「漢方小説」 中島たい子

2008.08.04 Monday

0
    牛くんの母さんのブログの紹介で興味をひかれて、中島たい子さんの「漢方小説」読んでみました。
    漢方を通じて人生の生き方…というのは大げさだけれど、
    日々を生きていく心構えみたいなものを教えてくれる本でした。

    主人公は31歳の女性ライター、みのりは
    昔の彼氏が結婚するショックから体調を崩してしまう。
    病院を当たってみるが原因は不明。
    何件も医者を巡り、行きついた先が昔通っていた漢方医。
    漢方のイメージに似つかわしくない、若い漢方医に
    ひそかに思いをよせながら、みのりは徐々に体と心のバランスを整えてゆく。

    ・個性豊かな人々
    物語の主軸は漢方なのですが、それ以外にも登場する面々が個性的でストーリーに面白みを加えてくれています。

    ・タイタニックを「船というモンスターが次々と人を襲う話」と説明する天然の志保さん。
    ・幽霊飲み仲間のサッちゃんは必ずラスト主人公が牧場に暮らすシナリオ書く(でもおもしろいらしい)
    ・ヘタな手品にはまっていて、会うと必ずみのりを実験台にする大家さん。でもいつも縄抜けは悲惨な結果に。
    ・普段淡白な食事なのに、とつぜん午後3時に衝動的にエビチリを作って食べる主人公の母親。
    食べたくなったら時間を関係なく食べたいときに食べたいものを食べる母親に「なんでこの人が病気にならず、私が病気になるのか」とみのりは嘆くけど、自分の欲求にあわせて食べたほうが精神的にもいいのかもしれない。食べたいものは体が欲するものらしいので。

    ・自分の体に起きたことは
    お医者様とはいえ病気にかからないわけじゃない。
    漢方の先生の後頭部には10円ハゲができている。
    みのりがそれを指摘すると先生はこんなことを言う。
    自分が生み出す変化ですから、自分の一部でもあるわけです。

    このセリフには、ちょっとやられました。
    実はわたしもちょっと持病があったので。

    ふつう人間て病気をすると不安になるし、早くその不安のもとをなくしてしまいたくて焦る。でも病気も自分の体が起こした「変化」なんですよね。
    決して望んではいない「変化」でも、医者任せにせず、自分の体に起こったことを客観的に見つめていければいいな。

    漢方小説 (集英社文庫 な 45-1) (集英社文庫 な 45-1)
    中島 たい子 集英社 売り上げランキング: 57632

    JUGEMテーマ:読書感想文


    実は大人向けのラブストーリー。『続あしながおじさん』 ジーン・ウェブスター

    2008.07.25 Friday

    0
      「あしながおじさん」は知っていても、「続あしながおじさん (新潮文庫)」の存在を知らない人は多いのではないでしょうか?

      「続あしながおじさん」は、「あしながおじさん」の主人公ジュディの親友・サリーがジュデイの育ったジョン・グリア孤児院の院長となり、物語はサリーのジュディへの手紙形式で描かれます。
      主人公・サリーの仕事と自立をテーマにした孤児院での奮闘が中心ですが、実はラブストーリーでもあります。


      「続あしながおじさん」あらすじ


      評議員のジャービス(あしながおじさん)に促され、新しくジョン・グリア孤児院の院長になったサリー。ジャービスに預かった改革資金で食堂を明るく改装したり、お金の存在を知らない子供たちに買い物を経験させたり、ジュディが大嫌いだったギンガムチェックの服を追放したり様々な改革を行います。

      南の島へ行ってしまったペンデルトン夫妻(この時点でジュディとジャービスは結婚しています。)の変わりにサリー院長のパートナーとなるのは陰気なドクター、ロビン・マックレイ先生。ことあるごとに対立するこの陰気なドクターにサリーは「Dear Enemyーわが敵さま」とあだ名をつけてからかいます。
      (Dear Enemyーわが敵さまは、続あしながおじさんの原題)

      しかし孤児院の仕事で一緒にいる時間が多くなると、ドクターが意外にも文学好きなことや、人をひきつける面を持っていることに気づきはじめます。

      「あしながおじさん」を昭和初期の日本に舞台をうつした勝田文さんの漫画「Daddy Long legs」。あしながおじさん側の視点から描かれます。登場人物は原作の名前をもじった日本名があてられていて、ジュディは樹、サリーはさえちゃんと呼ばれています。勝田文さんのさえちゃんを主人公にした「続あしながおじさん」の漫画も読んでみたいです。




      ツンデレ医師と若手政治家との三角関係っ…!


