「ジョーカー・ゲーム」 柳 広司

2012.08.29 Wednesday

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    旧日本軍のスパイ学校・D機関を舞台にしたスパイミステリ小説「ジョーカー・ゲーム」読了。

    いやー、面白かった!痛快なミステリ仕立てのこのスパイ小説は、ドキドキハラハラしながらページをめくる手が止まりません。私の大嫌いな戦前の軍国主義的空気はほとんどなく、逆に固定概念にとらわれないことが信条のD機関は頭脳ゲームを駆使して二重三重に張り巡らされたスパイゲームを解いていきます。

    「ジョーカー・ゲーム」に収録された短編は、D機関のスパイが潜入し情報を得るものや、当初、D機関と関わりをもたない人物からの視点で語られる話など、バリエーションに富んでいて飽きさせません。

    「ジョーカー・ゲーム」


    D機関設立直後の話。陸軍から出向の佐久間の視点で語られる。親日家ゴードンを宅をスパイ容疑で家宅捜索することになった佐久間とD機関メンバー。それは彼らを陥れるための陸軍大佐・武藤の仕掛けた罠だった。証拠をつかまなければ窮地に陥るD機関のとった行動は…。

    「なにものにもとらわれない」を信条にするD機関は、憲兵隊の「盲点」をついた捜査はさすが。

    「幽霊(ゴースト)」


    用心テロ暗殺計画が発覚し、英国総領事グラハムに疑いがかかる。D機関はテイラーの職員・蒲生次郎になりすまし、グラハムの身辺を調査するが、決定的な証拠が見つからない。そこで蒲生は書斎に潜入し、証拠を探るのだが…。

    D機関メンバー側からの視点。協力者をつくるため、相手の弱点をつかみ、相手に応じて協力の内容を変化させてゆく、たくみな心理戦がすごい!

    「ロビンソン」


    英国での調査中、英国情報部に拘束されるD機関メンバーの「伊沢」。自白剤を打たれ、極秘事項である暗号文通信でニセの情報を送らされる。隙をみて逃走を試みるが、敵側のフェイクに絶体絶命の危機に。

    その時、上司の結城中佐から渡された「ロビンソン・クルーソー」の話からヒントをつかみ、再び脱出を試みる…。

    D機関では敵国諜報部員に拘束された時の対処法も伝授されており、そこには敵に明かして良い秘密と、そうでない極秘事項は脳へのインプット方法も計画的に行われる。


    「魔都」


    上海憲兵隊に配属となった本間は、上司の及川大尉から内部通告者の調査を依頼される。その時、及川大尉の自宅が爆弾テロの標的となり、調査をすすめるうちに本間は陸軍のスパイ組織・D機関が事件に関わっているのではないかと聞かされる。

    D機関のメンバーを追ううちに本間は魔都・上海の姿とそこに魅入られた人々の陰謀に巻き込まれることに…。

    「XX(ダブルエックス)」


    ドイツ人記者のダブルスパイ容疑を調査中、対象者が殺害されるという事件が起こる。担当者飛岬はスパイに「あってはならない」出来事を結城少佐へ報告と指示を仰ぐ。殺人事件の捜査という形式をとりつつも、D機関のメンバー・飛崎の過去と事件との意外な関連性を表した話。

    特に「魔都」がお気に入りです。当時の上海は「魔都」と呼ばれ、退廃的な空気に満ちた都市でした。アヘン、賭博、秘密結社、美しく怪しげな女性や少年たち…。そんな魔都の描写と、魔都に魅入られ、落ちてゆく人々の様子が描かれていて、当時の都市の雰囲気が伝わってくる。上海はD機関メンバーに似合う街です。

    魔都・上海についてはこちら
    「上海モダンの伝説」
    「上海セピアモダン」

    D機関は有名な陸軍中野学校がモデル。ちなみに小野田少尉は中野学校の分校出身。「死をもって名誉となす」よりも「生きて任務をまっとうせよ」との教育を受けていたため、生き残っても戦っていたらしい。

