2010.10.14 Thursday

ゴーストハントシリーズ復刊!

小野不由美さんの名作ホラー「ゴーストハントシリーズ」。
現在は外伝と漫画でしか読めなかった幻の原作がとうとう復刊!v(≧∇≦)v それも全編リライト!

今までゴーストハントシリーズは、いなだ詩穂さんの漫画化やアニメ化もされてきました。そのすべてを体験して思ったのは、漫画よりも映像よりも、文章が一番リアルで、一番怖いということです。(小説>漫画>アニメの順)

これでアマゾンでえらい値段がついているため購入に涙を飲み、図書館の閉架書庫から探し当て、ボロボロのページを抑えながら読んでいた苦労が報われるってもんです。
第一弾『ゴーストハント1 旧校舎怪談』(旧題『悪霊がいっぱい!?』)は2010年11月19日発売予定。楽しみですねえ。

はっ!(((( ;゜Д゜)))でも小野先生がゴーストハントで忙しくなると、ますます十二国記の続編が遠のくことになるのか…?

ダ・ヴィンチでは単行本発売記念として『ゴーストハント1 旧校舎怪談』が掲載されています。

ダ・ヴィンチ 2010年 11月号 [雑誌]
メディアファクトリー (2010-10-06)


「ゴーストハント復刊ページ(web幽)」→

「ゴーストハント2 人形の家/放課後の呪者」→
「ゴーストハント1 悪霊がいっぱい!?/公園の怪談」→

2010.10.13 Wednesday

「天使はモップを持って」 近藤史恵

近藤史恵さんの「天使はモップを持って」は、キュートな清掃作業員の女の子がオフィスで起こる不可解な事件を解決してゆくストーリーです。

キュートな清掃作業員探偵の登場(うっかりワトソンつき)


新入社員の梶本大介は、配属されたオペレータールームで、制作した書類を紛失してしまう。落ち込む大介の前にビルの清掃作業員にしてはイメージにギャップがあるキリコが(彼女は流行りのファッションのままで掃除をこなすのだ。)無くしたはずの書類を拾ってくれた。しかし、キリコは「これを返すとまた書類がなくなることになるよ。」という。
そしてキリコと大介は書類紛失の犯人を探すべく調査を開始する。

キリコちゃんがホームズ、大介くんがワトソン役となり、オフィスで起こる不可思議な出来事の謎を解いていきます。ロッカールームになぜかひよこが現れたり
娘へのプレゼントであるピンクのパンダが八つ裂きになっていたりと、一見不可思議に見える事件でもキリコちゃんの洞察力と職業柄の情報収集、判断力(ゴミの分析)で、次々と解決していきます。

取り上げられる事件は誰しもが体験するかもしれないような人の感情であったり社会問題であったりします。ねずみ講や不倫によるトラブルも怖いと思いましたが、一番怖かったのは介護問題。
大介くんの母親の介護疲れから急逝してしまうのだけれど、大介くんはその後結婚した女性にまた祖母の介護を押し付ける形になるんです。そのへんが実にさらりと書かれているのが、ある意味一番怖かったなあ。もちろん大介くんはその後反省してやり直そうとするのですが。

天使はモップを持って (文春文庫)
近藤 史恵 文藝春秋 売り上げランキング: 187056

モップの魔女は呪文を知ってる (ジョイ・ノベルス)
近藤 史恵 実業之日本社 売り上げランキング: 272920


●近藤史恵作品感想
「モップの精は深夜に現れる」→
「モップの魔女は魔法を知ってる」→
「モップの精と二匹のアルマジロ」→

自転車ロードレースを舞台にした名作
サクリファイス→
エデン→

ビターな恋愛
「スタバトマーテル」→
「アンハッピードッグス」→

かわいいくて切ないミステリ
「ふたつめの月」→
「賢者はベンチで思索する」→
「あなたに贈るキス」→

下町のシェフが解き明かすおいしそうな日常ミステリ。
「タルト・タタンの夢」→
「ヴァン・ショーをあなたに」→

梨園の世界を舞台にしたミステリ
「ねむりねずみ」→
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2010.08.22 Sunday