      けれど、サリーにはゴルドン・ハロックというちょっと自意識過剰な政治家の恋人がおりまして、ある日ゴルドンは孤児院をやめてすぐにでも結婚してほしいと性急なプロポーズをするのですが、玄関先で人の目を気にしたサリーはプロポーズをごまかそうとします。

      それを「NO」ととったゴルドンは、ドクターのせいだと勘ぐり、彼の悪口をまくし立てるとサリーは売り言葉に買い言葉で「ドクターのことなどちっとも好きではない!」と言ってしまいます。すると運悪くその場面にドクターが…。

      ずいぶんと昔の小説なのに、三角関係のドラマのような展開です。このあと2人はどうなるかというと…

      ドクターは何事もなかったようにサリーに接するんですが、ある日、孤児院から働きに出していた子供・トーマスがアルコール中毒になって帰ってくる事件が起こります。

      サリーはすぐにドクターを呼び、夜通しトーマスの看病に当ります。症状が安定した後、今までの感情が一気に吐き出されたようにドクターがサリーを抱きしめ、
      ああ、サリー、あなたは私が鉄でできているとでも思っているですか?

      キャー!(〃∇〃)

      実はドクター、ずっとサリーのことを思っていたのです。でも、ドクターにはいろいろな悲しい出来事があって自分から好きだなんていえなかったのでしょう。ましてやゴルドンみたいな彼氏つきですし。

      そんな不器用なドクターが始めてみせた愛情。この言葉を振り絞るためにどれだけ勇気がいったのでしょう。。

      でも、翌日はまたいつもの陰気なドクターとしてサリーに接するというツンデレっぷりですが。このまま少しずつ二人の距離が近づいていくのかと思いきや、大事件が発生します。ジョン・グリア孤児院が火事に!

      幸いほとんどの子供たちが無事でしたが、たったひとり取り残された女の子を救うため、ドクターは火の中へ飛び込んでしまうのです…果たしてドクターの運命は…

      ちなみに、わたしの想像するDr.ロビン・マックレイはアラン・リックマン(というかスネイプ教授)です。似ているんですよ雰囲気が。残念ながらアラン・リックマンもう亡くなられてしまい、実現できませんが…(´;ω;`)



      孤児院の厳しい現実


      ラブストーリーに隠れてしまいましたが(いやこっちが本筋なのだけど)、20世紀初頭のアメリカの孤児院事情にも触れられています。「あしながおじさん」ではジュディは大学に行けましたが、孤児院は高校を卒業したら何の社会訓練も行われぬままに世間に放り出されることになるのです。

      サリーは、外の世界を知らない子どもたちのために、買い物で金銭感覚を養ったり、院内の服を子どもたちにつくらせ、裁縫の腕を磨かせたり、卒業した子どもたちのと様々な改革を行います。


      この孤児院の実情、100年前の話と思っていたら大間違いです。児童養護施設を舞台にした有川浩先生の「明日の子どもたち」を読むと、現代の日本でも、高校を卒業したら(高校進学しなければ中学卒業時点で)養護施設をでなければならないのだそうです。

      明日の子供たち (幻冬舎文庫)

      中古価格
      ¥434から
      (2018/6/2 21:06時点)





      「あしながおじさん」
      日本を舞台に漫画化されたあしながおじさん「Daddy Long legs」→
      ・ジーン・ウェブスターの初期作品おちゃめなパッティ→

      レビューポータル「MONO-PORTAL」

      「対話篇」 金城一紀

      2008.07.10 Thursday

      0
        初めて金城一紀を読みました。「対話篇」。
        この作品を読んで感じたのは「はかなさ」と「切なさ」と「静けさ」でしょうか。
        3編とも恋愛を扱っているものの、どの作品にも死の影がつきまとうストーリーでした。

