2015.06.04 Thursday

宝石と合金。「宝石の国4」 市川 春子

遠い未来、宝石の性質を持った不老不死の生命体と、彼らを襲う月人との戦いを描いた「宝石の国4」
主人公フォスフォフィライトは、前回失った腕の変わりに、金と白金の合金をつける。冬の間仲間だったアンタークを失ったことで、以前とは全く違った屈強な戦士に変わろうとしていた。

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宝石の国の世界観


遠い未来。宝石の性質を受け継いだ生命体、彼らは金剛先生と呼ばれる指導者のもと、それぞれの技能をいかしつつ、月人への戦闘と日々の暮らしを営んでいる。

光をエネルギーとし、壊れてもパーツをある程度集めれば再生が可能なため、気の遠くなる時間を生きている。彼らを襲い、装飾品とする(らしい)月人との戦いも長きにわたるが、月人の正体はわからない。


強くなったフォス


前はドジっ子な末っ子気質だったフォスが、体の宝石を他の物質に置き換えるたび、新たな変化が起こります。

最初は重くて動かすのもやっとだった合金も、自在に形を変えて戦闘に利用しています。そこには、アンタークを失ってしまった後悔があるんでしょうね…。フォスの変化にともなって、宝石たちの世界もいろいろと動きがあるようです。

強くなったフォスに興味を示した最強の宝石・ボルツとコンビを組むことになり、新しい月人と対峙することになるのですが、その月人(?)はなにやら金剛先生と因縁があるようで…

ここでいよいよ、怪しかった金剛先生と月人との疑惑が明るみに。フォスは一人で月人から情報を得る決心をします。そうか、宝石たちはフォス以外、みんな金剛先生と月人が関係あるってわかってたのね。
でも、大好きな先生だから、あえて黙っていると。

これからの展開がまた楽しみ。またアドミラビリスたちも出てきてほしいな。

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宝石の国5
宝石の国3
宝石の国2
宝石の国1


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2015.04.04 Saturday

くるねこ人情絵本 「やつがれと橘の木」

くるねこの人情時代劇、やつがれシリーズ五作目「やつがれと橘の木

今回もまた、ほっこりと、そしてちょっと切ない人情噺です。

棒手振りの八朔(やつがれ)は、拾い子のチビ太と女房のお夏、5人の子どもたちに囲まれ、のんびり暮らしている。あるとき、鍼のせんせー家族とピクニックを楽しんでいると、カラスの落とし物から守ってくれた武士・橘九太郎とであう。

旅立つという橘九太郎から、「橘の盆栽をもらってほしい」と頼まれた八朔は、二朱(約一万円)でひきとることにする。

その帰り道、骨董商の立花八十助なる男から「盆栽をゆずってほしい」と言われ、盆栽は10両で売れたものの、正直者の八朔は、その金を橘九太郎へ返そうとするが、がんとして受け取らず、しまいには刀で脅される始末。

鍼のせんせーたちと相談し、半額を橘九太郎へ収めてもらうよう、死に装束で再び九太郎のもとへ。

実は、そこで、九太郎と八朔の昔の因縁が明らかになり…。

今回はじめて八朔の過去が明らかになります。小さいころは奉公先でいじめられて、その奉公先が火事になり、泣いているところを助けてくれたのが九太郎だったわけです。

八朔は、ちいさいころからひとりぼっちで苦労をしてきたけれど、だからその分、関わった人にやさしいんだろうな。

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登場人物の橘九太郎、立花八十助は、以前、くるねこ宅で預かっていた斑目九太郎、八兵衛がモデルのようです。前作の「あん胡郎」のように、くるねこ家で面倒をみた猫たちが、こうしてまた物語として登場してくれるのはうれしいことです。

くるねこ 14
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やつがれとあん胡郎
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「やつがれとあん胡郎―絵本漫画」→
「やつがれと枕荒らし―絵本漫画」→
「やつがれと甘夏―絵本漫画」→

2015.02.17 Tuesday

ペルシャの女性婚制度・姉妹妻『乙嫁語り7』 森 薫

『乙嫁語り』7巻は、語り部であるスミスの旅とともに、各地の乙嫁さんを紹介するのですが、今回のテーマは女性同士の結婚。ええっΣ(゚∀゚;) でもイスラム教って同性愛禁じてるんじゃなかったっけ…?。