Story Seller (ストーリー セラー) Vol3

「面白いお話、(またまた)売ります。」がモットーの
Story Seller (ストーリー セラー) Vol3」、人気作家さん達の短編小説集です。

ゴールよりももっと遠く
近藤史恵さんの名作「サクリファイス」のスピンオフ作品。自転車ロードレース「チーム・オッジ」のエース石尾、アシスト赤城の物語。レースに関してどこまでもストイックな石尾と人当たりのいい赤城。今回新興チームの八百長問題が勃発しますが、石尾はどこまでもレースに対し、誠実であろうとします。
その極端なまでの誠実さが読んでいて苦しくなる時があります。「サクリファイス」の結末を知っているから余計に…今回「サクリファイス」の悲劇後の赤城の近況も少し描かれていたのに読んでいてなんだかホッとしてしまいました。

サクリファイス (新潮文庫)
近藤 史恵 新潮社 売り上げランキング: 2691


作家的一週間
有川浩さん(をモデルにした?)作家の一週間の様子。
編集者と「陰部」の掲載解釈をめぐりメールの応酬を繰り広げるというインパクト大の冒頭から、旦那さんの夢の内容からもショートショートのネタを拾おうとする作家根性がすばらしい。(*゜▽゜ノノ゛
前回の「ヒトモドキ」とは真逆の、底抜けに明るい小説家の日常でした。

いつも「Story Seller」シリーズは、(もったいないとはいわれても)目当ての作家さんの作品しか読まないのですが、今回は湊かなえさんの「楽園」、さだまさしさんの「片恋」を読ませてもらいました。「楽園」はトンガを舞台にした物語なんですが、その裏に家族(特に母親)の恐ろしさと、それに抗おうとする娘の話が描かれています。

さだまさしさんの「片恋」は。テレビ制作スタッフの石橋南はある日警察から見知らぬ男性「下田」が亡くなったと連絡が入る。実は「下田」は2年前彼女を見染めそれ以来、彼女のことを追いかけていた「気弱なストーカー」だった。
彼は気が弱く、彼女に話しかけることもできずに苦しんでいた。
主人公の心情と、仕事である実際に起きた報道事件をからませて描いています。さだまさし作品は初めてだったのですが、言葉がきれいですね。今まで歌手のさだまさししか知らなかったので、今度は別の話も読んでみたい。




Story Seller〈2〉 (新潮文庫)
新潮社 売り上げランキング: 22896



「Story Seller Vol2」→

2010.03.27 Saturday

「ゴーストハント2」 いなだ 詩穂 小野 不由美

霊現象を科学的に調査する渋谷サイキックリサーチ(SPR)。
そこの若き所長・ナルこと渋谷一也は性格悪くてナルシストのゴーストハンター。アシスタントの麻衣は、自分の学校へ調査にきたのを手伝った関係で渋谷サイキックリサーチでアルバイトをすることになった。前回顔を合わせたぼーさん、綾子、ジョン、真砂子とも、共同で事件を解決していきます。

・人形の家
古い洋館で起こる怪奇現象を調査するSPRのメンバーたち。
調べてみるとその洋館ではそこに住んでいた子供たちが
部屋の家具がすべて逆さまにおかれたり、一連の奇怪な現象は
その家の娘の人形ミニーが霊を集めているらしいが、その後ろには子供を亡くした強力な力をもつ悪霊がいた…
浄霊と除霊など、霊の払い方にも種類があるということを初めて知りました。

・放課後の呪者
SPRのメンバー、ぼーさんは元高野山の坊主だが、今はスタジオミュージシャン。今回はぼーさんの追っかけの女の子から学校で起こっている怪奇現象について調査を依頼されます。ある席に座った生徒たちが次々と事故や病気に見舞われる怪事件。
調査を開始したナルたちの前に、事件のカギをにぎる生徒・笠井千秋が現れます。彼女はESPの能力を持ち、それがもとで教師たちから厳しい追及を受けている。彼女の味方は生物の教師・産砂だけ。
調査を進めるうち、学校で起こる事件の原因は霊ではなく「呪詛」であることをつきとめるが…

霊能力者は超能力者でもあるという解釈は斬新で衝撃的でした。超能力を霊への対策にシフトさせたのが霊能力ということで、もともとの能力は同じなんですね。
物語のラストで実は麻衣にも一種の超能力があることがわかります。ただ、半覚醒(寝入りっぱな)でないと役に立たない能力ですが…

ゴーストハント (2) (講談社漫画文庫)
ゴーストハント (2) (講談社漫画文庫)

悪霊がホントにいっぱい! (講談社X文庫―ティーンズハート)
悪霊がホントにいっぱい! (講談社X文庫―ティーンズハート)