        「恋愛小説」では、自分が親しくなる人間がかならず死んでしまう運命を持った男性の恋人との思い出が静かに語られる。


        「永遠の円環」では、末期がんにおかされた主人公が
        自殺した恋人のために殺人を企てる。
        共犯者をさがす主人公の前に、ある日Kという人物が現れる。


        「花」では脳に動脈瘤を持ち、常に死の不安にさいなまれる主人公の元に、風変わりなアルバイトの依頼がくる。
        有名な弁護士とともに鹿児島まで高速を使わない旅の
        ドライバーを引き受けることだった。
        やがて彼は弁護士の旅の目的を知る。
        彼の別れた妻が残した遺品を引き取るため、昔妻と旅した行程をさかのぼって、彼女の記憶をとりもどそうとするためだった。



        今回、初の金城一紀作品だったのですが、
        ときおり、心にするりと入り込んでくる美しいことばが印象的でした。

        本当に大切な事柄は、言葉にしてはいけないのだ。
        身体という容れものの中でひっそりと眠らせておかなくてはならない。


        本当にそのとおりだと思いました。
        私もうまく言葉にできないのだけど、金城さんの文章が自分の
        中にあったイメージを形にして見せてくれた感じがします。

        読んでからしばらくしてから、ストーリーの断片がじわじわと押し寄せてきて、また読んでみたくなる。そんな小説でした。

        対話篇
        対話篇
        posted with amazlet at 08.07.10
        金城 一紀 講談社 売り上げランキング: 112776


        ●ザ・ゾンビーズシリーズ
        ザ・ゾンビーズ最初の冒険譚 ・レヴォリューション No.0→
        レヴォリューション No.3→
        ここからゾンビーズの冒険がはじまります。
        フライ,ダディ,フライ→朴舜臣と中年サラリーマンの奇妙な師弟関係。
        SPEED→
        ゾンビーズと一緒に冒険する女の子が主人公の物語。

        ●その他の金城作品
        GO→
        映画篇→
        JUGEMテーマ:恋愛小説

        「ラブコメ今昔」 有川 浩

        2008.07.06 Sunday

        0
          ラブコメ今昔」を読むと、自衛官と恋をしたくなる(かな?)
          クジラの彼」に続く、自衛官のベタ甘ラブコメ小説。オタクな自衛官と勝気な女の子との恋、ややナルシスト広報官とテレビスタッフとの恋、ベテラン幹部の若き日の恋など、今回も切なさと甘さとドキドキ満載のお話です。
          ただ、今回は甘いだけでなくて上司の娘さんとの秘密の恋や自衛官の離婚問題など、厳しい恋愛事情などもあり、ちょっとビターな感じです。

          ラブコメ今昔 (角川文庫)

          中古価格
          ¥1から
          (2018/6/19 00:03時点)




          有川先生の作品に出会うまで、私にとっての自衛隊のイメージは「こわいもの」でした。
          それはたぶん、私が自衛隊と旧日本軍を同じような組織ではないかと、えらく間違った認識をしていたからだと思います。

          自衛隊に関しても(旧日本軍と)同じように武器を持つ集団として近いイメージを抱いていました。ごめんなさい。
          自衛官たちは、人を傷つけるより、人を救うための任務を背負い、誇りを持っている。
          しかし、一旦任務に入るとなかなか帰れないし、当然命の危険もつきまとう。

          「ラブコメ今昔」の中では現代の自衛官達の思いというか、
          信念が伝わってくるセリフがありました。またこれがかっこいいんだ。(^^)

          −「ラブコメ今昔」より
          君も幹部たらんとするなら有事を架空の想定にするのはやめなさい


          −「軍事とオタクと彼」より
          いざというとき、自分の周りに自分より弱っている人がいたらその人を助けろって教育を受けてるんです。


          −「広報官、走る!」より
          見失ったらそれこそ国民の安全にかかわります。そんなときに恐いとか考えるスキマなんかないですよ、脳の中に。


          彼らの中には常に「有事」に関する覚悟があるのだなと。
          物語中の自衛官の意識の高さというか、任務への真摯な態度に純粋に感動しました。
          そんな自衛官たちを支える奥様方、恋人たちの存在が彼らの元気の素なんだろうなあ。

