彼女の故郷、海へ向かいます。

魂と肉と骨


彼らは生殖を繰り返すことで子孫を残していく生物で、光さえあれば生きていけるフォスとはまったく異なる存在です。そんなウェントリコススが語る伝承では、かつて、にんげんといういきものがいて、魂は月人に、肉がアドミラビリスに、骨が宝石たちに変化し、魂である月人は、自らの体を取り戻すために襲ってくるのだと。

ウェントリコススとの出会いにより、フォスは自分たちを取り巻く世界や、死について考えを巡らすようになります。金剛先生はなにか知っているようなのですが…。

それにしても、今までみたこともない設定の世界と物語の展開に、次の巻が待ち遠しい。こんなにワクワクする漫画は久しぶりです。

宝石の国(2) (アフタヌーンKC)
市川 春子 講談社 (2014-01-23)


宝石の国(1) (アフタヌーンKC)
市川 春子 講談社 (2013-07-23)


「宝石の国1」→
「宝石の国3」→
「宝石の国4」→
「宝石の国5」→

なんと、2巻用のオリジナルPVまで出ています。ウェントリコススがちょっとだけでています。

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2014.07.01 Tuesday

遠い未来、僕らは宝石になった。「宝石の国1」 市川 春子

話題になっている市川春子さんの漫画「宝石の国」読みました。まずその斬新な設定に驚かされました。
「遠い未来、僕らは宝石になった」

と、帯のコピーにあるように、主人公たちは人間ではありません。

斬新な設定と、美しい絵が魅力的な物語


遠い未来、6度の流星が落ち、月が6つになった頃。地上のいきものは海に逃げ、微小な生物に取り込まれて無機質となり、再び地上に打ち上げられた。

彼らは、その身うちにインクルージョンという微小生物を宿し、どんなに欠けて、粉々になっても、体を形成する物質をあつめれば再び形成することができる、いってみれば不死の存在です。

それぞれが宝石の特徴を持つ人型のいきものたち。彼らは、金剛先生と呼ばれる僧形の指導者のもと、集団生活を営み、彼らを宝飾品として連れ去ろうとする月人たちと戦いを続けています。

それぞれに宝石の特性をもつ美しい宝石のこどもたち(と、いっても長寿なのですが)。
美しく強度が高いけれど、もろくもあるダイアモンド、その身から毒をだすため、他の宝石と距離を置かなければならないシンシャ(水銀の材料)。

そんな宝石たちのなかで、ひときわもろく、生来の不器用さを合わせ持つ、末っ子のフォスフォフィライト。そんなフォスをみかねた金剛先生は「博物誌の編纂」という仕事を与えるものの、いろいろとトラブルを抱え込んできてしまいます。そんな中、月人が残していったカタツムリ状の生き物にフォスが取り込まれてしまい…

最初は、その荒唐無稽なストーリーに驚きましたが、読んでいくうちに宝石たちの世界に惹きこまれていきました。ストーリーも絵も、とても魅力的です。

宝石たちは生殖器官を必要としないので、おそらく性別がなく、中性的な風貌をしています。それは同じく生殖器官を持たず、長い時を生きる「ファイブスター物語」のファティマたちにも少しにているような気がします。

月人の正体や、まだでてきていない宝石たちなど、これから宝石たちの世界がどのようにてんかいしていくのか楽しみです。

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)
市川 春子 講談社 (2013-07-23)


この紹介アニメが美しい!アニメ化して欲しいですねえ(*´∀`*)
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「宝石の国5」→
「宝石の国2」→
「宝石の国3」→
「宝石の国4」<→/a>
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2014.06.07 Saturday

金城一紀原作、映画をモチーフにした物語 「映画篇3、4」 金城 一紀×遠藤佳世

金城一紀さん原作の「映画篇」の漫画版もいよいよ完結。5つの映画をモチーフにした短篇集は、最後の篇「愛の泉」ですべての物語がつながっていきます。

映画篇 3 (ビッグコミックススペシャル)
金城 一紀 小学館 (2014-04-30)