悪霊がいっぱいで眠れない (講談社X文庫―ティーンズハート)
悪霊がいっぱいで眠れない (講談社X文庫―ティーンズハート)

ゴーストハント1→

2010.02.04 Thursday

映画とは決定的に違う原作 「太陽がいっぱい」 パトリシア・ハイスミス

金城一紀さんの「映画篇」を読むまで、映画「太陽がいっぱい」に原作があって、それが映画の内容とずいぶん異なるということを知りませんでした。今回はパトリシア・ハイスミスによる原作「太陽がいっぱい (河出文庫)」の感想です。

太陽がいっぱい あらすじ


ニューヨークに住む貧しい青年トム・リプリーは、イタリアに滞在中の友人リチャード(ディッキー)・グリーンリーフを呼び戻すよう、ディッキーの父親から依頼される。イタリアの小さな村・モンジベロでディッキーと再会したトムは、生来の人懐こさからディッキーに取り入り、一緒に暮らすようになるが、やがて彼はディッキーを殺し、その死体を海に沈める。いつ犯罪が発覚するかという恐怖にさいなまれながらもトムはちゃくちゃくと隠ぺい工作をはかり、完全犯罪を画策する…

映画とは決定的に違う原作


内容が映画とかなりちがうのには驚きました。物語の骨組みは同じだけれど、出来上がりはまるでちがう。映画の「太陽がいっぱい」はルネ・クレマン監督のオリジナルのストーリーといってもいいかもしれない。

殺人現場も殺人方法も動機もちがう。映画では主人公のトムはディッキー(フィリップ)の金と恋人を手に入れるために完全犯罪を企てますが、原作ではディッキーをめぐってマージ(マルジュ)とトムが敵対関係にあり、ディッキーの心がトムから離れていくことが犯行の一因となっています。

ただ物語が無駄に長く、目立ったトリックもないため少々退屈。映画との違いを楽しむ分にはいいかもしれませんが。なにせあの有名なラストもまったく違いますからね。

リプリーが登場する小説はシリーズ化されているらしい。
太陽がいっぱい (河出文庫)
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太陽がいっぱい [DVD]
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・映画「太陽がいっぱい」→
JUGEMテーマ:ミステリ


2010.01.23 Saturday

「ねむりねずみ」 近藤 史恵

ねむりねずみ」は歌舞伎(梨園)の世界を舞台にしたミステリ小説。
歌舞伎の演目のように一幕目、二幕目とそれぞれに趣向が変わり、最後の幕ですべての謎が明らかにされてゆきます。

一幕目は歌舞伎界の御曹司・女形の中村銀弥はある時から「ことばを忘れる」病にかかり、つぎつぎと言葉を忘れてゆく。銀弥の妻、一子は彼を心配して気遣うが、彼女には別に恋人がいて…

二幕目は一転して歌舞伎の舞台中に起こった殺人事件を探偵・今泉文吾と彼の友人で大部屋の女形、瀬川小菊が事件の真相を調査する。殺された人物は中村銀弥の相手役・小川半四郎の婚約者だったため、犯人は当初、劇場関係者とみられていたが…

三幕目ですべての謎が解ける。関係者が一同に会して、探偵が事件の真相を語る。

ミステリのトリックや展開は目新しいものではありませんし、「死体のでき方」についても本当に劇場でそんなことができるのかいな?とちょっと疑問点はあるのですが、「梨園」という芸に生きる特殊な世界の、光と影が映し出されたようなお話は興味深かったです。芝居の世界とその芸を極めることを第一とするならば、たとえどんな犠牲をはらっても構わないという生き方にはあこがれもするし、「怖さ」も感じます。

悲劇的な展開の中で、唯一明るく魅力的なのは、御曹司の女形でも主役の役者でもなくて大部屋の女形小菊さんです。
わたしはこの人が登場人物の中で一番好きです。精進のために常に女言葉を使い、たとえ端役でも舞台を支えるというプライドをもって演じている。
今泉の助手、山本くんが「家柄で主役が決まるのは不公平だな」とぼやくと、「じゃあ他の世の中は公平かい?」と切り返すセリフが潔くてかっこよかった。