「乙嫁語り7」あらすじ


旅を続けるスミスがペルシャで滞在した館には、少女のような可憐な乙嫁、アニスがいた。やさしい夫、子宝にも恵まれ、何不自由ない暮らしでも、心はどこか満たされない。

そんなとき使用人から「姉妹妻」を持つべきだと勧められる。さっそく姉妹妻を探すべく、女性たちの社交場である風呂屋を訪れるアニスの前に、印象的な女性、シーリーンが現れる。
立場も環境も違うアニスとシーリーんだが、どこか通じあうものを感じて姉妹妻の契りを結ぶのだか…

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ペルシャの姉妹妻制度とは


「姉妹妻」(ハーハル・ハーンデ)と呼ばれるペルシャの女性同士の婚姻制度は、19世紀まで実在したのだそう。親友としての契りをむすび、普通の結婚のように式をあげたり、旅行にいったり、一緒のお墓にも入れるのだとか。

姉妹妻は、男女の「家同士の結婚」に対し、ある種、恋愛結婚な役割があるような気がします。夫は選べなくとも、気のあったパートナーは選ぶことができるのですから。とはいうものの、同性愛的なつながりではなく、あくまでもプラトニックなもの。このへんは戦前の女学生の「エス」的なつながりと似ています。

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今までと異なる画風がすごい


乙嫁語りに限らず、森薫さんの漫画作品は、服や背景、動物など、これでもか!っていうほど細部が描き込みが特徴的なのですが、7巻の絵には驚かされました。最初「乙嫁語り」ってわからなかったほどです。

しかし、描き込みがないわけではなく、ペルシャのモザイクや建物の装飾など、目立たないところでみっしりと描き込まれています。アラビアン・ナイトを思わせる、デザイン的な情景描写は斬新だし、動物の描写や細かい動きは、相変わらずの細かさがあります。

人物はあっさりとしつつも、親子で顔のパーツを似せるなど、細かいところがすごいんですわ(;´・ω・)。


『乙嫁語り』から学ぶイスラム社会


いま、否が応でもイスラム社会に注目が集まってます。今回の乙嫁語りでは、珍しい姉妹妻や、一夫多妻制など、イスラムの風習について語られます。

一夫多妻制は、決してハーレム的なものではなく、夫が亡くなり困窮した女性を、裕福な男性が救済するための制度だそうです。「乙嫁語り」のなかでも、アニスの姉妹妻、シーリーンの夫が亡くなり困窮したとき、アニスは夫に、シーリーンを第二夫人として迎えてほしいと頼みます。

多数の妻を持つには、いづれの妻も、すべて公平に扱うことが条件といわれています。男女平等を謳っているイスラム教らしい制度なのでしょう。

ただ、女性が自立して自ら働き、暮らせるという自由はないようです。でもそれは、異教徒の私側からの視点なのでしょうけれど。

日本人のサトコのルームシェアの相手はサウジアラビア女子のナダ。全く違う環境で育った2人の友情物語です。



森薫作品感想


「乙嫁語り10」→
「乙嫁語り9」→
「乙嫁語り8」→
「乙嫁語り6」→
「乙嫁語り5」→
「乙嫁語り4」→
「乙嫁語り3」→
「乙嫁語り2」→
「乙嫁語り1」→
森薫さんがつくる「乙嫁語り」レシピ→

言わずと知れた英国メイド物語
「エマ(外伝)」→
エマ以前のメイド物語「シャーリー」→
「シャーリー2」

「森薫拾遺集」→

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2015.02.06 Friday

不思議な、不思議なお話。「五色の舟」  近藤ようこ 津原泰水

不思議な、不思議なお話「五色の舟 (ビームコミックス)」 
最初は、戦時中の見世物小屋の人々が肩を寄せあい、健気に生きる話かと思っていたら、だんだんと、現実の世界からまた別の世界へとゆっくりと移動していく感じです。

まるで、読んでいる私達もいつの間にか舟に乗って、違う場所に運ばれて行ってしまったような。

自分がいるこの世界は、本当にいるべき世界なのだろうかと…。

「五色の舟」あらすじ


太平洋戦争末期。壊疽で両足のないお父さん、小人症の昭助、シャム双生児の片割れだった桜、膝の関節が逆の牛女の清子、そして腕のない和郎。彼らは小さな舟に身を寄せ、見世物をして暮らしていた。家族として強い絆で結ばれていた5人だった。