小説と漫画の相性


金城一紀さんと遠藤佳世さんのコンビはすごく相性がよくて、原作とおりの描写もあれば、そうきたか!と意外なシーンが盛り込まれたり、漫画ならではの表現がすごくいい。だから漫画を読んだ後、もう一度原作を読み返して、違いを確かめずにはいられませんでした。それがまた、楽しい作業なんです(*´∀`*)

そして、私の一番好きな物語「愛の泉」がいよいよ漫画になりました。「愛の泉」は、最愛のおじいちゃんを亡くして元気のないおばあちゃんを、孫達が「ローマの休日」を上映することで元気づけようとする物語です。

原作「映画篇」感想→

主人公の哲やいとこたち、それぞれに物語があるし、おばあちゃんがおじいちゃんと出会って、初めて映画を観るまでのエピソードや、クセのある賢者のような浜石教授など、実際に漫画で見ることができてうれしかった。原作にはない、アホの子ケン坊がアホアホパワーを発動させて問題を解決するシーンは、読みながら愛おしさがこみ上げてきました。ケン坊は「レヴォリューション No.3」の山下みたいで愛おしい。

「愛の泉」とは対照的に「ペイルライダー」は悲しい話なのだけど、、主人公の男の子が出会った「バイクのおばちゃん」のエピソードが追加されていて、おばちゃんが最後にどうしてあの行動をとったのかが、よりわかりやすくなっています。悲しいけれど、きちんと希望がのこされていて、この作品も大好きです。

漫画版 映画篇1,2巻の感想→

映画篇 1 (ビッグコミックススペシャル)
金城 一紀 遠藤 佳世 小学館 (2011-03-30)


映画篇 2 (ビッグコミックススペシャル)
金城 一紀 小学館 (2012-01-30)



金城一紀作品感想


GO→
対話篇→
映画篇→

ここからゾンビーズの冒険がはじまります。
レヴォリューション No.3→
舜臣と中年サラリーマンの奇妙な師弟関係。
フライ,ダディ,フライ→ゾンビーズと一緒に冒険する女の子が主人公の物語。
SPEED→

2014.06.04 Wednesday

異聞・ゴッホ伝 「さよならソルシエ」 穂積

「このマンガがすごい!」の2014年オンナ編で1位をとった「さよならソルシエ」を読みました。
同じく、「このマンガがすごい!」に選出された「式の前日 」の、ほのぼのした話とは全く逆の、芸術の神に魅入られた兄弟の愛憎が描かれていきます。

「さよならソルシエ」物語


パリの有名画廊の支店長であるテオは、ソルシエ(魔法使い)と呼ばれる、飛び抜けた才能と商才をもつ青年。アカデミーの旧式な価値観とは一線を画する芸術を見極めるセンスを持つテオは、ムーラン・ルージュに集う若き芸術家を集め、パリ画壇に戦いを挑んでいく。そんなとき、パリに現れた無邪気な青年ヴィンセント。彼の描く絵は従来の常識を超えた圧倒的な力を秘めていた…。

異聞・ゴッホ伝


読み進めていくうち、テオとヴィンセントの正体が画家ゴッホとその弟であると明かされます。狂気の画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと、彼を生涯支え続けた弟テオドロス。けれど、ヴィンセントは狂気をはらむどころか、自分の芸術に価値を求めず、ただ無邪気に書きたい絵を描いていく。

そんなヴィンセントに対して憤りを覚えつつも「兄さんは天才なんだ」と、彼の絵をプロデュースしようとするテオ。物語の前半は才能に無頓着な兄と、兄の才能に嫉妬しながら、兄の才能を愛さずにはいられない弟の葛藤が描かれていきます。

才能のある人間ほど、それに無頓着で、もたざるものを刺激してしまうんですよね…モーツアルトのライバル「アマデウス」などもそうでした。

やがて迎える悲劇的な結末に、テオがとった驚くべき行動。これには驚かされました。穂積さんはこの作品で、もうひとつのゴッホとテオの物語、異聞を描いてみせました。物語があまりにすばらしいので、常識がひっくり返されてどちらが本当のゴッホ像だかわからなくなるくらい。





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