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    『ジョーカー・ゲーム』は2016年アニメ化、NHKのベストアニメ100で12位に選出された、原作を生かしてクオリティの高いアニメとなっています。

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    D機関シリーズ


    「ダブル・ジョーカー」→
    「パラダイス・ロスト」→
    「ラスト・ワルツ」→

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    「奇面館の殺人」 綾辻 行人

    2012.02.05 Sunday

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      館シリーズ第9弾「奇面館の殺人」読了しました。

      前作「暗黒館の殺人」のような怪奇幻想的な本格推理小説を想像していたのですが、「奇面館の殺人」は、怪奇的な要素は少なく(それでも日常を逸脱した場の設定は存在します)ミステリの「お遊び」をふんだんに盛り込んだ、「ああっ!(゚д゚)!」と叫んでしまうような結末が用意されていました。

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      「奇面館の殺人」 あらすじ


      推理作家の鹿谷門実は、自分の容貌が似通った作家・日向京助と知り合い、風変わりな依頼をうける。
      病気の自分の代わりに「ある会合」に参加して欲しいというものだった。
      その館「奇面館」が、因縁のある建築家・中村青司の手によるものだと知らされた鹿谷は身代わりを引き受け、奇面感へと向かう。
      影山逸史という資産家が主催するその会では、主人と似通った体型・似通った生年月日の人物が6人集められ、館に伝わる奇妙な仮面で、主催者・参加者共に顔を隠して対面するという、風変わりな趣向が行われる。
      しかし、これまで中村青司のつくる建築ではこれまでも数々の殺人事件が起こってきた。
      そして、今回、この奇面館でも新たな惨劇が起こることに…

      反則ギリギリのフェアプレー


      新聞の書評では「反則ギリギリのフェアプレー」と称されていたけれど、まさにそう!
      真相は、誰もが手に届く場所にあるのに、まさかと思い、スルーしてしまうものの中に隠されていました。

      綾辻さんの「館シリーズ」は、文章の細部に「ひっかけ用のヒント」と、「真相を導くヒント」を散りばめており、うまくヒントを探り当てれば真相に近づき、間違ったヒントで推理をしてしまうと、まったく違った方向に進んでしまいます。また、うまいこと「ひっかかり」を混ぜ込んでいるんだよねえ。

      また今回おもしろかったのは、アルバイトのメイドとして事件に関わることになった、大学生の新月瞳子さん。
      彼女も事件に関わっているのですが、彼女の探偵・鹿谷への印象は「普通の人の視点」なんです。

      中村青司作の館の殺人は、いつも鹿谷が強引に仕切って推理するのですが、彼女は最初、「なんでこの人が捜査をするの?」という至極まっとうな疑問を持ちます。ま、そうはいっても彼が推理しないことにはお話にならないのですが。

      ただ鹿谷は推理以外では人の心情をあまり解釈しない人間なので、たまにはうさんくさがられたり、やり込められたりすると、ちょっと痛快かも。( ̄ー ̄)

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      「十角館の殺人」→
      「水車館の殺人」→
      「迷路館の殺人」→
      「時計館の殺人」→
      「月館の殺人 上巻」→
      「月館の殺人 下巻」→

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      夏になると読み返したくなる。『くらのかみ』 小野 不由美

      2011.08.31 Wednesday

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        夏になると読み返したくなる本です。名作「十二国記」「ゴーストハント」の作者・小野不由美さんが描く子供向けの、けれど本格的なミステリ「くらのかみ」。