あるとき、お父さんが「くだん」と呼ばれる、予言をする不思議ないきものの噂を聞きつけて、それを買い取ろうと岩国へ向かう。けれども、一足遅れで軍に接収されてしまう。心を読める和郎は、「くだん」をみかけてから不思議な夢を見るようになる。

それは、家族ひとりひとりが違った舟に乗り、家族が離れ離れになる夢だった…。

現実の世界、かりそめの世界


最初のうちは、戦争時当時の見世物小屋の人々が型を寄せあって生きていく、そんな物語だと思っていたら、「くだん」がでてきたころから、徐々に不思議な世界へ

どうやら、この世界の人達は「別の世界」へと移動することができるらしく、それを叶える装置が「くだん」であるらしいことがわかってきます。

最後はなんだかとても切ない終わり方でした。はたして彼らがたどりついた場所は安住の地なのか、それともかりそめのものなのか…。

五色の舟 (ビームコミックス)
近藤ようこ 津原泰水 KADOKAWA/エンターブレイン



津原泰水さんの原作も、読んでみたくなりました。
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近藤ようこ作品感想
宝の嫁→

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2014.12.10 Wednesday

「おやすみなさいダース・ヴェイダー」 ジェフリー・ブラウン

ダース・ヴェイダーの子育て絵本第三弾おやすみなさいダース・ヴェイダー、今回も悪役のはずのダース・ヴェイダーが、ルークとレイアの子育てに悪戦苦闘しています。

今回は、ルークとレイアを寝かしつけるダース・ベイダーと、スターウォーズの登場人物たちの夜の様子が描かれています。


アミダラ姫はパーティー続きで忙しく、衣装を散らかしてベッドへ直行(だから、ダース・ベイダーが子育てしてるんでしょうね)

ウーキー族は木の上で、イウォーク族は騒音を起こす帝国兵に石をぶつけてやっつけてます。ハン・ソロとチューバッカは借金に追われて安眠できず。

ジャンゴ・フェットとボバ・フェットが「寝なさい」「まだ眠くない」普通の親子のようなやりとりをしているのが微笑ましい。

スターウォーズ登場人物たちの日常の様子が描かれる「おやすみなさいダース・ヴェイダー」。パロディのようだけど実はルーカスフィルム公認の絵本です。

おやすみなさいダース・ヴェイダー
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ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア
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ダース・ヴェイダー子育て絵本シリーズ
「ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア」
「ダース・ヴェイダーとルーク(4才)」
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2014.11.12 Wednesday

「超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2」 杉田 圭

百人一首にまつわる歌人の恋愛エピソードを現代風にアレンジした「うた恋い。」そのスピンオフ「超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2」ではこれまで「うた恋い。」に登場した歌人たちの日常を史実を少しと、フィクションを多め、ギャグをたっぷり加えた、ドタバタ漫画になっています。

紫式部、乙女の野望


やたらと紫式部にちょっかいを出してくる藤原公任と、式部とのバトル。公任さんて文武両道の超エリートなんですが、中身は貴公子とは呼べないやんちゃ坊主。式部へのアプローチも、なんつーか、小学生男子並なんですわwww
そんな式部も、昔は貴公子・公任の噂に憧れ、恋物語(妄想)を書いてみたりしていたのですが…。

藤原定家と式子のシーソーゲーム


うた恋いのメインキャスト、藤原定家と式子内親王の恋。道ならぬ恋の悲劇…のはずなのですが、もうバカップルです、この二人。一応時代は平安末期、政情不安なこの時期ですが、式子さまが住まいを移られたのをいいことに定家が夜中に忍んできちゃったり、シーソーゲームが続きます。

失恋が原因でぐれてしまった、清少納言のヤンキー兄貴VS藤原行成のバトル、小野篁と義理の妹、比右子との結婚のドタバタ(当時は異母兄弟の結婚はアリ)など、本編で描かれなかったエピソード満彩です。


超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2
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限定版には2015年オリジナルカレンダーつき。こちらの表紙は現代のオフィス風イラストになってます。