今度歌舞伎を見に行くことがあったら、主役たちを支える、こういう役者さんたちに目が行ってしまうだろうな。

ねむりねずみ (創元推理文庫)
近藤 史恵 東京創元社 売り上げランキング: 228505


●近藤史恵作品感想
自転車ロードレースを舞台にした名作
サクリファイス→
エデン→

ビターな恋愛
「スタバトマーテル」→
「アンハッピードッグス」→

かわいいくて切ないミステリ
「ふたつめの月」→
「賢者はベンチで思索する」→
「あなたに贈るキス」→
「天使はモップを持って」→
「モップの魔女は魔法を知ってる」→

下町のシェフが解き明かすおいしそうな日常ミステリ。
「タルト・タタンの夢」→
「ヴァン・ショーをあなたに」→

梨園の世界を舞台にしたミステリ
「ねむりねずみ」→

2009.12.23 Wednesday

本当は怖い、母性のはなし。「スタバトマーテル」 近藤 史恵

慈愛に満ちた聖母を讃える歌「スタバトマーテル」これは私が今まで読んだ本の中でも結構「怖い」物語だと思います。母親の持つ母性は、神様から与えられた中で一番純粋で強い力だとおもう。普通の母親はそれで子供を守り、慈しむ。けれどもし、その強い母性が「歪んで」いるとしたら…

スタバトマーテル あらすじ


りり子は才能をもちながらもある理由から声楽家の道をあきらめ、芸術大学の声楽科の助手に甘んじている。あるとき、代理で歌った「スタバトマーテル」が縁で、美術科の講師である版画家・瀧本大地と出会う。人前で極度に緊張して歌えなくなるりり子を大地は「神様のための声だ」と讃える。

お互いにひかれあうふたりだが、大地の母親・瑞穂は異様なまでに大地に執着し、二人の仲を裂こうとする。りり子は暴漢に襲われたり、無言電話が続いたりと数々の嫌がらせを受けるけれど、気の強いりり子はひるまずに大地を愛し続けるのだが、大地の母親・瑞穂の失明の原因が大地への角膜移植だと聞かされる。歪んでしまった母をもつ者に救いの道はあるのか…


母性の恐ろしさ


りり子と大地の恋の始まりは読んでいてもわくわくするし、美しい歌声や、版画の表現もすばらしいんだけれど、やはりこの作品で一番感じるのは「怖さ」ですね。

とにかくもう「母親」の子供に対する粘着質な執着が恐ろしくて。じわじわと締められていく感じ。作中「母親」が「あの子は私が産んだ。だからわたしのものだ。」と当然のように言うのが本当に怖いんです。ホラー映画なら映画を見るのをやめればいいし、幽霊に悩まされたら霊媒師を頼めばいい。
けれど「恐怖」がいちばん身近な愛すべき存在からだったとしたら、もう一生呪縛から逃れられないんですよ。

物語のラスト。それが今後「希望」になるのか、「恐怖」になるのかわからないけれど、執着ではなく、愛情であってほしいと思いました。でもあの展開だったら十数年後にまた「母性」の因果が復活しそう…

近藤史恵さんの作品はどれを読んでもはずれがない。

スタバトマーテル (中公文庫)
近藤 史恵
中央公論新社
売り上げランキング: 874,933



ドヴォルザーク:スターバト・マーテル
クーベリック(ラファエル) マティス(エディット) モリソン(エルジー) レイノルズ(アンナ) トーマス(マジョリー) オフマン(ヴィエスワフ) ウィッチュ(ピーター) シャーリー=カーク(ジョン) コーン(カール・クリスティアン) バイエルン放送合唱団
ユニバーサル ミュージック クラシック (2005-09-21)
売り上げランキング: 4,675



●近藤史恵作品感想
自転車ロードレースを舞台にした名作
サクリファイス→
エデン→

ビターな恋愛
「アンハッピードッグス」→

かわいいくて切ないミステリ
「ふたつめの月」→
「賢者はベンチで思索する」→
「あなたに贈るキス」→
「天使はモップを持って」→
「モップの魔女は魔法を知ってる」→

下町のシェフが解き明かすおいしそうな日常ミステリ。
「タルト・タタンの夢」→
「ヴァン・ショーをあなたに」→

梨園の世界を舞台にしたミステリ
「ねむりねずみ」→
JUGEMテーマ:オススメの本

レビューポータル「MONO-PORTAL」

2009.12.13 Sunday

「京都魔界地図」 綾辻 行人 京都魔界倶楽部

京都は有名な寺社の多い雅な都ですが、それらの多くは、怨霊やたたりなどを鎮めるためのものだということをご存知でしょうか。

京都魔界地図」は、京都各地に存在する寺や神社にまつわる伝説を歴史的な視点から考察した京都の「裏」ガイドブックと言えるかもしれません。

ただし、変にオカルトに走るのではなくあくまで歴史が伝える伝説に即した京都案内となっています。

京都はその設立からして恨みやたたりが付きまとった都市です。
平安京を作った桓武天皇は最初、長岡京に都を遷すものの、謀反の罪で殺された弟・早良親王の怨霊に悩まされ、とうとう10年足らずで平安京に遷ることになります。