        古い田舎の家で、みんなと遊ぶ夏休みのワクワク感、夏が終わって帰る時の切なさなど、怪奇現象と現実が絶妙に混じり合って、不思議な夏休みの事件となっています。

        『くらのかみ』あらすじ


        耕介は、夏休みに父と一緒に田舎の大叔父の家を訪れた。この家は資産家だが子供が育たないため、子供のいる親戚を呼んであと継ぎを決めることになっていた。

        大人たちが話し合いをしている中、退屈した子供たちは蔵座敷で「四人ゲーム」を始める。真っ暗な部屋の四隅に4人ずつ座り、1人ずつ移動して隅にいる子の肩をたたく。これを順番に繰り返すと、いつの間にか1人増えているという。

        そうして明かりをつけた時、4人のはずの座敷には子供が5人いた。どうやらこの家の守り神「お蔵さま」と呼ばれる座敷わらしが混じってしまったらしい。でもみんな、どの子が座敷わらしかわからない。

        一方、座敷わらし騒動の直後、大人たちが食事の後で苦しみだした。料理に毒のある山菜「ドクゼリ」が混ざっていた。その場は事故として大人たちは処理するが、その後も沼に人魂がでたり、井戸が鳴るなどの怪異が起こる。犯人を突き止めようと耕介、梨香、真由、音弥、禅、光太の6人の子供たちは捜査を開始するが…。

        幽霊や妖怪、家にかかる行者の呪い、一見、たたりのような事故が発生しますが、実はそれにはちゃんとした犯人がいて、それを子どもたちが突き止めていく物語です。



        大人も子供も楽しめる、ホラーミステリ


        家にかかる呪い、家を守る座敷わらしといったホラー要素を含んだ上で、ミステリとしてのロジックもきっちりしています。特に座敷わらしの正体と、ドクゼリを入れた犯人の正体は、巧妙にリンクしているのです。

        物語の最後、いよいよ座敷わらしの正体がわかるのですが、特に怖い描写が書かれているわけではないのに、座敷わらしが去っていくシーンは、読んでいて背筋がぞわりとしました。

        「くらのかみ」は有名作家陣が児童〜ティーンむけに執筆した「ミステリーランドシリーズ」の1冊として書かれ、子供たちには本格的な推理が楽しめ、大人たちは、懐かしい子供のころを思いだせるシリーズです。


        ミステリーランドシリーズ
        「魔女の死んだ家」→
        「透明人間の納屋」→
        「銃とチョコレート」→

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        「モップの精と二匹のアルマジロ」 近藤 史恵

        2011.07.09 Saturday

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          キュートな清掃作業員探偵・キリコちゃんの活躍するモップの精シリーズ、「モップの精と二匹のアルマジロ」は初めての長編。今回はキリコちゃんの夫である大介くんがワトソン役で登場します。

          大介くんの出向先のオフィスビルにキリコちゃんが清掃作業員として派遣されることになったところから物語は始まります。ある日、キリコちゃんは見知らぬ女性・真琴から「夫の浮気を調べて欲しい」と懇願され、引き受けることに。調査する夫・越野友也は、同じビルの別フロアにあるシステムキッチン会社の社員で、恐ろしく美形の男性。

          同じビルということで、大介くんも調査に協力します。あまり役にはたたないですが(^^;)
          やがてキリコちゃんは友也さんが内緒で借りているマンションに残業と偽って入り浸っていることを突き止めますが、その矢先、友也さんは交通事故にあい、3年分の記憶を喪失することに…。
          出会いから結婚までをすべて忘れてしまい、動揺する真琴さん。

          身近な「夫婦の危機」に、大介くんはキリコちゃんとの結婚生活に余計な不安を掻き立てられます。
          その後、友也さんの過去、マンションの住人の正体、謎の脅迫状など、次から次と問題が噴出して…

          ミステリーというよりは大介くんとキリコちゃんが、友也さんと真琴さんの夫婦の事件を通して、結婚や夫婦の絆について、深く考えさせられるようになる物語です。

          大介くんは自分が想うより、キリコちゃんに愛されているのですが、どうしても不安になってしまうんですね。
          キリコちゃんに「恋愛感情が薄くなってる」と言われ、「えええええっ!」w( ̄Д ̄;)と、動揺してしまったり。
          (「愛情は増えている」というオチですが)