          特殊な職業とはいえ、恋をしたり結婚したりは普通の人々と全然変わらないんですよねぇ。(^^)そんな自衛官達の普通(?)の恋物語はやっぱり読んでいて楽しいです。いつか、今井雅之さんやフルポンの亘くんなど、自衛隊経験のある方たちで「ラブコメ今昔」をドラマ化してほしいなあと、ひそかに思っています。

          クジラの彼 (角川文庫)
          有川 浩 角川書店(角川グループパブリッシング) 売り上げランキング: 2460



          有川作品感想
          旅猫リポート
          ほっと文庫 「ゆず、香る」
          クジラの彼

          阪急電車
          海の底
          空の中
          レインツリーの国
          三匹のおっさんふたたび
          三匹のおっさん

          キケン
          ヒア・カムズ・ザ・サン
          シアター!
          シアター2!

          フリーター、家を買う。
          植物図鑑
          県庁おもてなし課

          JUGEMテーマ:恋愛小説


          「阪急電車」 有川 浩

          2008.06.06 Friday

          0
            阪急電車に乗り合わせた人々のものがたり。
            阪急今津線の各駅ごとに1つの出会いが起こり、そこから徐々にに人のつながりができてゆく。

            海野つなみ先生の回転銀河のように、登場人物が次々とリンクしていく展開って大好きなんですよ。( ̄▽ ̄)
            それを、ベタ甘活字のスペシャリスト、有川浩先生が書くとなれば、面白くないはずないじゃないですか。


            宝塚駅
            図書館でよく見かける、気になる女性が偶然隣に。
            車窓から見える中州に「生」という字が。
            それをきっかけに会話を交わすふたり。
            恋の始まりのドキドキがこちらにも伝染して、幸せな気分になります。


            宝塚南口駅
            婚約者を寝取られた翔子は、タブーである白いドレスを着て
            彼らの結婚式に出席した。「討ち入り」は達成したものの
            悲しみは消えない。切ないです。。・゚・(*ノД`*)・゚・。


            逆瀬川駅
            孫をつれた老婦人・時江さん。
            白いドレスの翔子に興味津々の乗客の会話から
            孫の注意をそらすため、犬を飼うことを提案する。
            経験豊富な老婦人のそつのなさと、亡夫とのほっこりとした
            思い出がかわいらしい。


            その後も電車は様々な人をのせ、終点へ滑り込むー。
            そして、折り返し編では各駅の登場人物たちのその後と
            新しい出会いが書かれています。

            他にもごんちゃんと圭一くんの恋愛初心者カップルもういういしくてかわいいし、女子高生えっちゃんと漢字の読めない彼氏との会話は読んでいて爆笑しちまいました。(驚くべきはほとんど実際の会話だったらしい)

            中でも、阪急電車の登場人物の中で好きなのは時江さんです。
            孫を甘やかしすぎず、言うべきことはきっちり言う。
            こんな女性になりたいものです。


            阪急電車
            阪急電車
            posted with amazlet at 08.06.01
            有川 浩 幻冬舎 売り上げランキング: 1568




            阪急電車の映画


            [映画] 阪急電車 片道15分の奇跡
            阪急電車 -片道15分の奇跡- 征志とユキの物語

            有川作品感想


            空飛ぶ広報室
            明日の子供たち
            旅猫リポート
            ほっと文庫 「ゆず、香る」
            クジラの彼
            ラブコメ今昔

            海の底
            空の中
            レインツリーの国
            三匹のおっさんふたたび
            三匹のおっさん

            キケン
            ヒア・カムズ・ザ・サン
            シアター!
            シアター2!