超訳百人一首 うた恋い。【異聞】うた変。2 限定版
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「うた恋い。和歌撰 恋いのうた。 」
「うた恋い。異聞 うた変。」
超訳百人一首 うた恋い。3
超訳百人一首 うた恋い。2
超訳百人一首 うた恋い。
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2014.09.18 Thursday

小さなメイドと女主人の日常「シャーリー2」 森 薫

森薫さんのメイド漫画の原点「シャーリー」は、13歳のメイド、シャーリーと、女主人のベネットさんの日常を描いた漫画です。

シャーリーは若いけれど優秀なメイドで、家事全般をひとりでこなし、カフェ店主として忙しいベネットさんのいい片腕となっています。

そして、今回もシャーリーが可愛らしい。時々失敗して泣きべそをかいたり、ベネットさんのハイヒールをこっそり履いてねんざをしたりと、少女らしい一面もみせてくれます。

雇い主のベネットさんは、家では天然でシャーリーのお給料を払うの忘れちゃったりするのですが、カフェでの働きぶりはなかなかのもので、財布を届けにきたシャーリーも驚くほどです。今回はそんなベネットさんの意外な面が垣間見れました。

「シャーリー」の舞台は森薫さんのメイド漫画「エマ」よりもやや時代が下がったエドワード朝で、此の頃はちょうど機械産業が発達してきた時期。また、この頃にはメイド以外の職業もいろいろあったようで、シャーリーのような小さなメイドは珍しかったそう。

長編連載の合間に短編として描かれているので、なかなか単行本化しないのが残念ですが、定期的に森薫さんのメイド漫画が読めるなはうれしいです。


シャーリー 2巻 (ビームコミックス)
森薫 KADOKAWA/エンターブレイン



「シャーリー」→
シャーリーの他にも様々なタイプのメイド漫画が収められた短編集。
シャーリー (Beam comix)
シャーリー (Beam comix)
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森 薫 エンターブレイン



森薫作品感想


森薫さんがつくる「乙嫁語り」レシピ→
「乙嫁語り5」→
「乙嫁語り4」→
「乙嫁語り3」→
「乙嫁語り2」→
「乙嫁語り1」→

言わずと知れた英国メイド物語
「エマ(外伝)」→
エマ以前のメイド物語「シャーリー」→
「森薫拾遺集」→

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2014.09.13 Saturday

宝石たちの冬 『宝石の国3』 市川 春子

遠い未来。何度も天変地異を繰り返した星には、宝石の性質をもつ「いきもの」がうまれました。

何度砕かれても死ぬことのない彼らと、彼らを狙う月人との長い戦いの物語「宝石の国」は、不器用で硬度が低い(すなわち割れやすい)主人公・フォスフォフィライトの成長と、宝石たちが暮らす不思議な世界が描かれます。

宝石の国(3)
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講談社 (2014-08-22)



冬の宝石、アンタークチサート


宝石たちの体内には、インクルージョンと呼ばれる微小生物がいて、太陽光をエネルギーとします。そのため、光の少ない冬は活動が鈍るため冬眠します。

冬の間、金剛先生とともに皆を守るのがアンタークチサート。気温が低くなると結晶化する特殊な宝石です。冬はいつも金剛先生とアンタークだけなのですが、そこへフォスが登場。前回体にいれたクオーツアゲートためか、眠くならないらしく、アンタークの冬の仕事を手伝うことになります。

アンタークチサートは、冬以外は液体化して眠っているので、他の宝石たちとあまり接点はないのですが、冬の間は金剛先生に甘え放題(^^)。今回は邪魔者(?)フォスがいましたが、手を焼きながらも面倒をみています。フォスのためっていうよりも、金剛先生のためですね。

宝石世界の謎


主人公フォスは、その好奇心と無鉄砲さで問題を起こし、前回は足を、今回は腕をなくして、新たな力を手に入れます。その代わり、今までの記憶を文字通り「削る」ことになるのですが。

今後は、なぜ、月人が宝石たちを襲うのか、宝石の世界はどうなっているかは、記憶をなくしたフォスが新たに見つけていくというかたちで説明されていきそうです。

宝石の国(2) (アフタヌーンKC)
市川 春子 講談社 (2014-01-23)


宝石の国(1) (アフタヌーンKC)
市川 春子 講談社 (2013-07-23)