          今までのシリーズより謎解き感はやや少なめで残念ですが、それでも展開が面白くて最後までぐいぐい引っ張られていきます。

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          天使はモップを持って (文春文庫)
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          モップの精シリーズ


          「天使はモップを持って」→
          「モップの精は深夜に現れる」→
          「モップの魔女は魔法を知ってる」→
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          「モップの精は深夜に現れる」 近藤 史恵

          2011.05.25 Wednesday

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            キュートな清掃作業員キリコちゃんが、オフィスで起こる様々な問題を解決していくモップの精シリーズ第二弾「モップの精は深夜に現れる」。

            前回の最後でキリコちゃんにある変化があったため、いろいろな場所で清掃をするようになります。
            相変わらずキュートで頭の回転が早いキリコちゃんは、汚れた場所をきれいにしながらオフィスで起こる様々なトラブルを解決していきます。

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            ・悪い芽
            ソフトウェア会社の課長・栗山は最初キリコちゃんの服装に難癖を示して説教をしてしまったが、キリコちゃんの毅然とした態度に感化され、打ち解けるようになる。しかし、新しく配属された上司と新入社員にあやしい動きが。
            キリコちゃんはゴミの中身から彼らの計画を察知して栗山さんに伝えます。
            最初、説教をたれる栗山さんはあまり好きではなかったのですが、思春期の娘さんとの不仲を、キリコちゃんに相談にのってもらうところなんかは、ちょっと愛すべきお父さんといった感じで好感がもてました。

            ・鍵のない扉
            小さな編集プロダクションで働く編集者のくるみは、ある日突然社長が病死したと知らせをうける。小さなプロダクションのため社長亡き後の進退を决めなくてはならない。仲良くなったキリコから社長の死は病死ではないのではないかと告げられる。猫のアレルギーで喘息持ちの社長の体調を知っている会社に、大量の猫の毛が捨てられていて…。

            ・オーバー・ザ・レインボウ
            モデルの葵は、彼氏のケンゾーが人気モデル・サーシャとできちゃった婚をすると聞かされる。そんな彼女に追い打ちをかけるように、メール待ちをしていた屋上で閉めだされてしまう。清掃に来たキリコちゃんに助けられるものの、その後も葵への嫌がらせは続いていく。
            いったい犯人の目的は…

            ・きみに会いたいと思うこと
            こちらはキリコちゃんのおうちの話。前作の出会いで結婚したキリコちゃんの夫・大介くんはある日キリコちゃんから「一ヵ月ほど旅行に行っていい?」といわれ、もうキリコちゃんが帰ってこないのではないかと心配になり…。
            大介くんは相変わらずキリコちゃんのこととなると右往左往しちゃうのよね。(^^)
            ちょっと頼りないけれど、キリコちゃんのことを本当に大切にしてるんだよなあ。

            大介くんちでは介護が必要なおばあちゃんがいて、キリコは家事と掃除の仕事とおばあちゃんの介護を引き受けているのに、「世間様」からいろいろ文句が出るなんて、ひどいことだと思います。毎回キリコちゃんの家庭問題は、ちょっと辛辣な社会風刺がきいていて考えさせられます。


            毎回、キリコちゃんが出会う人々は、私たちと同じような悩みやストレスを抱えて働いています。そして「自分にしかできないこと」を探し求めています。実はわたしもそうです。仕事をしてると認められたいって気持ちがすごくあるけれど、実際はうまくいかない事のほうが多い。
            でも、そんな彼女たちに向けたキリコちゃんが言葉がすてきなんです。
            わたしは、自分がすきだからここにいるの。ほかに代わりがいるかもしれないけど、それでもここにいたいの。

            働くのは大変だけれど、自分の替えはいくらでもいるけれど、でも、それでもがんばっていきたいって思えますね。

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            ●モップの精シリーズ
            「天使はモップを持って」→
            「モップの魔女は魔法を知ってる」→
            「モップの精と二匹のアルマジロ」→