            フリーター、家を買う。
            植物図鑑
            県庁おもてなし課
            JUGEMテーマ:恋愛小説

            「クジラの彼」あとがき感想と活字ベタ甘小説

            2008.05.29 Thursday

            0
              クジラの彼」のあとがきで有川浩先生が
              「活字でベタ甘」好きやきしょうがないろうがえ。
              と、おっしゃって数冊の本を紹介されてました。
              なかでも「星へ行く船」と、「あしながおじさん」を挙げられるのを読んだとき、思わず叫んでしまいましたよ。
              「私もですっー! w( ̄Д ̄;)」って。


              ・星へ行く船について
              星へ行く船」シリーズは新井素子さんの代表作で
              太一郎さん&あゆみちゃんの関係は当時ドキドキして読んでいました。
              通りすがりのレイディ」ではライバル出現にハラハラしたり。
              ああもう何もかもが懐かしい(^^;)
              あとがきを読んで以来、もう一度「星へ行く船」シリーズ読みたくてたまりません。(その後読みました。)

              ・あしながおじさんについて
              あしながおじさんは少女を助ける紳士の話と思われがち
              ですけど、よく読むと主人公ジュディの成長と、
              それにあせる男性側の心理が描かれていて、
              まさに「活字で胸キュン」なのですよ。

              有川先生も「あしながおじさん」をお好きだったと知り、
              なんだかうれしくて!
              自分の好きだった本を、好きな作家が好きなんて
              なんだかすごい宝物をもらった気分です。
              有川先生、ありがとうございます。

              星へ行く船 (集英社文庫 75B)
              新井 素子 集英社 売り上げランキング: 102991

              あしながおじさん (新潮文庫)
              ジーン ウェブスター Jean Webster 新潮社 売り上げランキング: 53966

              「クジラの彼」 有川 浩

              2008.05.28 Wednesday

              0
                クジラの彼」を読むと、自衛官と恋をしたくなる(かも)

                真面目で真摯で時にやんちゃな自衛官達が繰り広げる
                普通の恋愛(?)を、糖度高めに描く自衛隊員ベタ甘恋愛小説
                それにしても有川先生の「活字でベタ甘」は一度ハマると癖になります。(^^;)

                クジラの彼
                クジラの彼
                posted with amazlet at 08.05.27
                有川 浩 角川書店 売り上げランキング: 5188


                ・クジラの彼
                潜水艦を「クジラ」と呼ぶ聡子さんと
                そんな彼女の言葉のセンスに惹かれるハルくん。
                いったん海に出るとなかなか帰れないし、連絡もつかない。
                そんな「クジラ」乗りを待つ聡子さん。
                待つのって切ない。そんな時、聡子さんにセクハラ専務の魔の手が。
                ハルもある事件に巻き込まれてしまう。
                一度潜るとなかなか会えないクジラ乗りとの恋愛。
                でも待った分余計にうれしいんですね。

                ・ロールアウト
                自衛官と航空機設計士とのトイレを巡る恋話。
                トイレ話がどう恋愛と結びつくのか!
                ハラハラしながら読んでいたが、うまいところに着陸。
                トイレと恋愛を同時に描ける有川先生はすごい。

                ・国防レンアイ
                好きな女の失恋慰め役に徹する伸下。8年越しの思い!
                応援せずにはいられない。
                女性自衛官(WAC)て、たくましくてたくましくて
                可愛らしい存在なのですね(^^)。

                ・有能な彼女
                ひたすら男がうだうだしている話。
                「クジラの彼」の親友が主人公。本編「海の底」ではかっこよかった夏木さんも
                彼女の尻に敷かれています。
                彼女の望さん、ひたすらめんどくさい女子ですが、
                そんな彼女を溺愛しすぎて踏み込めない夏木さんも
                かわいらしい(かな?)

                ・脱柵エレジー
                自衛隊では基地から脱走することを「脱柵」という。
                柵を越えて彼女の元へ。ロミオとジュリエットをイメージしても
                現実はそんなに甘くない。
                …つくづく自衛官のレンアイって大変だと思いました。(^^;)

                ・ファイターパイロットの君
                なんですか、このかわいすぎるツンデレ姫はw( ̄Д ̄;)
                男前でかっこいい空自の戦闘パイロットの光稀さんと、
                彼女を精神的にやさしくつつむ高巳さん。
                うわー、甘々カップル(//▽//)
                女性に限らずパイロットであり続けるというのは
                とても大変なことなのですね。
                そんな光稀さんを支える高巳さんはかっこいいと思います。
                空の中」のスピンオフ。