平安京は設立当初から怨霊やたたり対策として風水や五行思想が取り入れられた都市設計がおこなわれたのだとか。

綾辻行人さんの京都を舞台にした不思議なホラー作品「深泥丘奇談」も収録。地蔵盆に関する地元の伝説にまつわるお話です。


京都魔界地図
京都魔界地図
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綾辻 行人 京都魔界倶楽部 PHP研究所 売り上げランキング: 93105

深泥丘奇談 (幽BOOKS)
深泥丘奇談 (幽BOOKS)
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綾辻行人 メディアファクトリー 売り上げランキング: 21255



こちらは江戸の魔界地図「平将門魔方陣」→

レビューポータル「MONO-PORTAL」

2009.11.21 Saturday

「容疑者Xの献身」 東野 圭吾

いまさらですが「容疑者Xの献身」を読みました。今まで読んだ(といっても大した冊数ではないけれど)東野作品の中で一番好きかも。
今まで読んだガリレオシリーズは、犯人も被害者も自己中でわがままなタイプが多くて、推理以外はあまり共感も感動もなかったのだけれど「容疑者Xの献身」は推理小説の形をとりながら、無償の愛や友情が描かれて、素直に物語に入り込めて楽しめました。また、天才数学者・石神の仕掛けたトリックも秀逸で、推理小説としても面白かった。さすがは直木賞受賞作。

でも、容疑者Xこと天才数学者・石神が無償の愛を注ぐ女性・靖子さんはちょっとふらふらしているんだよなあ。
石神に感謝しつつも、言いよってきた工藤と娘を残してごはんを食べにいっちゃうし。普通あんなことが起こったあとに中学生の娘を一人きりにさせるのはどうなんだろう。彼女が一番の当事者なのに、事件からもっとも離れた場所にいたような気がします。
だから最後あんなことになっちゃうんだよ…(´Д`)=3

容疑者Xの献身 (文春文庫)
東野 圭吾 文藝春秋 売り上げランキング: 1086


容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]
ポニーキャニオン (2009-03-18)売り上げランキング: 1223


映画 容疑者Xの献身→
「ゲームの名は誘拐」→
「容疑者Xの献身」→
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」→

JUGEMテーマ:ミステリ

2009.10.11 Sunday

「重力ピエロ」 伊坂 幸太郎

伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」を読みました。
遺伝子関連の会社につとめる泉水、その弟の春。
仙台市内に頻発する放火事件。
その放火現場には必ず落書きが描かれている。
落書きに描かれた言葉の意味を探るうち、放火事件の真相を突き止めることになるが…

読んでみてまず印象に残ったのは独特で印象深いセリフ。
特に春と泉水、二人の兄弟の父はその言葉で家族の危機を何度も救ってくれるのです。
「俺達は最強の家族だ」
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」

弟・春は、生まれながらにして重い遺伝子の十字架を課せられていて、それと闘うために様々な知識をみにつけていく。
「自分は何者なのか」を突きつけられて、戦いをいどむのは「GO」の杉原に似ていますね。

「重力ピエロ」はかなり重いテーマです。春は昔母親が○○○
(書くのもムカつく言葉なので伏せ字)され、できた子供です。
でも家族は全員、強い絆で結ばれています。
しかし、どうしても○○○犯の遺伝子上の「父親」の存在が春に大きくのしかかっていて、そいつがまた反省もせずに反吐がでるような人生を送っている。最後に春はその「父親」と対峙しますが、彼の判断は正しかったと私は思います。

重力ピエロ
重力ピエロ
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伊坂 幸太郎 新潮社 売り上げランキング: 15975

重力ピエロ 特別版 [DVD]
角川エンタテインメント (2009-10-23)売り上げランキング: 202


●伊坂 幸太郎作品
バイバイ、ブラックバード→
陽気なギャングが地球を回す→
JUGEMテーマ:ミステリ


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