宝石の国1
宝石の国2
宝石の国4
宝石の国5



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2014.07.31 Thursday

少女と戦争、甘いお菓子。「いちご戦争」 今日マチ子

思うに少女というものは、生と、性と、死に、いちばん近い存在なのではないだろうか。

少女たちは時に、「生」そのもののように美しく、子どもでもなく、大人でもないその体は、限りなくエロティックであり、ふとしたきっかけでも「死」を選びそうな危うさを合わせ持つ。

そんな少女の複雑な内面を、セリフのない絵のみで表現する漫画家・今日マチ子さんが描いた「いちご戦争」は、少女と戦争、全く異なるふたつが見事に融合し、美しく、エロティックで、グロテスクな世界が展開しています。

そこには生と性と死がつまっている。

制服を脱ぎ、カーキ色の軍服に身を包んだ少女たちの戦場には、甘いお菓子やフルーツ。

いちごは、彼女たちのはじけた血肉。
あのこのはらわたにはたくさんの赤いお菓子。
彼女たちを突き刺すのは、いちご味のポッキー。


「いちご戦争」は、今日マチ子さんの小さなスケッチブックに綴られた物語なので、単行本「いちご戦争」のサイズも、ちょうど新書くらいの大きさ。小さなメモに描かれた世界。観ていると惹きこまれて大きさを忘れます。

どうか、手にとって見て下さい。今まで観たことのないような美しく甘く、恐ろしい戦争を。

いちご戦争

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「いちご戦争」の風景は、沖縄戦をモチーフにした「COCOON」に似た風景も。「COCOON」が現実と空想の物語なら、「いちご戦争」は、空想の中の現実。

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今日マチ子作品感想


みかこさん
センネン画報
センネン画報 その2
七夕委員 星に願いを篇
COCOON
「COCOON」もうひとつの感想 サンとマユについて。

100番めの羊
JUGEMテーマ:おすすめの漫画

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2014.07.23 Wednesday

「豆腐百珍 百番勝負」 花福こざる

お花屋さんの日常や仕事を綴ったコミックエッセイ「花福日記」。その作者、花福こざるさんが今度は料理に挑戦。江戸時代のベストセラー本「豆腐百珍」を、実際に作って食べてみるという企画マンガ「豆腐百珍 百番勝負 (コミックエッセイの森)

料理を作ってたべるだけの、なんて美味しい企画…、なんて思ったら大間違い!なんと、豆腐百珍のレシピには料理本では当たり前の正確な分量も、料理のコツも書いてない!

なかには作り方さえのっていない、料理名だけの豆腐料理ってものもあるんです。(通品)

そして、なかにはどうやっても再現不可能なもの(豆腐を細長く切って結ぶとか)、ものすごく手間をかけたのに、そんなに美味しくなかったりとか、そんな料理も多々あるのです。そんな豆腐百珍に悪戦苦闘しながらも、なんとか美味しくつくろうとするござるさんの根性に拍手を贈りたいです。

豆腐百珍 百番勝負 (コミックエッセイの森)




それにしても、豆腐百珍て、もっとちゃんとした料理本かと思っていたのですが、同じような調理法が載っていたり、作り方が適当だったり、作っても美味しくなかったりと、今のレシピ本だったら苦情がくるレベルです。

それがまかり通っていたのは編集の小林さんが「江戸時代の本には編集がいないからだ」と冷静に突っ込んでいたのが面白かった。(笑)

「豆腐百珍 百番勝負」の魅力は、ただ上手に作るだけじゃなくて、工夫をしながら豆腐料理に挑むところや、こざるさんの悪戦苦闘っぷりや、歴史小話なんかもはさまれていて、料理本としてだけじゃなく、エッセイマンガとしても楽しめるところですね。

こざるさんがいろいろ試してくれたおかげで、豆腐百珍の料理法がわかったので、私も今度、豆腐料理ににチャレンジしてみようかな。


こざるさんの友人「くるねこ」の作者、くるねこ大和さんもゲスト出演。豆腐の味噌煮に挑戦しています。


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お花屋さんの仕事と草花のはなし。不思議なキャラクターたちも。
「花福日記―お花屋さんの春夏秋冬―」→
「続 花福日記 お花屋さんのあたふた毎日」→
「花福さんの戦争ごはん日誌」

花福夫妻の飼い猫、直角との日々を綴った猫マンガ
「花福ねこ日記」→

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