                ・感想の総括
                防衛省は本当に自衛官を募集したいのなら
                ポスターをつくるより、「クジラの彼」を全国の学校図書館に寄付した方がよっぽど効果があると思う。
                私が学生時代にこの本を読んでいたら
                就職先の候補として自衛隊を考えたかもしれない。
                少なくとも一般市民とかけ離れている(と私たちが思っている)
                自衛官達が身近な存在に感じられたもの。


                有川作品感想
                旅猫リポート
                ほっと文庫 「ゆず、香る」
                ラブコメ今昔
                阪急電車

                海の底
                空の中
                レインツリーの国
                三匹のおっさんふたたび
                三匹のおっさん

                キケン
                ヒア・カムズ・ザ・サン
                シアター!
                シアター2!

                フリーター、家を買う。
                植物図鑑
                県庁おもてなし課

                JUGEMテーマ:恋愛小説

                「レインツリーの国」 有川 浩

                2008.05.24 Saturday

                0
                  ひさびさに、本で泣かされました。「レインツリーの国
                  ドキドキして、切なくて、読んだあと真剣に主人公達の幸せを祈らずにはいられない。

                  もともとは図書館戦争シリーズ・「図書館内乱」内にタイトルだけ登場していた架空の本。この架空の本が命を吹き込まれ、実際に物語になったのが「レインツリーの国」です。

                  レインツリーの国 (新潮文庫)

                  中古価格
                  ¥1から
                  (2018/6/30 23:06時点)




                  伸行は高校時代の思い出の本、「フェアリーゲーム」の感想をネットで探していた。感想サイト「レインツリーの国」の真摯な文章に魅かれた伸行はその感想を書いた「ひとみ」にメールを出してみる。
                  それがきっかけで2人はメール交換を始め、濃密な言葉のやりとりが始まる。
                  ちなみにこの「フェアリーゲーム」には元となる「妖精作戦」という小説が存在するのだそうです。

                  妖精作戦 (創元SF文庫) (創元SF文庫)

                  中古価格
                  ¥1から
                  (2018/6/30 23:07時点)





                  好きな本を通じて言葉をかわし、どんどん仲良くなってゆく2人の様子は、読んでいるこっちもドキドキ。
                  と、ここまでは、姿が見えない相手とのネット恋愛の様子が描かれています。
                  親しくなれば、会ってみたくなるのは自然な感情。
                  「直接会うのが駄目やったら、せめて電話だけでもどうかな」
                  伸行はなんとか「ひとみ」を説得し、初デートにこぎつけるのですが…。

                  初デートにこぎつけたものの、実際の「ひとみ」はちょっと変わっていた。食事のリクエストをすれば「静かなところ」というし、映画は洋画の字幕でなければダメだという。
                  メールとのギャップにとまどう伸行は、エレベータの重量オーバーブザーを無視して乗り続けるひとみについにブチ切れる。
                  「…重量オーバーだったんですね」

                  ここからは先ネタバレです。

                  「優しい音楽」 瀬尾まいこ

                  2008.04.29 Tuesday

                  0
                    瀬尾まいこさんの本を読むと、いつもこころがほっこりやさしくなれる。「優しい音楽」はどこにでもいそうな恋人達の、愛しくてせつなくて、ちょっと笑える物語。

                    「恋人達」の話と見せかけて実は「家族」を描いているのが、瀬尾まいこさんらしいですね。

                    優しい音楽<新装版> (双葉文庫)

                    新品価格
                    ¥530から
                    (2019/7/2 16:57時点)




                    優しい音楽


                    駅のホームで突然見知らぬ女性・千波から声をかけられたタケル。
                    それがきっかけで付き合うようになったふたりだが、彼女はタケルを家族に会わせたがらない。
                    それには彼女の悲しい過去が関係しているのだけれど…

                    切なくてやさしいお話です。

                    お寿司の食べ方みたいな、なにげない生活習慣の違いに驚いたり、家でだらだら過ごしたりする、恋人達の日常のなにげない様子にほっこり。

                    タイムラグ


                    不倫中の彼、平太の娘を旅行中預かることになってしまった深雪。平太の娘・佐奈に「お願い」されて、母親との結婚のことを許していない祖父のところへ説得をしに乗り込むことに。