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            「モップの魔女は魔法を知ってる」 近藤 史恵

            2010.10.15 Friday

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              キュートな清掃作業員の女の子がオフィスで起こる事件を解決する「天使はモップを持って」の続編、「モップの魔女は魔法を知ってる」。

              前回はひとつの会社が舞台でしたが、キリコちゃんが結婚したこともあり(誰と結婚したかは前作をご覧になってください。)様々な清掃作業の場所で起こる事件を解決します。

              スポーツジムのプールで起こった火傷騒ぎや、掃除のバイトの女の子の猫がすり替えられた事件など、事件の被害者も加害者も、私たちの身近にいそうな人たち。だからこそ、読むといろいろ考えさせられます。
              特に「第二病棟の魔女」では病院の清掃中、モップをもったキリコちゃんを魔女だと思った女の子が「びょうきにしてください」と手紙を渡すんです。母親が代理ミュンヒハウゼン症候群(こどもを病気にして献身的に介護することで注目を集めたい心の病気)の傾向があるため、こどもは自分から病気にならなきゃいけないと考えてしまう。
              これは読んでいて切なくなりました。
              あとキリコちゃんにも病院で働く隠れた理由があって、それも切なかった。友人になった新米看護師さやかの「人が大丈夫って言うのは言った相手に心配してほしくないからだよ。」って言葉がぐっときました。ほんとにそうだよね。

              簡単には片付けられない、苦しいことや切ないことをなんとか片付けながら、最後にちょっとほっこりする、そんな物語でした。

              モップの魔女は呪文を知ってる (ジョイ・ノベルス)
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              天使はモップを持って (文春文庫)
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              ●近藤史恵作品感想
              自転車ロードレースを舞台にした名作
              サクリファイス→
              エデン→

              ビターな恋愛
              「スタバトマーテル」→
              「アンハッピードッグス」→

              かわいいくて切ないミステリ
              「ふたつめの月」→
              「賢者はベンチで思索する」→
              「あなたに贈るキス」→
              「天使はモップを持って」→
              「モップの精は深夜に現れる」→
              「モップの精と二匹のアルマジロ」→

              下町のシェフが解き明かすおいしそうな日常ミステリ。
              「タルト・タタンの夢」→
              「ヴァン・ショーをあなたに」→

              梨園の世界を舞台にしたミステリ
              「ねむりねずみ」→

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              ゴーストハントシリーズ復刊!

              2010.10.14 Thursday

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                小野不由美さんの名作ホラー「ゴーストハントシリーズ」。
                現在は外伝と漫画でしか読めなかった幻の原作がとうとう復刊!v(≧∇≦)v それも全編リライト!

                今までゴーストハントシリーズは、いなだ詩穂さんの漫画化やアニメ化もされてきました。そのすべてを体験して思ったのは、漫画よりも映像よりも、文章が一番リアルで、一番怖いということです。(小説>漫画>アニメの順)

                これでアマゾンでえらい値段がついているため購入に涙を飲み、図書館の閉架書庫から探し当て、ボロボロのページを抑えながら読んでいた苦労が報われるってもんです。
                第一弾『ゴーストハント1 旧校舎怪談』(旧題『悪霊がいっぱい!?』)は2010年11月19日発売予定。楽しみですねえ。

                はっ!(((( ;゜Д゜)))でも小野先生がゴーストハントで忙しくなると、ますます十二国記の続編が遠のくことになるのか…?