                    途中まで読んでいて「平太(不倫中の男)はなんてやな奴だ!」と思っていたけれど、平気で不倫相手に娘を預ける平太にもいい部分が見えてきたり、人間て嫌な面といい面を両方兼ね備えた生き物なのだなぁと実感させられましたね。

                    おっかなびっくりふたりの距離が縮まっていくところが、なんともかわいらしい。
                    「不倫カップルとその家族」でドロドロ以外の物語がかける瀬尾まいこさんは偉大だ。

                    ガラクタ効果


                    ガラクタ集めが好きな恋人、はな子が「拾ってきた」のはなんとおじさん。
                    おじさんは、佐々木さんといい、大学をリストラされた元教授で離婚して一文無しになったため、ホームレス生活をしていたところをはな子に拾われたのだという。

                    知識はあるけれどもどこか社会とずれている佐々木さんがなんだかとてもかわいらしいんです。

                    佐々木さんの指導で年賀状を書いたり、書初めをしたりと、いまどきの若者カップルと佐々木さんとの共同生活にも新しい発見があり、マンネリ気味のカップルにもいい影響を与えてゆきます。佐々木さんの今後に幸あれ(^^)


                    瀬尾まいこさんの作品感想


                    「おしまいのデート」→
                    「ありがとう、さようなら」→
                    「天国はまだ遠く」→
                    「強運の持ち主」→
                    「図書館の神様」→
                    「幸福な食卓」→

                    JUGEMテーマ:オススメの本


                    レビューポータル「MONO-PORTAL」

                    「カフーを待ちわびて」 原田マハ

                    2006.08.04 Friday

                    0
                      沖縄の小島を舞台とした、あたたかく、奇跡のようなものがたり。
                      ガジュマルを渡る風が風吹き抜ける美しい島に飼い犬・カフーとともに暮らす明青。
                      そんな明青のもとに見知らぬ女性・幸から「お嫁さんにしてください」と手紙が届く。
                      最初、なにかの冗談かと思っていた明青だが、そのうちに会ったことも無い幸の訪れを待ちわびるようになる。
                      やがて訪れた幸との奇妙であたたかな同居生活が始まるが、島のリゾート開発に伴う立ち退き問題や、周りの人間の無邪気な悪意によって、幸は明青の元を去っていってしまう。やがて幸が明青の元にきた「ほんとうの理由」を知るのだが…

                      沖縄の美しい自然に抱かれた、かわいらしいラブストーリーかと思いきや、中身は結構人間の愛憎がドロドロしているのには驚いた。

                      島のリゾート開発に絡む立ち退き問題が起こり、主人公も巻き込まれたり、立ち退き反対派の子供に執拗ないじめがあったりと、「沖縄の人間はみんな明るくていい人」という内地の人間の勝手な憧れを見事に打ち砕いてくれている。

                      そんな中、明青だけは以前と変わらない生活を続ける望んでいる。
                      そして「カフー」を待って、待ちわびる生活を続けている。
                      そこには決して純粋なだけではない理由があるのだが、
                      「待ちわびる」しかなかった明青の思いが、切ない。

                      「カフー」とはウチナーで「幸せ」「果報」「良い知らせ」のこと。明青と幸の二人に「カフー」が訪れるよう祈ってやまない。

                      [追記]映画化が決定しましたね。主演は玉山鉄二さん。
                      私の明青のイメージは10年前の時任三郎さんですが、玉山さんの明青も楽しみです。あの端正な顔でせつない表情をされるとたまりません。(^^)

                      カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

                      中古価格
                      ¥7から
                      (2018/8/17 14:51時点)




                      『カフーを待ちわびて』の続編もある南の島々を舞台にした短編集『花々』

                      花々

                      中古価格
                      ¥1,116から
                      (2018/8/17 14:51時点)


                      JUGEMテーマ:沖縄



                      山田マハ作品
                      『花々』
                      『たゆたえども沈まず』