                ダ・ヴィンチでは単行本発売記念として『ゴーストハント1 旧校舎怪談』が掲載されています。

                ダ・ヴィンチ 2010年 11月号 [雑誌]
                メディアファクトリー (2010-10-06)


                「ゴーストハント復刊ページ(web幽)」→

                「ゴーストハント2 人形の家/放課後の呪者」→
                「ゴーストハント1 悪霊がいっぱい!?/公園の怪談」→

                「天使はモップを持って」 近藤史恵

                2010.10.13 Wednesday

                0
                  近藤史恵さんの「天使はモップを持って」は、キュートな清掃作業員の女の子がオフィスで起こる不可解な事件を解決してゆくストーリーです。

                  キュートな清掃作業員探偵の登場(うっかりワトソンつき)


                  新入社員の梶本大介は、配属されたオペレータールームで、制作した書類を紛失してしまう。落ち込む大介の前にビルの清掃作業員にしてはイメージにギャップがあるキリコが(彼女は流行りのファッションのままで掃除をこなすのだ。)無くしたはずの書類を拾ってくれた。しかし、キリコは「これを返すとまた書類がなくなることになるよ。」という。
                  そしてキリコと大介は書類紛失の犯人を探すべく調査を開始する。

                  キリコちゃんがホームズ、大介くんがワトソン役となり、オフィスで起こる不可思議な出来事の謎を解いていきます。ロッカールームになぜかひよこが現れたり
                  娘へのプレゼントであるピンクのパンダが八つ裂きになっていたりと、一見不可思議に見える事件でもキリコちゃんの洞察力と職業柄の情報収集、判断力(ゴミの分析)で、次々と解決していきます。

                  取り上げられる事件は誰しもが体験するかもしれないような人の感情であったり社会問題であったりします。ねずみ講や不倫によるトラブルも怖いと思いましたが、一番怖かったのは介護問題。
                  大介くんの母親の介護疲れから急逝してしまうのだけれど、大介くんはその後結婚した女性にまた祖母の介護を押し付ける形になるんです。そのへんが実にさらりと書かれているのが、ある意味一番怖かったなあ。もちろん大介くんはその後反省してやり直そうとするのですが。

                  天使はモップを持って (文春文庫)
                  近藤 史恵 文藝春秋 売り上げランキング: 187056

                  モップの魔女は呪文を知ってる (ジョイ・ノベルス)
                  近藤 史恵 実業之日本社 売り上げランキング: 272920


                  ●近藤史恵作品感想
                  「モップの精は深夜に現れる」→
                  「モップの魔女は魔法を知ってる」→
                  「モップの精と二匹のアルマジロ」→

                  自転車ロードレースを舞台にした名作
                  サクリファイス→
                  エデン→

                  ビターな恋愛
                  「スタバトマーテル」→
                  「アンハッピードッグス」→

                  かわいいくて切ないミステリ
                  「ふたつめの月」→
                  「賢者はベンチで思索する」→
                  「あなたに贈るキス」→

                  下町のシェフが解き明かすおいしそうな日常ミステリ。
                  「タルト・タタンの夢」→
                  「ヴァン・ショーをあなたに」→

                  梨園の世界を舞台にしたミステリ
                  「ねむりねずみ」→
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                  Story Seller (ストーリー セラー) Vol3

                  2010.08.22 Sunday

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                    「面白いお話、(またまた)売ります。」がモットーの
                    Story Seller (ストーリー セラー) Vol3」、人気作家さん達の短編小説集です。

                    ゴールよりももっと遠く
                    近藤史恵さんの名作「サクリファイス」のスピンオフ作品。自転車ロードレース「チーム・オッジ」のエース石尾、アシスト赤城の物語。レースに関してどこまでもストイックな石尾と人当たりのいい赤城。今回新興チームの八百長問題が勃発しますが、石尾はどこまでもレースに対し、誠実であろうとします。
                    その極端なまでの誠実さが読んでいて苦しくなる時があります。「サクリファイス」の結末を知っているから余計に…今回「サクリファイス」の悲劇後の赤城の近況も少し描かれていたのに読んでいてなんだかホッとしてしまいました。

                    サクリファイス (新潮文庫)
                    近藤 史恵 新潮社 売り上げランキング: 2691


                    作家的一週間
                    有川浩さん(をモデルにした?)作家の一週間の様子。
                    編集者と「陰部」の掲載解釈をめぐりメールの応酬を繰り広げるというインパクト大の冒頭から、旦那さんの夢の内容からもショートショートのネタを拾おうとする作家根性がすばらしい。(*゜▽゜ノノ゛
                    前回の「ヒトモドキ」とは真逆の、底抜けに明るい小説家の日常でした。

                    いつも「Story Seller」シリーズは、(もったいないとはいわれても)目当ての作家さんの作品しか読まないのですが、今回は湊かなえさんの「楽園」、さだまさしさんの「片恋」を読ませてもらいました。「楽園」はトンガを舞台にした物語なんですが、その裏に家族(特に母親)の恐ろしさと、それに抗おうとする娘の話が描かれています。

                    さだまさしさんの「片恋」は。テレビ制作スタッフの石橋南はある日警察から見知らぬ男性「下田」が亡くなったと連絡が入る。実は「下田」は2年前彼女を見染めそれ以来、彼女のことを追いかけていた「気弱なストーカー」だった。
                    彼は気が弱く、彼女に話しかけることもできずに苦しんでいた。
                    主人公の心情と、仕事である実際に起きた報道事件をからませて描いています。さだまさし作品は初めてだったのですが、言葉がきれいですね。今まで歌手のさだまさししか知らなかったので、今度は別の話も読んでみたい。




                    Story Seller〈2〉 (新潮文庫)
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                    「Story Seller Vol2」→

                    「ゴーストハント2」 いなだ 詩穂 小野 不由美

                    2010.03.27 Saturday

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                      霊現象を科学的に調査する渋谷サイキックリサーチ(SPR)。
                      そこの若き所長・ナルこと渋谷一也は性格悪くてナルシストのゴーストハンター。アシスタントの麻衣は、自分の学校へ調査にきたのを手伝った関係で渋谷サイキックリサーチでアルバイトをすることになった。前回顔を合わせたぼーさん、綾子、ジョン、真砂子とも、共同で事件を解決していきます。

                      ・人形の家
                      古い洋館で起こる怪奇現象を調査するSPRのメンバーたち。
                      調べてみるとその洋館ではそこに住んでいた子供たちが
                      部屋の家具がすべて逆さまにおかれたり、一連の奇怪な現象は
                      その家の娘の人形ミニーが霊を集めているらしいが、その後ろには子供を亡くした強力な力をもつ悪霊がいた…
                      浄霊と除霊など、霊の払い方にも種類があるということを初めて知りました。

                      ・放課後の呪者
                      SPRのメンバー、ぼーさんは元高野山の坊主だが、今はスタジオミュージシャン。今回はぼーさんの追っかけの女の子から学校で起こっている怪奇現象について調査を依頼されます。ある席に座った生徒たちが次々と事故や病気に見舞われる怪事件。
                      調査を開始したナルたちの前に、事件のカギをにぎる生徒・笠井千秋が現れます。彼女はESPの能力を持ち、それがもとで教師たちから厳しい追及を受けている。彼女の味方は生物の教師・産砂だけ。
                      調査を進めるうち、学校で起こる事件の原因は霊ではなく「呪詛」であることをつきとめるが…

                      霊能力者は超能力者でもあるという解釈は斬新で衝撃的でした。超能力を霊への対策にシフトさせたのが霊能力ということで、もともとの能力は同じなんですね。
                      物語のラストで実は麻衣にも一種の超能力があることがわかります。ただ、半覚醒(寝入りっぱな)でないと役に立たない能力ですが…

                      ゴーストハント (2) (講談社漫画文庫)
                      ゴーストハント (2) (講談社漫画文庫)

                      悪霊がホントにいっぱい! (講談社X文庫―ティーンズハート)
                      悪霊がホントにいっぱい! (講談社X文庫―ティーンズハート)

                      悪霊がいっぱいで眠れない (講談社X文庫―ティーンズハート)
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